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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
110/1098

9. どれいと真夜中の会話


むにゅ〜


サリア・・・宿屋の娘。珍しく奴隷ではない。

「あの…レム兄、ちょといい、かな?」



「ん?つかサリア、そんな半分だけ隠れるような怪しい格好してどうしたんだ?」



「えっと、その…」



「何の用事かは知らないが、まぁ中に入れ。下手にレアリアとかに見つかると何故かヤバそうな気がする」



「う、うん。それじゃ、お邪魔します…」



「ってのも何か変だな。ここはお前の家だろ?」



「それは、でも今はレム兄の部屋だよ、ここ」



「…ふむ、そう言う意味じゃ、夜に男の部屋に一人で訪ねてくるなんて大胆だな、サリア?」



「ふあ!?」



「と、言うのは冗談だ。…何が言いたい、その必死に横に振る姿は?そしてどうして後ろに下がる?」



「…だって、レム兄。……私を手篭――」



「っ!!」



「っ、っ〜〜」



「な、何を言い出すかなぁ。しばらく会わないうちにおませになったなぁ、サリア。――いいな?今から手を離すが大きな声出すんじゃないぞ?」



「…(こく、こく)」



「よし。じゃ、手を離すな?」



「ぷはぁ。び、びっくりしたぁ〜」



「びっくりしたのはこっちだ。訪ねてきたと思ったら急に何を言うか」



「だって、レム兄が悪いんだよ?いきなりあんな事言うから」



「そりゃ悪かった。でもそう言う意味だとサリアも不用心だぞ?」



「そんな事ないもん」



「いやいや、十分不用心だっての」






「……だって、レム兄ってばまた直にどっかに行っちゃいそうな気がしたんだもん」






「ん?今なんて――」



「ううんっ、何でもない!何でもないからっ」



「そうか?」



「…うん」



「ま、いいか。で、どうした?」



「う、うん。そのね、ご飯どうだったかなって」



「飯?まあ普通に美味かったけどな。てか、これって食事のときも同じこと言ったよな、確か」



「そ、そうだった?」



「ああ、言った。確かに言ったな」



「そ、そう?」



「………はぁ。で、だ。サリア」



「な、なに?」



「ちょこっとこっち来い」



「で、でもレム兄ってばえっちな事…」



「いいからっ、さっさとこっちに来い」



「――…、ぅん」



「はい、俺の隣に座って」



「で、でもそこベッド…」



「つべこべ言わずに座る」



「……」



とすん。



「つか、何かな。サリアとかレアリアとかあいつとか、他の奴らもそうだが…俺はそんなに見境なく襲いかかりそうに見えるのか?」



「うん」



「肯定、しかも即答ですか!?……お、落ち込むなぁ」






「だって、今だって女の人の事いっぱい…それにレム兄ってばこう言うコトに慣れてそ――、っ!!な、何でもない。今のなしだからっ!!!!」






「?よく聞こえな…」



「な・ん・で・も・な・い・か・らっ!!!」



「…まあいいが」



「うん。油断…今のはちょっと油断しちゃっただけだから」



「油断、ねぇ。ま、それはそれとして、だ。サリア」



「う、うん?」









「大きくなったなぁ」



ぽんぽん。



「……」



「うん、本当に大きくなった。前に会った時はちょうど膝の上に乗るサイズだったからなぁ」



「……」



「ただいま…ってのもおかしいか。こういう場合はどう言うんだろうな?久しぶり、はもう言ったし」



「…知らない」



「まあ、でもほら、こう言う事だから、久しぶりったってそんなに緊張する事はないぞ?」



「……もうっ、子供扱いは止めてよレム兄。頭を撫でて御機嫌とりなんて……そんな、もう子供じゃないんだから」



「その割には表情が緩んでるような気がするけど?…こう言うところは昔も今も変わりないな」



「む!?これでも私、顔よし性格よし器量よしの三拍子が揃った、街じゃモテモテの人気者なんだよ」



「…胸はなびふっ!?」



「――レム兄、この近距離で余計なこと言うと寿命が縮むよ?」



「…はい、自粛します」



「うん。だからね、レム兄は幸せ者なの。私に…えっと、その、とにかく分かった!?」



「何故急に怒る?」



「いいからっ。分かったの、どうなの?」



「あぁ、分かったよ。サリアは街の人気者で、こんなにも懐かれてる俺は幸せ者って事ですね?」



「懐くてちょっと微妙、けど……うん、そう言う事だよ」



「うん。わーい、俺ってば幸せだなー」



「…何かレム兄、棒読み」



「いや、だって、なぁ?」



「なに?」



「その割には俺の扱い酷くない?」



「どこが?」



「…それを真顔で聞き返しますか」



「だって、結局全部レム兄の自業自得じゃないの?」



「どこをどう取ったらそうなるっ!?」



「え?全部、だけど。レム兄ってば分かっててそう振舞ってると思ってたんだけど、違うの?」



「違います。違うに決まってます。てか何で俺が好き好んでいたぶられなきゃいけないんだよ」



「さあ?」



「…もういいです。それよりも俺は現状の待遇打破を申し出たい。特にレアリア辺り。あいつってば俺の事を嘗め過ぎてると思わないか?」



「大丈夫だと思うよ?」



「どこからそんな根拠のない答えが…」



「大丈夫だって。だって私なんて最初はレム兄の事を『動く死体』だって思ってたのに今はこうだし。レム兄はもっと自分に自信を持っていいと思うよ」



「……ありがとう。でもな、」



「うん?」



「明らかに年下の人間に諭されるような事を言われるとむしろ一層自信をなくすのですが?」



「…それも、レム兄らしくっていいんじゃない?」



「さーりーあー?お前の中の俺っていったいどんな人物になってるのかなぁ?」



「きっと、見たままだよ?」



「具体的には?」



「う〜ん、…へたれ?」



「………あぁ、そう言えばレアリアにも同じことを言われた気がする。俺ってそんなにヘタレに見えるのか?」



「だって、こんな可愛い子と一緒の部屋にいて何もしてこないんだよ?ヘタレだよ」



「…サリアさん、自分の発言を省みてみよう」



「?……、…、………、〜〜〜っ!!!」



「誘ってる?誘ってるな??」



「ちがっ、今のなしっ!なしだからっ!!!」



「ふっ、勝った」



「?」



「軽い冗談だよ、サリア。しかしね、サリアくん、これで俺もヘタレじゃないって事分かってくれたかな?俺のはヘタレじゃなくって優しさというのだよ、うん」



「――」



「って、おいサリア?」



「……、レム兄?」



「何だ?てか、サリア、何か怒ってない?」



「ううん、怒ってないよ。ただちょっと胸の辺りがむかむかするだけ」



「それを怒っていると世間では言う――」



「世間なんてどうでもいいの」



「いや、よくないと思うぞ。世間体は大事――」



「い・い・のっ!!」



「はい」



「ねぇ、レム兄?」



「な、何でしょうか?」



「私がね、今からたっぷりと女の子について教えてあげるよ」



「そ、それはどのような意味――」



「そこに座る!!違うっ、正座だよ!!!」



「さ、サリアさん…?」



「口答えしない!!女の子には優しくするのが基本だよ!これからレム兄には朝まで、じっくりとその事を教えてあげるから、ほら早く座る!正座!!!」



「…ひゃい、分かりました」



「口調がなよなよしい!男の人はもっと堂々とする!!そんなんじゃ女の子に嫌われちゃうよ、ほらしゃんとする!!」



「はいっ!!」



「だから早く正座する!!もたもたしない!!!」



「……」



「返事は!?」



「はいっ!!」



「ぐずぐずしない!!」





翌朝まで、部屋の中から聞こえる男女の声は止まなかったそうな。





この、甘えん坊さんめっ♪


…深い意味はありません。


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