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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
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 突発的な、説明のような二人の会話

毒舌は個性です。ですが、本メイドさんは別に毒舌という訳ではありませんのでご注意を。


「突発だがここでひとつ講義をやろうと思う。じゃあ早速一つ目いくぞ。…魔法、とは何だ?」



「魔法――すなわち魔力を用いて世界の理を一時的に破壊するのど同時に自らに都合のいい様に組替える事により何かしらの効力を発生させるもの、で御座います。では旦那様、僭越ながらこちらもお返しにおひとつ、魔術とは何でしょうか?」



「魔術、ね。魔法と似て非なるもの――魔力を以って空間に術式や方陣を書き込むことによって任意の事象をその場に選択、ないし発現させる為のすべ。ただし、選択の内に『魔法を発現させる』っていう半分反則的なプロセスもあるのが特徴だな。まあもっとも最近じゃ魔法と魔術の区別なんてわざわざつけてないみたいだけどな」



「どちらにも魔力を用いて行っていることに変わりはありませんしね。ですがしいて言うならば魔法は口頭により発現させるものが主であり、魔術は印を結ぶことによって発現させるものが主である、ということでしょうか」



「そうだな。大体そのとおりだ。……で、だ。どうして俺たちはこんなことをしてるんだ?」



「さて、旦那様がお始めになられた事ですので私には分かりかねますが」



「それもそうか。で、続けるが」



「え、お続けになられるのですか?」



「だめか?」



「駄目です」



「…ど、どうしてだよ?」



「今更そのような問答をなされても時間の無駄かと存じ上げますが?」



「まぁ、それもそうか。じゃあ余ったこの時間をどうするか…」



「互いの自己紹介を行ってみる、というのはいかがでしょうか」



「お、それ面白そうだな。それでいこう。で、どっちが先にするんだ?」



「では旦那様から」



「ん、分かった。……こほんっ、では。こいつの名前は……まあ、諸事情があって教えることができないんで取り敢えずはアティ、とでもしておくか。で、アティは…そうだな、外見の説明からいくか。ちょっとくすんだ銀髪をひとつにまとめてて、顔は人形かってくらい精巧な造りだな。むしろ本当に人形かってくらい表情の機微も少ないのが難点だが…。で、まあ一言で言えば超絶の美女だ。少女…はいくらなんでも無理がある……いや、そこで殺気のようなものを俺に放たれても困るわけだが。で、体付きも…て、これは言っちゃ駄目だって?どうしてだよ?はぁ、恥ずかしい?……まあ、いいか。なら次だが、アティは基本的には何でもできる超人だ。魔法に勉学、戦闘や家事手伝いまで完璧にこなすやつだな。だが致命的ともいえるのが性格が悪い。とにかく悪い。何故か他のやつらには慕われているのだが、俺をいじり倒すことを趣味にしているようなやつだ。性格が悪くなくって何だって言うんだ。ちゃんと構ってやってるんだからいい加減少しくらいは加減、もとい穏やかな気性になってくれてもいいと俺は思うのだがなぁ……て、俺の所為って何でだよっ!?」



「以上で旦那様のなされる私のご説明を終わります。あと、旦那様、それは己の胸にお尋ねになられてくださいますよう」



「……分からねぇから聞いてるんだよ」



「では次は私の番で御座いますね。旦那様の説明、ですか。そうですね………まあ旦那様ごとき一言で十分でしょうか。…はい、何でしょう?…それはないのではないか?いえ、旦那様の素晴らしさはとてもお言葉で表せられるものでは到底御座いませんので、それならば言葉を労して表現を尽くすよりも一言のみで表すことによりいかに旦那様の素晴らしさを分かっていただけるかと考えた次第で御座います。決してまあ一言で十分か、などという安易な思惑によるものでは御座いません、ええ御座いませんとも。…何でしょうか、その疑惑に満ちた目は。ああ、旦那様は私をお疑いになられるのですか、それはとても切なく、悲しいことで御座います。いえ、これも全ては私の不徳とするところ、旦那様がたとえどれほどの無価値でどうしようもないお方であられるとしてもそれも御傍に仕えさせていただいている私の不徳たるところで御座いますれば、この不肖をいかにして償えばよろしいのでしょうか……と、まあどうせ償うのは私の所有者であらられる旦那様ですので気にしないことに致しましょう。では、なにやらずいぶんと遠回りしてしまいましたが旦那様のご説明でしたね。そうですね……おばかっ!!」



「うおいっ。それが俺の全てかっ!?」



「ではもう一言。…ひきょうもの」



「…すみません、さっきの一言だけで十分です」



「それと旦那様、敢えて申し上げさせていただきますが、先ほどの私の説明、旦那様のお口からお聞きしますとどうにも嫌味にしか聞こえなかったのですが?」



「――どういう意味だよ?」



「確かに私は大変優秀では御座いますが、薬学やその他の一部の分野で旦那様がはるかに勝っておられるという事実が御座います。その旦那様から手放しに褒められたとしても何か裏があるのかと疑いこそすれ、素直に喜ぶなど…とても」



「ずいぶんとひねくれていますね」



「旦那様の所有物ですので」



「…たまにさ、どっちがどっちのモノか判らなくなる時あるんですけど?」



「突発的心因性健忘症ならびに妄想ですので、一度解体なされることを強くお勧めいたします」



「解体ってそれ死ぬよ、死ぬってばっ!!あと、何その俺の発言全てが信用できません全否定の言葉は!?」



「全て真実ですが、それが何か?」



「……真実って辛いものだね」



「これで旦那様もおひとつ学ばれました。実に結構なことかと思われます」



「哀しいなぁ。涙が出るよ」



「ほろり」



「――貴様は泣いてないからな。あと表情すら変わってねぇ」



「ぽろり」



「言葉を変えても同じだっ」



「旦那様が、ぼろい」



「って、いきなり何いってやがりますか、おまえは!」



「お後がよろしいようで」



「ぜんっっぜんよくねぇよ!!」






「では、本日はこれにて失礼させていただきます」




うむ、今日はまだ穏やかでした。


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