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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
それはさておき、
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 ど-625.大魔王(笑)とか

大魔王(笑)とか。

シリアス? そんなのありえないっすよ。

「大魔王(笑)」



「……」




「大魔王(笑)」



「……何が言いたい」



「いえ、私は敢えて旦那様のお耳に届くように独り言を言っているだけですので、お気にされないでくださいませ」



「いや気になるだろ、それっ」



「大魔王様(爆)」



「えぇいっ! さっきから何なんだよっ、言いたいことがあるならはっきり言ったらどうなんだっ!!」



「いえ、特に申し上げたいことなどは御座いません、元(笑)魔王様?」



「だから『(笑)』ってのは何だ!!」



「何のことでしょうか。私はそのような事は申し上げておりませんが?」



「お前の心の声が聞こえた」



「遂に旦那様にも私の心の声が届くまでに進化されたのですねっ」



「進化って何!?」



「それとも退化でしょうか?」



「退化ちげぇよ!!」



「ではやはり進化ですね、旦那様」



「つか、進化か退化の二択しかねえのかよ!?」



「仕方ありませんね、では究極の選択として、」



「ごめん、やっぱり二択でいいや」



「……まだ最後まで申し上げておりませんが?」



「ああ。ろくなせりふが出てこないだろうと簡単に想像できたから。やっぱり心を入れなおすことにした。取り敢えず妥当に退化したってことで良しにしておく」



「……左様で御座いますか」



「ああ」



「しかし旦那様的には私の思いを読み取れるようになることは進化ではなく退化なのですか」



「ふっ、昔は俺もすごかった!」



「納得いたしました」



「納得してるんじゃねえよっ!!」



「旦那様が先に仰られたことで意味なく怒り出さないでくださいませ。まあその気持ちは私も、時折旦那様に一度きれいに生まれ変わりを体験してほしい、などと願ったりもしたりしなかったりですので、分かりますが」



「分かるなよ!? つかそれは分からねえよ!! 俺に生まれ変われとか何それ、つかそんな生まれ変わりとか可能なのは“なんちゃった♪”カミサマくらいのものだよっ!?」



「チャレンジされますか?」



――はい



――YES



「何か選択肢っぽいものが出たんだが!? というかやっぱりどっちも同じ選択肢ってどういうことだよ!?」



「旦那様には選択の余地などないということでは御座いませんか?」



「嫌な事いうなっ、つか地味にそれが正解な気がするのがもっと嫌だっ!!」



「では旦那様、生き返りを試みますか?」



「試みねえよっ!! つかそんなわけ分からん話題を引っ張るなっ」



「はい、旦那様。旦那様がそう仰られるのであれば綺麗さっぱり、この話題は止めに致します」



「ああ。それでいい……」



「――ああ、そう言えば旦那様」



「あん?」



「先ほどは、ずいぶんと懐かしいことをお話されておりましたね」



「懐かしいって……あぁ、あのなんちゃって♪魔王のことか?」



「はい。あの見事に大根役者のやらせ魔王のことです、旦那様」



「大根って言うな」



「では赤カブでよいですか?」



「ゃ、……赤カブって何?」



「先はほっそり、下はぽっちゃり?」



「益々意味分からん」



「私も良く分かりません」



「……なら言うなよ」



「なんとなく。当時の旦那様の役者ぷりがあまりにも……ふふっ」



「何!? 何を思い出して笑ってんの!?」



「いえ、旦那様の道化振りを思い出し……て、おりましたが考えてみれば今と然してお変わりありませんね、一向に改善の余地のない旦那様」



「いや変わってるって。昔より……す、少しは落ち着いた、とか?」



「そうで御座いますね。昔よりもへたれになられてかもしれません」



「それは悪い方向に変わってるんじゃ――って、いやいや、そんなことはないぞっ!」



「昔の旦那様の厚い胸板、今思い出してもどきどきいたします」



「そのいかにも昔何かありました、的な言い方は止めい」



「私は取り立て、何か断定的なことは申し上げておりませんが?」



「それがお前の常套手段だよなっ!」



「はい。如何にして旦那様を地獄(笑)に突き落とすかを考えるのは心が躍ります」



「そんなことで踊るな!!」



「申し訳御座いません、旦那様」



「……それは了解の言葉なのか、それとも否定の言葉なのか」



「……」



「何か言えよ!!」



「少し正直に物申しすぎたかもしれません。今後はもう少々、含みを込めた言葉を用いることに致します」



「そんなことは一切望んでねえ!?」



「しかしながら旦那様、あの時も思いましたが旦那様の演技はどうにかならないものでしょうかね」



「そりゃお前には劣るが……」



「当然です」



「当然なのかっ」



「はい」



「ゃ、まぁ確かにそうだが、じゃなくて。別にいいんだよっ、俺は素直なのが一番の長所であって、」



「おばかなのが一番の難題で御座いますか、……はぁぁぁ」



「馬鹿ってなんだ、馬鹿って! 馬鹿という方が、」



「少なくとも旦那様よりは頭の出来がよいと断言できます」



「……くっ、この無駄高性能がっ」



「無駄では御座いません。遺憾なく、旦那様の嫌がらせに発揮している自負が御座います」



「止めて!? まじやめてぇぇぇ!!!」



「――そのような誘いがさもしい私のやる気を沸き立たせます」



「たたせるんじゃねえよ!!」



「……おや、推定勇者様が戻ってこられますね。旦那様、名残惜しいですが此度はこれで失礼致します」



「いや、おい、まだ俺の話は終わって――」



「では。失礼致します、旦那様」



「ゃ……!」




勇者様(笑)ただいま修行ちゅ。

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