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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
それはさておき、
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 ど-623 .雑談は意味のないものであると決まっている

勇者・・・勇者よ、カムバァァァク!!!!



……ごめんなさい、意味はありません。

「……ふぅ、茶がうめぇ」



「それほどの腕までも、御座います」



「いや、そういう意味で言ったんじゃ……まぁ確かにコレは美味しいが」



「はい。その辺りに生えている草を用いてもそれなりのものができるのですね、と私も少々驚いております」



「って、おぉい!? 褒めた瞬間、それか!!」



「褒めていただけていたのですか?」



「褒めてたよ!? 一応、これちゃんと美味しいなって感じで褒めてたよ!?」



「それは、ありがとう御座います、旦那様」



「ゃ、それもコレもお前の一言ですべて台無しだけどな」



「心配なされずとも毒見は済ませてあります」



「ま、まあそれな――」



「ですので私も試飲してみようと思います。――おや、意外と美味しいですね、流石は私です」



「ちょっと待て!? 今のはいったいどういう意味だ!!」



「どういう意味も何もそのままの意味で御座います」



「……つまり?」



「旦那様に飲ませてみて問題なさそうでしたので私も飲みました。と、それでだけですが?」



「それ毒見済ませたって言わなくね!?」



「いえ、旦那様が毒見を済ませてくださったので私も安心して飲めますね、ということで御座います」



「何で俺の方が毒見してんの!?」



「男性はこのような時見栄を張るものであると聞き及んだことが御座います。そこで私は『ここだ!』と思い立ちました」



「思い立つなよ。いや、まあ男が見栄を張る生き物ってのは、確かにそのとおりなんだけどさ。いやでも違うだろ、やっぱ」



「旦那様の勇姿にこの私、改めて惚れ直しました」



「……勇姿っつーてもお前が勝手に、しかも俺の知らない間にしでかしたことだけどな」



「惚れ直した~、の下りはスルーで御座いますか、旦那様」



「ああ、そこはほら、とりあえず放って置いた方がいいかな、と思って」



「左様で御座いますか」



「ああ」



「旦那様は中々の焦らし上手でございますね」



「ゃ、別に焦らしてないし」



「……」



「……」



「ところで旦那様、こちらの推定お茶の茶菓子などをご用意いたしましたが如何致しましょう」



「推定って……まあいいや。うん、それじゃあ貰って置こうかな」



「はい。ちなみに私の必ず当たる予想では推定お茶の成分とこちらの一見して無毒な茶菓子の成分を掛け合わせることにより稀に見る猛毒が生成できるはず、ということですのでくれぐれもお気をつけくださいませ」



「……」



「おや、旦那様。茶菓子は頂かれないのですか?」



「うん、まー、やっぱりいらないかな、と思い直した」



「左様で御座いますか」



「……と、言うか。危ねぇぇぇぇ。もうちょっとで食っちまうところだった」



「まことに残念ですが、次から進言をもう少々遅らせて申し上げてみることに致します」



「止めろ。つか進言云々の前にそういう事にならないように考慮する、とか言う考えはお前にないのか」



「旦那様は私をいじめて楽しいのですかっ!」



「どこが!? どちらかといえば俺の方がいじめられてるだろうがッッ! ――まあ楽しいかどうかと聞かれたら、無論楽しいさっ!!」



「このうらみはらさでかー」



「いや、それどっちかというと俺の台詞。あと、そんな棒読みされてもぜんぜん怖くないのな」



「この恨み――」



「あ、かと言って別に本気な演技でやって見せろ、とは言わないからな?」



「はい、旦那様」



「ちなみに今言おうとしてたことは……」



「何の事で御座いましょう、旦那様」



「……」



「……」



「まあいい、そういう事にしておいてやろう」



「はい。そちらの方が旦那様の為であると私も思います」



「そこでなんで俺のため!?」



「……さて?」



「その言葉の溜めがすっげぇ意味深っぽくて怖いんだが」



「あまりお気になさらないでくださいませ。所詮は言葉遊びに過ぎませんでしょう?」



「その言葉遊びの中でも微妙に命の危険を感じるときがあるのだが……というかひとつ間違えばそのまま地獄逝き、みたいな?」



「よく分かっておいでではありませんか。その割に進展は御座いませんが」



「分かってるって何が!? というか今のは俺的にすっげぇ否定して欲しいところなんだがっ!?」



「そのようなことは御座いません、旦那様」



「今の言葉はいったい俺のどの発言に対する否定だ!?」



「強いて挙げるならば旦那様の存在という世界を超えた不条理そのものに対して、で御座いましょうか」



「……それはまた、深い否定ですね」



「いえ、所詮は旦那様のことですので非常に浅いです」



「何でだよ!?」



「ところで旦那様、話は変わるのですが、良いですね」



「……ゃ、俺が答える前から断定してるんじゃない。って、まあいいけど。何だよ?」



「はい。彼女のことです」



「彼女……ああ、推定勇者?」



「はい」



「んー、まあ、確かに。ずっと目を覚まさないしなぁ」



「余程ショックが大きかったのでしょう……旦那様の顔が」



「ああ、そうだ――って、それはねえよ!? つかあの時はすでにこの子の意識なかったから俺の顔は見られてねえよ!?」



「つまりは今ならば犯罪をし放題、と旦那様はお考えなのですね。申し訳御座いません、私の配慮が足りませんでした」



「んなこと考えてない! つか配慮って何だ、配慮って、ってかどうして出て行こうとしてる!?」



「いえ、旦那様も私に凝視されていては行為をしにくいかと思いまして。私は陰から見守らせていただきます」



「行為って何!? あと見るのかっ、隠れてみてるのか、お前は!!」



「はい。いざとなれば私も参加いたします」



「しねえよ!? てかそもそもそんなことする気ないし!!」



「なるほど、彼女では魅力が足りないと仰られるのですね」



「違う!! というか寝込みは襲わないとか言う選択はないのかっ!!」



「では試しにお尋ねいたしますが、私が無防備に寝ているところを旦那様が発見いたしました。さあ、如何なさいますか?」



「(物理的に)襲う――って、しまった!? つい反射的にっっ」



「つまりはそういうことです、旦那様」



「……な、なにがそういう事なのかは分からんが。くっ、今だけは大目に見てやるさぁ!!」



「はい、旦那様」



「そ、それはそれとして。――確かに中々目を覚まさないな」



「はい。やはり余程ショックが大きかったのでしょうね、旦那様の、」



「ゃ、もうそれいいから」



「……はい」



「それはそうと、さすがにもうそろそろ目を覚ますと思うんだが……」



「そうですね。彼女の呼吸、心音、血色の具合から推定すればもうじきのはずで御座います」



「ま、そこは気長に待つとしよう」



「はい。そのためにわざわざ家も建てたことですし」



「まあ、あばら家だけどな」



「対衝撃に関しては物理・魔力的にも世界最高峰の郷土を誇ると自負できます」



「……そういう、無駄に無駄な才能の使い方とか、別にしなくていいから」



「旦那様のためを思えばこそ、苦などではありえません」



「あ、そ。……まあお前がそれでいいなら別に俺は何も言わないけど」



「はい、万が一も考えて、これでよいのです」



「万が一とか、そういう状況を想像できないけどな」



「それを成してしまうのが旦那様です」



「……そこを否定したいけどできない俺がすっげぇ悔しい」



「旦那様ですので致し方御座いません」



「……ふぅぅぅぅ、ま、いいや。とりあえず、イケメン(断定)勇者を凹るのだって別に急ぎでやることじゃ――いや待て!? 奴がハーレム築く前にヤっちまわないとだめだからやっぱり急ぎか、急ぎなのかっ!?」



「いえ、取立て急ぎではないので、旦那様はごゆっくりと、後々思う存分悔しがってくださいませ」



「それはすでに急がないと手遅れになるってことじゃないのか!?」



「どちらかといえばすでに手遅れかと」



「な・ん・だ・とぉぉぉ!!??」



「ですので旦那様は、しばしはこちらで御緩りと滞在していただけばよいかと」



「――チッ。……ま、じゃあ適当に“発生した”魔族とか魔物とか狩りながら過ごすかー」



「はい、旦那様」





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