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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
それはさておき、
1072/1098

 ど-621.お届けに参りました

着々と、計画は進行中。

「旦那様、ご注文の品にございます」



「ゃ、俺注文とかしてないし?」



「究極進化を遂げたカラオーヌ様の渾身の一品にございます。どうぞ、お納めくださいませ」



「カラオーヌの? ……つか、究極進化とか、なにそれ?」



「あの流れるような針さばき、一つ腕を振るえば出来上がる文句のない装飾の数々。最早私に教えることは御座いません」



「お前の言ってることは今一分からん。が、でもお前に教えることはもう何もない、とかって言わせるとか、すっげぇことなんじゃないのか?」



「そうで御座いますね。カラオーヌ様にはゴッドの位を授けることにいたしましょう」



「ゃ、それは止めとけ」



「何故でしょうか、旦那様?」



「だって神とか、むしろ凄さが下がるんじゃないか? シャトゥとか、クゥワとか、その他とか」



「言われて見ればそのとおりで御座いますね。確かにゴッド扱いをしてしまってはカラオーヌ様が余りにも哀れで御座います。例えるならばそう、旦那様のように」



「いやそれは違う。むしろ俺と同類にされることこそ、最高の栄光じゃね?」



「寝言は永眠の後にのたまうか、永遠に口を閉ざしていてくださいませ、旦那様」



「そこまで酷い謂われする覚えはねえ!?」



「旦那様と同類扱いを受けるなど、旦那様はカラオーヌ様をストレスで憤死させるおつもりですか!」



「そこまでかっ、そこまでなのか!?」



「それでもまだ生易しいくらいです!」



「そ、そこまでなのか……」



「それに旦那様の杞憂は必要御座いません。カラオーヌ様には最早教えることはない、卒業の証として『あら不思議、どんなに酷使しても劣化しない、ただの縫い針』を差し上げておきましたので」



「……そんなもの貰って嬉しいのか?」



「カラオーヌ様は狂乱のご様子で御座いました」



「ただの針を貰ってそんなに嬉しいかねぇ」



「旦那様に分かりやすく謂うならば、女の子を一人いただいた、と想像していただければよろしいかと」



「ゃ、女の子は頂くとかそんなのじゃないし」



「では旦那様にも容易く想像できるよう、女性を一名攫って調教した、と。これならば実体験に基づき想像できるでしょう?」



「そのいかにも俺が昔女の子さらって調教したことあるように言うのは止めて!?」



「事実でしょうに」



「事実じゃねえよ!?」



「私、という確固たる事例が御座いますが?」



「……」



「……」



「……ゃ、調教とかはしてないし!!」



「攫ったのは事実で御座いましょう」



「あれは、まぁなんだ。若気のいた――」



「若気の至りなどと旦那様の口からお聞きした日には、旦那様がどの様になってしまうのか私には想像もつきません」



「……」



「……」



「……若気の、そう、いたずらだ、悪戯」



「悪戯ですか。ならば致し方ありませんね」



「……俺には若気の至りと若気の悪戯の違いが分からないんだが」



「そんな、昔の初々しいころの私を思い出してニヤニヤしないでくださいませ、旦那様」



「してねえし、そもそも思い出してもないよ!?」



「にやにや」



「相変わらずにやにやしてないからなー? 表情どこも変わってないからなー?」



「承知しております」



「……そうか」



「はい。では旦那様、改めましてこちらの品をどうぞ」



「……あ、ああ。カラオーヌの渾身の一作、だったか?」



「はい。私の目から見ても見事というほかありません」



「――へぇ」



「カラオーヌ様の執念が魔具に昇華してしまうなど、実に見事な手際といってよいでしょう」



「……、ゃ、それって何かいろいろと違ってないか? というか、魔具というか、……呪いの装備?」



「そうとも言います。一度試着したら脱げません、どろどろ~などという奇妙な音がどこからともなく鳴り響きます」



「それは正真正銘呪いの装備だ!!」



「そのようなことは些事として捨て置きましょう、旦那様」



「全然些事じゃないけどなっ!」



「それはそうと旦那様、早くこちらを試着してみていただけないでしょうか」



「何で呪いの装備と、しかも渾身こんしんの一作とか言われてるのを俺が着なきゃいけないんだよ!?」



「旦那様のために作ったのです」



「ふん、そんな言葉に俺が乗るとでも、」



「女の子が、旦那様のためだけに、こちらを手作りしたのです」



「……」



「旦那様、可愛らしい女の子の、手作りの品で御座いますよ?」



「――ふっ、仕方ない。お前がそこまで言うなら着てやらんこともない」



「さすがは旦那様。ご立派で御座います」



「それほどでもないさっ!」



「では旦那様、どうぞ、こちらを」



「オウッ!」



「……」



「……」



「……旦那様、まだでしょうか?」



「いやそんな早く着れないから。もう少し待て」



「はい」



「……」



「……」



「……」



「旦那さ、」



「よし、着終わっ――ななななんじゃこりゃ!!??」



「さすがカラオーヌ様。見事な出来で御座います。そしてこれを見越して鏡を持参していた私の手並みは見事と言うほかありませんね」



「ななななな、何で俺、爺さんになってるんだよ!!??」



「それはその服がのろわれた装備だからでは御座いませんか。そして、解除しない限りそちらを脱ぐことはかないません。旦那様、ばっちぃです」





「ざっっっけんなぁぁぁぁ!!!」




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