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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
それはさておき、
1063/1098

   ZO




「――よし、てめぇら。てめぇらをここに呼んだ理由は……理解ってるよな?」




「「「「「……」」」」」




「三馬鹿ならぬ五馬鹿ども、」




「僕をこいつらと一緒にしないでくださいご主人様!」←ジニ


「俺をこいつらと一緒にするんじゃねえよ!!」←カツィール


「そうだ、暴言だっ、このへたれぷー助!!」←マルマ


「そんな、酷いよ、レムこそへたれの癖にっ!!」←クィナ


「……ふん、相変わらず主人は目が曇ってるな。俺がこいつらと一緒? 冗談じゃないですよ」←ヤルィ




「よぅし、死にたくなけりゃ黙れ」




「「「「「で、でも――」」」」」




「デモも案山子もない。ここは既に戦場だ。気を抜けば即、死に繋がる。理解できなくとも取り敢えずはテメェラの足りない頭ン中に叩き込んどけ」




「「「「「せ、戦場って……」」」」」




「それでは諸君。作戦行動の前にひとつだけ、言っておくことがある。今までの俺は実はあれだ、世を忍ぶ……いや、ヤツの目を欺き通す為の演技だ。よって、頼りないとかいざという時役に立たないとかへたれとか意気地なしとか甲斐性無しとか屑とか変態とかロリコンとか美少女みんな俺の物――は、保留として」




「「「「「……」」」」」




「取り敢えずは、そんなわけだから……つまり何が言いたいかというと、だ。昨日までの俺は死んだ。今お前らの目の前にいるのは問答無用の最強最高ご主人様だっ」




「……なあ、レムの野郎がまた変なこと言い出してるけど、」


「気にすんな、カツィール。どうせまたいつもの病気だろ? 構うだけ無駄だって」


「でもさー、何かやるなら一人で痛い目みて欲しいよねー?」


「全くだ。カツィール、マルマ、クィナにジニ……つか俺以外はどうか知らないけど、俺だけは主人みたいな変態的な性癖なんてないんだから」


「……頭痛い。お前らの暴言も相変わらずだけど、ご主人様も僕を巻き込むのはマジ止めて欲しい」




「五馬鹿、い・い・か・ら! ――黙って聞け」




「「「「「……へーい」」」」」




「俺はへたれでもなんでもない。ヤる時はやる男だ。そして今こそそれを証明して――俺を馬鹿にしてる哀れなやつ等に目に物見せてやる。同士よ、今こそ時は満ち、雌伏しふくの時は終わりを告げた。今日この日この瞬間こそが雄飛ゆうひの時と知れ」




「……おい、マルマ、お前言えよ」


「嫌だよ。ジニ、こういうときこそお前の出番だろ?」


「……こ、こういう時はクィナに役割を譲ったほうが良いかな、って思うよ。ねえ、クィナ?」


「はぁ? 何で? 僕、遠慮ー。ほら、ヤルィ、ズバッと言っちゃって良いよ」


「断る」




「一つ重要なことを言ってやろう。……お前らは既に詰んでいる。抵抗・反逆・その他諸々、 俺に協力しなけりゃ待つのは地獄だ」




「なっっ」


「は?」


「ッッ」


「ざけんなっ!!」


「……やっぱり」




「ちなみに裏切りとかざけた真似する野郎には、たとえ俺が空の花と散ることになろうとも、ご主人様権限を使って絶対に断罪してやるからそのつもりで」




「「「「「――千回死ねっ、このへたれ!!!!」」」」」




「くくくっ……よし、では諸君らも気分高揚し、気持ちよく納得してもらえたところで今回の本題、作戦の説明に入るぞ」




「「誰も納得してねえよ!!」」


「まぁ所詮レムだしー?」


「ヤルィ、みんなを代表して何か一言」


「……もう、諦めた」




「――ちなみにここからは一つの間違いが命取りになる。具体的に言うと奴に会話の一つ……ヒントを一つでもくれてやった時点で全員死ぬより辛い目にあうと胸に刻んでおけ。あ、それと俺をスケープゴートにして逃げようなんて考えやがったら、俺の全プライドをかけて私刑にかけるからそのつもりでな?」



「「「「「……了か――」」」」」




「お前ら死ぬときはお前らだけで死ね。いざって時は俺のために華々しく散って来い。いいな?」




「「「「「――ふざけんなッ!!」」」」」




「うん。その焦り様、みんなも十二分に奴の危険性を理解してるようで何よりだ。まぁ安心しろ。今は俺が全力でダミーで騙してるから。持って……まぁあと数分だが作戦を説明するには十分な時間だな」




「おい、レム。いい加減、その作戦とやらを話せよ」


「そうだよ、何かさっきから引っ張ってるけどいい加減話せよ」


「むしろ話して欲しくない」


「ぶーぶー、レムのへたれー」


「俺、嫌な予感しかしないよ」




「――テメェらそれでも男かッ!! この状況、せっかく湖に来て、しかも女の子たちは皆きゃっきゃうふふと着替え中! 良いか、着替え中!! だったらやることは一つしかないだろう!!」




「……お前、本当に最低だな」


「ああ、最低だ」


「まあ前から分かってたけどな」


「レムめ、さいてー」


「い、いや、そんなことよりも……ご、ご主人様、正気ですか? いえ、ご主人様の自虐趣味はよぉぉく存じていますが、まさかこれほどまでとは……」


「いや、ンなことよりも……ぇ、マジでか?」


「……おおお、俺まだ死にたくないよ!?」


「……逝くなら一人で逝ってよねぇ?」


「……ぼ、ぼく嫌だよ、まだ死にたくないよぉぉぉ、」


「……ご主人様、お願いですから考え直して――」




「あー、さっきも言ったが、退路は既にない。あるのは前進のみだ」




「「「「「……、帰る帰る帰る帰る!!」」」」」




「よしっ、それじゃあ今回……いや、案外今生最後のミッションになるかもしれないけどな……ではファイナルミッションスタートだ、――NOZOKIに逝くぜぃ♪」




「「「「「帰る帰る帰る帰る、絶ッッッ対、帰る!!」」」」」




「却下する――っと、ちっ、流石ってところか。これ以上は流石に……よし、てめぇら、そろそろダミーも限界っぽい。死にたくなかったら死に物狂いで覗け、そしてばれるな、ばれたら死ぬぞ、いや死ぬより酷い目に遭うぞ。そして逃げようとも思うな、俺たちはすでに一蓮托生、運命共同体だということを魂ン中まで刻んどけ」




「「「「「……了解、ボス」」」」」




「よし、それじゃあ……――いよいよだ、さあ、今生最後のパラダイスに向かって、いざ逝くぞ野郎ども。命賭けとけッ!!」




「……な、なあ?」


「なんだよ、カツィール、というか俺もなんとなく言いたいことわかるけど……」


「ねえねえ、さっきからレムの言う『いく』が違う意味に聞こえるんだけど、僕の気のせいかなー?」


「いや、間違いなく気のせいじゃないぞ、クィナ。俺にもそう聞こえた」


「……逝きたくない、僕はまだ逝きたくないよ」






◇◆◇






「――ッ、ゴフォォォ……」


「カ、カツィ、」




「ちっ、カツィールの馬鹿はもう駄目だ。あんなミエミエのトラップになんて引っかかりやがって。思った以上に使えねぇ」




「……主人、今回は本当に容赦ないな」


「カ、カツィール、お前のことは忘れねぇ。忘れねぇぞ、クソッ」


「カツィール、ざまぁ♪」


「……クィナ、お前も、というか僕ら全員直後はわが身かもしれないんだからね? そこのところ忘れちゃ駄目だよ?」




「しかしお前ら、少し使えなさ過ぎだろ。あの程度の罠が何で見破れない?」




「ゃ、ご主人様? 今回尼玉引っかかったのはカツィールだったけど、僕たちあんなの見破れませんよ。なあ、ヤルィ?」


「……ああ、あんな、ミエミエのトラップの直前に五感を完全に狂わせるトラップ設置されてりゃ、カツィールじゃなくても避けられないぞ」


「「うん、うんっ」」




「あの程度根性で避けろ」




「「「「そんな無茶な、」」」」




「無茶? ――ほら、あそこで無様に死体を晒してるカツィールの野郎を見ろ。あれは――間違いなく後で女の子らに回収→見るも無残な……の、コース行きだな。ああなりたくなかったら無茶でも何でも押し通せ。それができなきゃお前らもああなるだけだ。分かったか?」




「「「「……ぃ、嫌過ぎる」」」」




「と、いうわけだからてめぇら、まだ覚悟が足りてないんだよ。もっと注意深く、細心の注意でもってひとつでも間違えたら死ぬものと――ぁ」




「なな、何ですかご主人様、あ、っていったい何しやがりました!?」


「……おわた」


「――主人、やっぱり死ぬ前に一度主人を殺さないと気が済まないわ、俺」


「うわぁぁん、レムのばきゃべぼ!?」


「「「――クィナ!?」」」




「落ち着け、お前ら。今のは音に反応して作動するトラップだ。――チッ、クィナめ、馬鹿なやつだ。叫ばなきゃなんてことはない、詰まらんトラップに引っかかりやがって」




「いや、今のは間違いなく主人のせいだぞ」


「……というか、俺は見てた。カツィールのときも一番最初にトラップにかかったのはレムのばかやろうだった、間違いない」


「……お腹痛い。僕、何でこんなところでこんなことやってるんだろう?」




「おい、お前ら。お前らはあんなトラップなんかに引っかかって俺を失望させるなよ?」




「千回死ね、主人」


「千回死ね、ばかれむ」


「千回死ね、このご主人様。……なんでこんなのが僕らのご主人様なんだろう」


「……諦めろ、ジニ。一応、こういうことさえなければ多分世界中で一番マシな主なんだから」


「……死ね、千回死ね、いや万回死ね、レムの馬鹿、レムの馬鹿、レムのばかバカ馬鹿」


「……ぅぷっ、ぅ、吐きそ、胃が痛、」




「よし、いい感じに気合も充実してるみたいだな。いいことだ。精々トラップに引っかからないことを祈、ぁ、やべっ」




「「「――おぉいっ、今度は何した!?」」」




「……ふむ。流石俺の性格を知り尽くしているだけのことはあると褒めておこう」




「いや、褒めておこう、じゃなくて今何したレぷー!?」


「マルマ、少し落ち着いて。クィナの時の例もあるし……」


「いや、この状況で落ち着けといわれても中々難しいものがあると思うぞ、ジニ……じゃ、なくて。一応音系のトラップは大丈夫そうだな」


「ッッ、ヤバ」


「な、何も起きてない……よね?」


「ああ、一応大丈夫のようだ。マルマも、取り敢えずは安心していいと思う、」




「ふっ、俺ももはや年貢の納め時ということか……」




「何やらかしやがった、主人!!!!」


「何やらかしやがった、レムべれ!!!!」


「何やらかしちゃったの、ご主人様!!??」




「ッ、お前らだけでも逃げるんだッ!! 今から十秒以内にここから半径……えぇと、山ひとつ分くらい吹き飛ぶぞッ!!」




「「「逃げ切れるか、ボケェェ!!!!」」」




「ッ、ぃゃ……」




「「「ッッッ!!」」」




「否! ここで終わるのが今までの俺、そしてここで終わらないのが今日の俺だっ……――≪Rumble≫ランブル、混ぜ融けろ!!」




「「「……ぇ?」」」








◇◇◇




――その瞬間。


世界が白と黒に一度ずつ点滅をして。


次の瞬間、周囲を含む山ひとつ分ほどを巻き込む勢いで何かが弾けて爆発したかに……少なくとも三人の目には見えたのだが、実際世界は何事もなく平穏に――嘘のように平穏に、ただ続いていた。




目を白黒させたまま三人は、レムを凝視したまま動きを止めていた。




◇◇◇








「ふふふ、……はははははっ、今の俺はまさに無敵、敵無し! 俺を止められるものなど何処にもいなぁぁい!!」




「た、助かったのか?」


「し、死んだと思った」


「今、主人が何か……?」






「――といいますか旦那様、あれだけ騒ぎを起こしておいて私が気づかぬとお思いで御座いますか?」




「「「「ッッッ」」」」




「旦那様、それにマルマ様、ジニ様、ヤルィ様、このようなところで何をなさっておられるのでしょうか? この先には、旦那様がわざわざご用意してくださった脱衣所しか御座いませんが――と、そのようなことは聞く間でも御座いませんでしたね」




「おわた、今度こそ俺ら、おわた」


「無理、もう無理だよ」


「これが本当の年貢の納め時、か」




「――なんでお前水着になってないんだよ!!」




「「「って、ツッコむ所はそこか!?」」」






◇◆◇






「ご期待に添えず申し訳御座いません、旦那様」


「申し訳なく思うなら脱げ! 今すぐここで脱げ! そして水着に着替えろ!!」


「はぁ、私としては旦那様のご期待に沿ったとしても何の問題も御座いませんが。ですがそのような場合には大変遺憾では御座いますがマルマ様とジニ様とヤルィ様の両目を抉り取らなければなりなくなりますが宜しいのですか?」


「いい、良い。俺が許す、だから――」




「「「って、良くないわ!!!」」」




「お前らも男ならここは尊い犠牲となって散れ!!」




「「「ざけんな、馬鹿主!!!!」」」




「それで旦那様、私は如何にすれば宜しいのでしょうか?」


「脱、」




「「「お願いですから止めてくださいお願いします、お姉様!!」」」




「と、お三方は仰っておられますが……大変申し訳御座いませんが私としましてはお三方の意見よりも旦那様のご意思が常に優先されるべき項目なので御座います。故にきれいさっぱり諦めてくださいませ。いえ、心配せずとも抉り取った両目は後日私が責任を持って完治させるとお約束いたしましょう」


「よし、話も丸くまとまったところで早速――」




「「「千回と言わず今すぐ一回死ね!!!!」」」




「ええいっ、お前らも少しくらいは潔さを覚えろッ!!」


「――ええ、全く。旦那様の仰る通りで御座いますね、旦那様?」


「っっ? あ、ああ、そうだ、ぞ……?」


「では旦那様はお三方の旦那様で御座いますから。お三方より先にその潔さのお手本を見せて差し上げてはいかがでしょう? 私がお手伝いいたしましょう」


「ああ、確かに。そぅ……とは限らないな、うん。俺は別にいいんだ。何も悪いことしてないし」


「そうで御座いますね。“隷属の刻印”の刻まれた方々は現存する地上のどの法においても彼女ら、あるいは彼らが旦那様の所有品であることを示しております。故に、旦那様がご自身の者の着替えを覗かれようと視姦されようとあまつさえその愚劣極まりない劣情を抑えきれず手をお出しになられようと、全く悪いことなど一つとして御座いません」


「――目の先で女の子が着替えをしてて、それを覗いて何が悪い!!!!」


「ですから旦那様。私は悪いなどとは一言たりとも申し上げてなどおりませんとも」


「そ、それもそうだな。ああ、そうだった」


「では旦那様。旦那様のご要望どおり水着に着替える、」


「応!!」


「――その前に」


「……その前に?」


「旦那様は軽く全殺しと徹底的に半殺しのどちらが宜しいですか? 今ならセットの『軽く全殺しにした後に徹底的に半殺し、その後治療の後エタニティ☆エンドレス♪』がお買い得となっておりますが如何いたしましょう? ちなみにセット品位外は売り切れですのでご了承下さいませ」


「? ……いや、ちょっと待て。お前はおかしい。言っていることが少しおかしい」


「何がで御座いましょう。私は何もおかしなことは申し上げておりませんが? ――あぁ、それとお三方? 旦那様の御前で私が温情をかけるなど考えないで下さいますよう。逃亡は刑を重くしますよ?」




「「「――ゴメンナサイ」」」




「さて。それでは旦那様、――何をなさっておいでです? そんなに痛い目を見たいのであれば仰ってくだされば態々このような手間をかけずとも私が全微力を持ちまして旦那様のご期待に沿いましたものを」


「……俺はっ」


「旦那様、何か言い残したいことがあるのでしたらどうぞ、遠慮なさらず仰ってくださいませ?」


「俺は――女の子たちの着替えを覗く!! たとえ何があろうとも、だ!!」


「――」




「「「うっわ、言い切りやがったよ、あのご主人様」」」




「……ふっ、俺が言いたいのはそれだけだ」


「――流石は私の旦那様、といった所でしょう。改めて御見逸おみそれ致しました」


「と、言うわけだ。それに今日の俺はいつもの俺じゃない」


「と、言いますと?」


「――おしっっ、通る!!」


「……まあ、旦那様の思惑など湖で一休み、というお話を伺った時点で分かりきっておりましたが。改めてこうも堂々と聞かされると、」


「惚れ直すだろっ?」


「……………………………………………………えぇ、まったく」






◇◇◇




・・・うん、気力的なものがここ一ヶ月?二ヶ月? 品詞中です。申し訳ない。

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