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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
それはさておき、
1061/1098

 ど-615.笑顔に花束を

メイドさんは笑っている。どうしますか?


-> コマンド


「……うぇ」



「旦那様、なにやらお加減が悪そうですが如何なさいましたか?」



「……そーいうお前は何処となく機嫌良さ気だな」



「そうでしょうか? そのようなことも、御座います」



「あ、やっぱり機嫌いいのね」



「はい、旦那様。旦那様がお望みとあらば語尾にはーとまーく? でもお付けいたしましょうか」



「止めて。お願いだからそれは切実に、止めろ」



「はい、承知いたしました旦那様」



「……はぁぁぁぁ」



「旦那様? 先ほどからため息が多いですがやはりご気分が優れないのでしょうか? お申し付けいただければ優肖この私、何なりといたす所存に御座いますが?」



「……なんだ、これは。ほら、あれだ、それ」



「それで御座いますか?」



「ああ。常々思っていることだが俺には――決定的に癒しが足りない」



「成るほど。私程度では旦那様を癒して差し上げるには物足りないと、他のものが聞けば贅沢極まりないと嫉妬と怨念交じりの視線を向けること間違い御座いませんがそこは旦那様、贅沢というものを知り尽くしておりますね?」



「……足りる足りないということ以前にお前に癒し成分は皆無だ」



「そうなのですか?」



「……ゃ、まぁ少しないと言えなくもないがそれはあくまで毛ほどもないほんの僅かだけであって、あぁやっぱりテメェに癒しなんてあってたまるかっ!!」



「ご心配には及びません。いざというときのために私は世の旦那様にどのようにすれば喜んでいただけるのかということを知り尽くしております」



「だが知ってるのと実行するのは別だ」



「そうとも言いますね?」



「むしろ別に知識とか要らないから癒されるようなことをしてくれたほうが何百倍も嬉しい」



「そんなお疲れの旦那様のために甘い菓子を焼いてみました。少々謙遜しますが、非常に自信作で御座います」



「それの何処が謙遜……て、確かに美味そうだなぁ」



「はい。旦那様のためだけに作りましたからどうぞ遠慮なさらずにお召し上がりくださいますよう、お願いいたします」



「……こういうところの気遣いだけは、無駄に利いてるんだけどなぁ……」



「ちなみに秘密の薬物入りで御座います」



「ぶー!!??」



「とは言っても怪しい成分はほんの九割ほどしか御座いませんのでご安心くださいませ。それと旦那様、汚いですから一度食べたものを吹き出さないでくださいませ」



「ごほっ、げほ、げほっっ」



「何も心配は要りません。一口食べればほんの少し元気になり、二口食べればやる気に満ち溢れ、三口食べれば勇気が沸き上がり……四口目は旦那様といえど余りお勧めしませんが、旦那様がどうしてもと仰られるのでしたら強くとめるつもりは御座いません。どうぞがぶりと一口で飲み干してくださいませ」



「――遅いわ、何もかも遅すぎるわッ!! 食ったよ、飲み込んだよ、もうほとんど食っちまってたよ!!??」



「……大丈夫で御座いますか、旦那様?」



「……そういわれると、何だか気分が悪くなってきたような、」



「と、コレが言動を利用した誘導の一種で御座います。先ほどの焼き菓子には別段、何もおかしなものは混入させておりませんよ?」



「……」



「ちなみに先ほど申し上げた怪しい成分というのは私の旦那様への溢れんばかりの愛で御座います」



「……それはそれでお前の愛って一体なんで出来てんだ、とか疑いたくなってくるわけだが」



「先ほど旦那様がお口になされたものソレ自体がそうですが?」



「って、実態アリアリかよっ!?」



「その程度、私には造作も御座いません」



「……お前なら本当にその程度の事造作もなさそうで怖いんだが、というか今更ながらに俺、さっき一体何を食べちまったんだ!?」



「私が旦那様好みになるようにという理由だけで品種改良した最高級の麦と砂糖、乳と鶏卵、その他少々の隠し味的な……間違いなく聞かない方がいい物質の数々で御座いますが?」



「それはそれで心配になってくるんだけどっ!?」



「お気には召しませんでしたか?」



「……いや、まぁ、味に限って言えばかなり美味かったわけだが。と言うかお前の作るもの全部、その辺りは心配してないから期待通りといえば期待通りだった」



「ありがとうございます、旦那様」



「――んで、本当に何かヤバ気な物とか入れて……ないよね?」



「先ほど私が申し上げたもの以外を用いてはおりません」



「さっきお前が言った内容って……だからそれはそれで非常に不安を掻き立てるんだが」



「……、――虚言なく、申し上げさせていただけば旦那様に元気になっていただけるような精力材的なものを少々、後は甘くて美味しい愛情を精一杯織り交ぜただけです」



「……」



「……なにか?」



「――、いや。今の言葉に嘘はなさそうだ」



「私は旦那様に対して嘘を申し上げません」



「お前の場合は色々なことを微妙に織り交ぜてくるから厄介なんだよ。と、まぁとにかく今の言葉には確かに本心だけしかなかったみたいだな」



「はい」



「……だからって安心できたりはしないんだが」



「大変心外であると苦言申し上げさせていただきます。私は旦那様に疲れを癒していただきたいと、それ以外の他意は一切なく焼き菓子を用意いたしました。旦那様に誓って偽りは御座いません」



「……――ななな、なら何企んでやがる、テメェ!!??」



「何も企んでなどおりません。それと私の行動とは一切のかかわりを持ちませんが、何となく一言申し上げたくなりましたので失礼いたしますが――旦那様もご存知とは思いますが、飴と鞭とは交互に与えてこそ意味があるのです。いえ、本当にこのこと自体に深い意味はないのですよ?」



「……何だろう。あー、もういいや。とりあえず美味かったのだけは確かだし、残りも食っとくから。そこにおいておいてくれ」



「はい、承知いたしました旦那様」



「はー、じゃあ、昨日誰かさんに構った所為でたまりにたまった書類の整理でも始めるかー」



「分別は既に終えております。取り急ぎのものはこちら、次いでこちらを。残りはさして急ぐ必要は御座いませんので。ではよろしくお願いいたします。……ああ、それでは私は紅茶を淹れて参りますので、少々お待ちくださいませ、旦那様」







「あ、ああ。…………つか、いつもコレくらい素直で気が回れば言うことなしなわけだが。なんと言うか、あれはあれで相変わらず分かりやすい奴だなぁ~」




おなか、へった。



・・・駄目だ、最近あとがきに何も思いつかないや。

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