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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
それはさておき、
1060/1098

 ど-614.照れることはない

南無南無。


「……むぅ」



「旦那様、その程よく膨らんだ頬をつついても宜しいですか?」



「駄目だ」



「えいっ」



「とか言いつ、つつつくなっ」



「目の前に旦那様の膨らんだ頬があればつついてしまうのは最早自明の理だと思うのは私だけでは御座いません」



「や、断言するなよ。てか、そんなのは如何考えてもお前だけだと思うのだが?」



「旦那様、今更天然ボケや世間知らずなどを旦那様が装おうとなさいましてもイタいだけで何の魅力にもなりえませんよ?」



「いや、別に装ってないんだが?」



「……ふぅ」



「何だよっ!? そのあからさまに、『やれやれ、こいつ――駄目だな』みたいなため息はっ!!」



「やれやれ、こい……」



「いや言わなくていいから」



「そうなので御座いますか? てっきりそのような言葉をご期待なさっておられるものとばかり勘違いいたしました」



「しなくていいから」



「まことに残念で御座います」



「つか、可愛い女の子のものならともかく、俺の頬をつついて何が楽しいんだ?」



「旦那様は楽しくないのですか?」



「全然? ……つか、おい、つつくな」



「意外な事かどうかは定かで御座いませんが、旦那様は肌の張りが良いですね。ぷにぷにのぽにゃぽにゃで御座います」



「だからつつくなって。――くっ、おりゃ」



「ぷに?」



「……いや、自分で『ぷに』とか言うなよ」



「私の頬はぷにでは御座いませんでしたか?」



「ゃ、まぁ、何か無性につつき続けたくなる魔性の肌触りではあるんだが、」



「どうぞ」



「ぁ、ゃ……」



「いついかなる、いつまででも触り続けてくださってよろしいです。むしろ旦那様が私の体を自由に扱うことに私などの許可は必要御座いません」



「いや必要だろ」



「と仰りつつも私の頬をつついてこられる旦那様は大変素敵だと思います」



「はっ!? 俺は一体何を……!」



「そのように惚けられる旦那様も素敵で御座いましょう?」



「い、いや、俺は別に惚けてるわけじゃ……」



「それならばなお喜ばしい事で御座いますね」



「……ゃ、んっ、まぁ……」



「――照れておられます?」



「そんなぁ、こたぁ、ない」



「……」



「……」



「……」



「くっ、この俺が、圧されている――だとぉ!?」



「旦那様、照れておられるのは承知しておりますがそれはいささか無茶振りがすぎるのでは御座いませんか?」



「う、うるさいよっ!?」



「どうぞ、遠慮せずともよろしいですよ?」



「とっ、とか言いつつ頬を突き出してくるなっ!! ……ってぇ、俺は何をしようとしてる!!??」



「はい、どうぞ旦那様」



「ふ、ふんっ、どうぞと差し出されて、はいそうですねと俺が素直になると思うなっ!! ――いやだから俺の手ッッ、何勝手に動こうとしてるの!?」



「それが旦那様の望みなのです」



「――」



「ふふっ」



「――クハッ! ……いや、まぁ、それほど真剣に悩むものじゃないんだけどさぁ」



「……旦那様、冷静さを取り戻すのが早すぎます、ぷんすかぷんっ」



「……ゃ、そういうの言葉で言うの止めない? まあ表情が無表情なだけに言葉で言う意味はあるかもしれないけど……なんつーか、言ってて恥ずかしくないか?」



「旦那様のためを思えばこそ、恥ずかしさなど耐えられます」



「あ、そか」



「はい。ということで次は私が旦那様の頬をつつかせていただいてもよろしいですか?」



「や、ソレもう止めろって。……つか何が楽しいのかマジ分から――……理解わからん」



「あれほどまでに無心に私の頬をつつかれ、撫でられ、こねくり回されていたというのに」



「いや、そこまでもしてないしっ」



「残念で御座います。ここまで来て、これは見解の相違で御座いますか」



「そうだな」



「残念な旦那様はまことに残念で御座いますので致し方ないとは理解しておりますが、やはり旦那様と意見が食い違ってしまうことは悲しゅう御座います」



「……いつも食い違ってるような気がするのは俺の気の所為か?」



「旦那様、言動などの表面だけを眺めていてもヒトの真意というものは分かりません。私ももしかすると内心では『ひゃっほ~、ハーレムバンザイッッ』など、……」



「思ってるのか?」



「いえ、そのような雑事は考えたことも御座いません。ですが私の思いが旦那様の御心と常に重なり合っていることだけは相違御座いません」



「……なんだろう。ここで、いや確実に違ってるだろ、とかツッコミを入れたいんだが空気読めてないとか?」



「いえ。旦那様の発言は常に周囲の空気を読んでおられないものばかりなので今更そのようなことを旦那様に期待するというのも酷でしょう」



「……おれ、そんなにひどいかな?」



「客観視して酷い酷くないで言えば当然酷いでしょうが、それが旦那様の自然なお姿であるのであれば致し方ないことかと存じ上げます。それに何より、旦那様が旦那様であられるというのであればそれ以外、私は何も気にしません」



「……そうかぁ」



「はい」



「……ふぅ。所で話は変わるが、」



「アルの様子ですか? それと旦那様、終始ソワソワしておられるご様子で話が変わるも何もないと苦言申し上げさせていただきます」



「そうか、そうか。それは良かった」



「はい。それはそれとして、――ねぇ旦那様?」



「……、ぁん?」



「目の前の私に気を削がずアルの事ばかりに気を削がれるのは如何にも旦那様らしいのですが、………………――」



「――?」



半殺ハンゴロしますよ?」



「ッッッ!!!!」



「……全殺ゼンゴロしますよ?」



「!!!!!!」



「――などと多大に重い冗談でございますよ、旦那様」



「……! ……!! ……!!!」



「冗談――に“したい”ですよね、旦那様?」



「……ッ、ッ!!」



「所で旦那様? 少々お願いがあるのですが、いえ、決して強制などそのようなこと私が旦那様に対してするはずは御座いませんが?」



「……」



「ですが?」



「……」



「……」



「――望みを聞こうか」



「はい、旦那様」




怠け癖は一度つくと直らない。


……参った。



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