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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
それはさておき、
1055/1098

 ど-610.世界に連なる世界の意思

平穏、再び終了!!



――とか言うことはなく。

「旦那様、一大事に御座います」



「よぅし、分かった。オーケー、大丈夫だ。お前が一大事だと騒いだときにお前が碌なことを企んでなかった例はない!」



「企むなどとは些か心外では御座いますが、――旦那様、今はそれどころでは御座いません。早急に旦那様のお耳に入れたいことが御座います」



「……何だ、マジなのか?」



「私は常に真剣で御座います」



「はい、落ちた! 今の一言で信憑性が地の底まで落ちたな!!」



「それは余りにも私に対して失礼では御座いませんか、旦那様?」



「ハッ、お前の無礼失礼に比べれば俺のなんて可愛いものだよっ!?」



「私の旦那様に対する行いも可愛いものと自負しております。むしろ胸を張って言いましょう、あれは――」



「いや無いから、それ!!」



「ぁぃ……と、いいところで私の言葉を遮らないでくださいませんか、旦那様?」



「お前の言葉なんて九割九分がろくでもない内容に決まってる!!」



「……そういえば忘れておりました。旦那様風に言わせてもらえば私の言葉の旦那様が信用に足る残り一分ぶんのご報告をしに参ったのでした」



「そー言えばそんなこともいってたなぁ」



「はい、旦那様」



「……あー、んで。内容は?」



「勇者が現れました」



「ゆうしゃ?」



「はい」



「勇者って言うと……アレだ」



「はい、あれで御座いますね」



「誰だ、その女子風呂に突貫した勇者は?」



「……いえ、そういう意味の勇者ではなくてですね? というより私の記憶がただしけらばその勇者は昨日の旦那様では御座いませんでしたか?」



「ふははははは……そ、そんなこともあったネー?」



「うふふふふふ」



「あははははは……――あれの仕置きはもう受けただろうがっ!!??」



「私としては時々旦那様が本気であのような悪戯事をされているのではないかと疑いたくなるのですが?」



「偶然だ! あれはあくまで不幸な偶然が重なってだな……!」



「その偶然も数日置きに起きるのであればもう狙ってやっているとしか思えませんが……非常に残念なことに客観的に旦那様の行動を見るのであれば、ひは一切旦那様に御座いません」



「だろう!? そうだろ、それならあのお仕置きとかは俺に対して余りにも酷すぎるんじゃないかと思うわけですよぅ!!」



「いえ、それは全くの旦那様がご覧になったものに対する――非常に軽く見た上での正当な対価で御座います」



「全然だよぅ!?」



「黙ってくださいません?」



『「――ヒッ!?」』



「……失礼」



「……ふぅ。いや、悪かった。先にふざけた俺が悪かったからそんな静かに怒るのとかは止めてくれ。精神的にクるものがある」



「私は別に怒ってなどおりません。まあ旦那様に習って少々のおふざけはしてみましたが?」



「ああ、そうね、おふざけね。お前から見て周りで警戒してた処理部や護衛部のやつ等を一発で気絶させるほどの覇気はおふざけで済ませられるわけね」



「旦那様はご無事でしょう?」



「俺は、まあ受け流すのとか得意だからな」



「色々な意味でスルー能力が高いのですね。周囲の悪意や好意も含めて色々とスルーされておりますからね」



「いや、その辺りは非常に敏感だと思いますよ、俺?」



「――」



「え、なに? この空気、何?」



「――話を戻しましょうか、旦那様」



「え、あ、ウン、そうだね」



「改めてご報告いたしますが、『勇者』が現れました」



「あー、おふざけ抜きで勇者っつーと、アレか、あの勇者か」



「はい、旦那様。ですので万が一を考えて他の皆様方には眠ってもらいました」



「……ああ、なるほど、そういう事だったのか」



「はい、そういう事です、旦那様」



「――んで、何で今更『勇者』なんてモノが現れてるんだ? 対になる『魔王』でもどこかで作られたのか? それとも別世界から流れ着いてきたとか?」



「いえ、『魔王』の方はまだ確認されていませんが、そちらは時間の問題でしょう」



「まあ、それもそうかー。んで、その勇者とやらの他の情報は?」



「年は十六、性別おとこ――」



「あ、もういいや」



「……まだほとんど何の情報も提示しておりませんが?」



「いや、興味ないし? つか俺に関係ないっス」



「……まあ、旦那様には関係ないでしょうが」



「あー、どうせアレだろ、アレ。ちょっと前にチートクライの野郎をどうにかしたから、その齟齬をどうにかする為に『勇者』が作られたんだろ、どうせ」



「――そこまで承知して居られるのでしたら私はこれ以上何も申し上げませんが」



「ああ、そうしておけそうしておけって。『勇者』なんて関わるだけ無駄だって。百害あって一利なし」



「……まあそれもそうですが」



「しかしやれやれだなぁ。せっかく害虫を一匹排除したって言うのにまた増えたか」



「正に旦那様を一匹見つければ百匹以上いると思え、で御座いますね?」



「いや違うし!? つかいつの間にか害虫が俺のことになってる!?」



「え、違うのですか?」



「違うよ!? ってか、これは真面目な話じゃなかったのかっ!?」



「私は常に真面目で真剣そのものであると既に申し上げましたが? 二度手間はたとえ旦那様といえどもよして欲しいと願います」



「え、俺が悪いの? 俺の所為だった? 今の流れで怒られるのって俺の方!?」



「もうグズですね、旦那様は♪」



「平然と罵ってらっしゃる!?」



「しかし旦那様のご決断はしかと心得ました。では勇者は放置ということで」



「おう。とりあえず俺が言いたいのは俺の平穏を奪うな」



「ご心配なされずとも旦那様の平穏は私が守り通します」



「――ハハッ、テメェが一番の元凶だがなッッ!!」



「それほどでも、御座います」




世界に何があろうと関係ナッシング。二人は常に平穏(?)そのものです。

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