IR-女神と下僕's
邂逅ver.1
「あれ、アルちゃん?」
「……(こくん)」
「あ、アルちゃんがいるって事はもしかしてレム様、戻ってきてるんですか?」
「……はい」
「へぇ……あ、ここ最近皆さんが騒がしいのってもしかしてご主人様が帰ってきてるから?」
「……?」
「あれ、違うの?」
「……分かりません」
「? アルちゃん、ご主人様と一緒じゃなかったの?」
「……(ふるふるふる)」
「そうなんだぁ」
「……(こくん)」
「あ、でもみんなが騒いでるんだからきっとご主人様、何処かにいるんだろうなぁ」
「……(こくこく)」
「――あ、下僕二号ちゃん発け、……おぉう」
「シャトゥちゃん……?」
「シャトゥルヌーメ様」
「下僕一号様の幽霊が見えます!!」
「え、シャトゥちゃん? 幽霊?」
「……(ふるふるふる)」
「ごめんなさい私の力が及ばなかったばかりにお亡くなりな下僕一号様っ、だから下僕一号様化けて出ないで!?」
「出てません! そもそも私死んでないし!」
「……シャトゥルヌーメ様、ファイ、生きてる」
「騙されません、勝つまでは! 何に勝つかは秘密ですっ」
「というよりシャトゥちゃん? いつもどうして私を見るなり逃げようとするの?」
「……シャトゥルヌーメ様は勘違いをしています」
「私は勘違いなどしていない! 故意に間違っているだけだ!」
「故意で間違っちゃ駄目でしょ!?」
「シャトゥルヌーメ様は正義です」
「うむ、下僕二号ちゃんの言うとおり、私こそが正義! 私こそが世界の真理! ……あ、でも下僕一号様の言うことには従います、はい。だからお仕置きは嫌です」
「えっと、別にお仕置きとかしないけど……こうやって顔を合わせるのは久しぶりだね、シャトゥちゃん」
「……シャトゥルヌーメ様」
「下僕一号様……? もしや本当に下僕一号様は下僕一号様?」
「私は私だよ。というよりなんでシャトゥちゃんの中で私、死んじゃったことになってるの?」
「……?」
「だって、下僕一号様、あのとき燎原に焼かれちゃって、だから私、私……げっ、下僕一号様が死んじゃった、ひゃほ~い♪ なんて思ってませんからっ!!」
「……ひゃほ~い?」
「……私、違う。何もしてないです」
「あ、違いました。燎原じゃなくてなんちゃって燎原君でした。あと下僕一号様、私は断じて下僕一号様の暴政から逃れられた、なんて喜んでいません!」
「……へぇ」
「……シャトゥルヌーメ様のぴんち?」
「はて? 何で私は下僕一号様に睨まれてるの? ぴりぴりと鋭い視線を私のちっちゃなお胸に感じます」
「……ふぅ、とりあえずシャトゥちゃん、正座」
「はい」
「断固拒否したい! あとなんで下僕二号ちゃんは素直に正座してるの? それに私も何で素直に正座しちゃってるのでしょう? ふっ、我が身の反射が怖いのです」
「――ね? まずは誤解を解くところからはじめようか?」
「……はい」
「うむ、五回も六回も、何を仰る下僕様。全部下僕一号様の言うことが正しいの。ごめんなさい」
「素直で結構――けど私、まだ何も言ってないからね? 本当に聞く気あるの、シャトゥちゃん? あ、あとアルちゃんは別に正座とかしなくて良いよ?」
「……分かりました」
「下僕二号ちゃんばっかりズル――なんでもないです、下僕一号様」
「じゃ、シャトゥちゃん。ゆっくり……話し合おうか? 時間は、たっぷりとあるみたいだしね?」
「……(こくん)」
「……ぅ、うみゅ」
・・・・・・んー、何か、調子が出ない。駄目ッす。次回に続く?