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OP-24-アルア-

・・・やっちまった




――Get set...AlRecovery《復調開始・・・完了》




「……?」




ぼんやりと、創世の白光が視界を閉ざし、アルーシアは目を開けた。


左手の中指にはめた指輪から放たれていた光がゆっくりと霞んで消えていく。




――Good morning My mather《おはようございます、かあさま》




「……」




身体を起こして周囲を見渡す。


周りは何もない荒野だった。少し離れた場所で見覚えがあったりなかったりする男が三人、睨みあっていて。それをキラキラした瞳で眺めているのは我らが愛しの女神様シャトゥルヌーメだった。




視界に入るのはその四人“だけ”。見通しの良すぎるこの場所にそれ以外の人影は見当たらない。




――What's happen?《なにかありました?》




周囲を見渡す。


やはり先程と違いは無い。見える人影は四つだけだし、そもそも彼らがこちらに気づいた様子は無い。




「……?」




首を傾げて、もう一度周りを見渡そうとして、ふと左の指先が温かいことに気がついた。


中指にはめた指輪がぼんやりとだが呼吸する様に点滅を繰り返していた。




――My mather?《かあさま?》




三度、脳裏に誰かの言葉が浮かび上がって。


何となく――何故と云われても理由は分からないが、アルーシアはそれをこの指輪が発していた言葉だと気づいた。




「……今のはあなたの言葉?」


――Yea, My mather《はい、かあさま》


「……うん」


――My mather, I proposal to christen me, please?《かあさま、ひとつ提案があるのですが、わたしに名前をくれませんか?》


「……朱色ヴァーミュ


――Verme? Is this my name?《ヴァーミュ? それがわたしのなまえ?》


「……(こくん)」


――My mather, again and again, My name is verme. Do as you think best.《かあさま、あらためまして。わたしはヴァーミュ、いご、よしなにおねがいします》


「……はい、ヴァーミュ」


――Wait a minuites,《すこし、おまちを》


「……?」


――げんごきょーゆーか、かんりょーしました、かあさま


「……(こくん)」


――インプリティング、完了


「……ヴァーミュ?」


――わたし、ヴァーミュはかあさまをせーしきなしょゆーしゃとしてみとめます




ぼんやりと白光を放つ左手中指の指輪。


指輪の円環から洩れた白光の帯が幾筋もアルーシアの身体を包み込んでいく。その光の帯は何処か温かく、アルーシアは身体の力をゆくりと抜いていた。




――それから、かあさまにねがいをかなえるためのちからを


「……!」


――かあさま、【変身の呪文】をおねがいします


「……(こくん)」




変身の呪文、とやらの意味は分からなかったが、何となく脳裏に浮かんできた言葉を――アルーシアは口にした。




「……コンタクト」




その言葉を待っていたとばかりに指輪の白光は一気に力強さを増した。


身体を覆っていた光の帯の数が更に増え、アルーシアの全身を包み込む。




――一瞬、何故か着込んでいた服の感触が完全に消失し……




右腕、手の甲を光の帯が包み込み、小さく弾け飛んだ。その下から現れたのはフリルのついた、紅い長手袋に包まれた腕。そして左手も同様に、腕を包み込んでいた白光が弾けてその下から手袋に包まれた腕が現れる。


次いで右足、左足……同様に身体を包み込んでいた白光が弾け飛び、その下からは大きなリボン付きの、真っ赤な可愛い靴が現れて。すらりと(?)伸びた足にはこれまた真っ赤な“にーそ”が履かれていた。


腰を覆っていた光が弾け飛んだその後には、ふわりと鮮やかな赤のショートスカートが風もないのにギリギリまで舞い上がる。


小さな胸元を覆っていた白光が弾け飛び、大きな純白のリボンとスールの様な真っ赤な肩掛け、ちょっぴり膨らんだ胸を歓喜するように、やや胸元が開いた真っ赤な上着が現れる。


頭を覆っていた白光が弾け飛ぶと、何故か髪が腰元まで伸びていて、左右で髪を結った俗に言う『ツインテール』なる髪型になっていた。




そうして最後に。


指輪が大きく白光を放ち、弾け飛んだ後には何かヘンテコな杖……のような何か、無駄にキラキラと可愛い変なモノがアルーシアの左手に握られていた。








「――魔法少女、プリティ・リューン、此処に参上。あなたの真心ハート、奪いますっ♪」




あと、気が付くとデフォのフルオートで変な決め台詞を吐いていた。






「……!」


――へんしん、せいこうです、かあさま


「……何、これ?」


――まほうしょうじょ、ぷりてぃ・りゅーん、わたしの創造主(=レム)の知恵袋データバンクのかたすみにあった、いちばんつよいせいぎのみかたのすがたです


「正義の味方」


――はいっ


「……シャトゥルヌーメ様と一緒」


――はい、かあさま


「……!!」


――かあさまはこのちからで、かあさまのねがいをかなえてください


「私の、願い……?」


――はい、かあさまのねがい


「……私は、」




アルーシアは手に持っていた杖……らしきものをぎゅっと握りしめ――四人を、今は一人が倒れてしまっていて三人のいる方へと強く視線を向けた。




身体からは魔力このせかいのものとは違う不思議な力が溢れて来ていて、今ならば何だって出来そうな気がした。


万能感とは少し違う、使命感とも違っていて。




『私はあんな彼の姿なんてもう見たくありません』


『わたしは、いつものふにゃってかんじのレムが一番好きだよ?』




自分(アルーシアがそう望む声が聞こえた気がした。




「……私の願いは、」


――はい、かあさま


「ヴァーミュ、往こう?」




何処に、は言わない。


アルーシアの言葉に頷くように一度だけ、手に握りしめた杖……らしきものが力強く白光した。




……気が付くと。








ど、どうしよう、この展開!?


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