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OP-1

昨日は何か唐突にボイコットの神が降り立ちました。今思うと割と後悔しています。

・・・・・・と言う感じの昨日更新しなかった言い訳をしてみる。


つか、野郎同士の真面目な会話とか、要らなくね?

と、書き終わってから思った。


「ステイル――いや、チートクライ、テメェか」




真紅の髪、真紅の瞳をした男は水晶の中で凍った“彼女”に特に興味を抱くではなく。悠然と、傲慢に視線を上げた。


対する男は怒っている――と言う訳ではなく、悲しむでも憎むでもましてや親しみを持つでもなく。つまりは無関心に近い、相手に対する悪意だけを持った瞳をしていた。


それを真正面から受け取って尚、真紅の男に変化は無い。ただ威風堂々と――在る。




「安心すると良い。どちらも殺してはいない」


「誰もそんな事は聞いてないんだよ。特にお前なんかの安否を気遣う程俺は優しくは無い。むしろ勝手にのたれ死ぬなら万々歳だ」


「それはこの女もと言う事かな?」




真紅の男が緑の水晶に手を当てて――それに僅かにもう一方の眉がつり上がる。


つり上がる……が、ただそれだけ。




「――それこそ愚問だな」




その一言に真紅の男は実につまらなそうに、水晶から手を離した。




「……詰まらんな。予想よりも取り乱していない」


「はっ! 殺してみる? ざけんな、そもそもその女はテメェ如きに殺せるタマじゃねえよ」




その言葉に、何処か納得がいったとばかりに。




「あぁ、成程。随分とこの娘を信頼しているのだな?」


「信用はしてるさ。長い付き合いだからな」


「ふむ、そうか。――では俺がこの娘を殺した時、お前はどんな表情を浮かべるのだろうな?」


「やれるものならやってみろ。――その前に俺がお前を消す」




それは一切の高揚も感情も含まれていない、淡々とした――宣告。故に宣告だけであるからこそ、男の言葉に現実味と恐怖を覚えることができる。


湧き上がってくる懐かしい感情に、だからこそ真紅の男は喉を押し殺して笑った。




「クッ……怖い怖い。その陳腐な台詞もお前が言えば迫力が段違いだな」


「……殺るなら殺れ。それとも――風化して臆病風にでも吹かれるような可愛げが生まれたか?」


「それは無いな。だがまあ、安心しろ。この身体の持ち主の指針でこの娘は殺さない。大事に、丁重に扱ってやるさ。もっともお前たちの感性では四肢を切り落としダルマにして観賞――は、丁寧とは言わないかもしれないがな」




水晶の表面を再び怖気のする優しさで撫でて、『そうなのだろう?』と言わんばかりの視線を男へと向ける。


対して男は、侮蔑と嘲りを以て相手に応えた。




「扱って“やる”ねぇ……? 吠え面かかないうちに止めとくんだな」


「例えそれで吠え面かこうと構いはしない。どうせ後悔するとして、それは俺ではなくこの男だからな。知ったことではない」


「――ふん」




下らない――下らないとばかりに、男は更に眉を崩して、真紅の男を睨みつけた。


常人ならば致死の害意を向けられて、真紅の男は肩を軽くすくめるだけ。




「それはそうと実に久し振りにこうして遭ったんだ。何か言う事は無いのか?」


「テメェに言うこと?」


「そうだな。恨み事でもあれば、聞こうか」


「そんなもんすら、ねえよ。第一、見たくもない野郎が、同じくらい見たくもない野郎の顔して目の前にいやがるんだ。文句言う暇あったら、その前にテメェの事を消し炭にしてるさ」


「――それもそうか。やれ、顔の通り相も変わらず苦労しているようだ」


「元凶に言われる筋合いはねえよ」


「何を言う。元凶だからこそ、俺が言っている」


「はんっ、そうかよ。……――で、回りくどいのは無しだ」




そうしてようやくコトは、本題に入る。




◆◆◆




「今度は何を始めようとしてやがる、根暗チートクライ


「随分と直球な物言いだな。俺がそれに答えると?」


「ああ、答えるな」


「ほぅ……? 存外、お前は俺の事を理解しているらしい」


「反吐が出そうな言葉をアリガトよ」


「ふむ、では、いいだろう。元より聞かれずとも俺の方から語るつもりだったのだ、問題は無い」


「だろうな、狂探求者」


「何とも心地よい言葉だな、狂探求者それは。何度聞いても良いモノだ。――そうだな、俺は正に狂った探究者、そのものだろうよ。最もその狂ったという概念もお前達凡夫の持つ下らん集団意識に過ぎんしな。――狂っていると言えばお前こそ狂っているだろうに?」


「知るかよ。狂っていようがいまいが俺は俺、ただそれだけだ」


「そうだな。正にその通りだ。唯一自分自身こそが来るいつつけるこの生の中において最も正常な存在だろうとも」


「――そもそも、俺はテメェの戯言を聞きに来たんじゃねえよ。下らない事をぐだぐだと口走るな」


「それもそうだな。そも、俺たちはこの様に無駄話をする関係でも無し、だ」


「当り前だ。腐ったことを抜かすな」


「……まあ、最初にも言ったが実験だ。大したものではない」


「俺が聞いてんのはその“実験”とやらで何をするのか、だ。んな分かり切ったこと言ってるな」


「ふむ、それは失礼、悪かった」


「ハッ、思ってもねえ事口にしてんじゃねえよ」


「それもそうだがこれも性分でね」


「知るか」


「そうだ、お前の知ったことではない。だが俺としても気にする事でもないのでな」


「そうかよっ……相も変わらず、話してるだけでむかついてくる野郎だな」


「どうやら成長していないと見える。短気は損気だぞ?」


「――お前如きが、それは俺に説教のつもりか? 私情も挟まず今すぐぶち殺すぞ」


「出来ない事を言うモノではないな」


「――俺が出来ないと思っているのか?」


「ああ、正確には『出来ない』ではなく『しない』か。そうだな、お前はシャトゥルヌーメほど生易しくもなければクゥワトロビェほどバカでもない。怒ったふりをしながらのその用心深さは俺でも感心するほどだぞ?」


「黙れよ。そもそも振り、じゃねえ」


「そうか?」


「……」


「まあいいだろう。ソレが振りだろうと振りでなかろうと、お前がそのどちらと考えていようが俺には興味も関係ないことだ。好きにするといい」


「好きにするさ。そもそもお前の許可なんてモノ、初めから何に対しても求めちゃいねえ――で、そろそろ聞かせてもらおうか、テメェの言う“実験”とやらが何なのかを」


「良いぞ、聞かせてやろう」


「勿体ぶってんじゃんねえよ、さっさと吐きやがれ」


「ああ。しかし――今回の実験はそれなりに豪華だぞ? 以前は俺自身を糧にした、下らなく小規模なものだったが今回は違う。今回の生贄モルモットはこの街の小人共、それに使徒六名――最後にお前だ」


「だろうな。態々こんな街一つに集めたんだ。その程度は分かっているさ。俺が聞いているのは――それ以上の事だ」


「それ以上? そうだな、実験の具体的な内容は――ふむ、秘密にしておくとしよう。取り立てて秘密にする必要性は感じないが、その方がお前としても守り甲斐が出てくるというものだろう?」


「――ハッ、つくづく趣味の悪い野郎だな」


「俺には凡人の考えなど理解できんさ」


「そうかよっ――けど、守り甲斐? ソレな何だ、俺が今この場でテメェの事を逃がすとでも思ってるのか?」


「そう急かずとも、――直に集まる」


「あ? 集まる……?」


「直、この場所に。全てがそろう。そして今までの実験の成果を見て、そしてそれからだ。それまでくらい大人しく待っている事は出来ないか?」


「……――答えは、当然分かっていると思うが?」


「そうだな。取り敢えず――本心から褒めておこう。よくここまで自制したものだ、異界の堕とし子」


「――運がよけりゃあ、テメェは助けてやる、ステイルサイト」




◆◆◆




真紅の髪と瞳の男の瞳が、深緑に染まり。もう一方の男の髪と瞳が真紅に染まる。


それが開戦の合図。


どちらが先と言う訳ではなく、互いに一歩、相手に近づいた。




女の子を出せー、ぶーぶー!!


・・・全くですっ!!


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