一人特急[地獄行き]
一人特急地獄行き
この話はデーターが消えたため実質的に第二となりまする
僕は電車に乗っていた
乗ってはいたが絶えず落ち着きはない
いつ何時誰に見つからないとも限らないだから緊張していた
しかしようやく電車が動きだす
少年は、中学三年であり、部活も勉強もすべてが無意味に思え
今、東京行きの電車に乗っているのであった
「はぁーー」
動き出した安心とは別に、どうしようと、彼の心の中に不安が沸き出す
今までは必死に東京行きの切符を買ったり色々していてそのことや
誰かに連れ戻されないかが不安であったがしかし
今度はなぜ東京に行くか
そこが重用になってくる
彼は昔から何か目立つものになりたいと考えていた
しかし目立ちすぎては面白くない、それで居て一人という範囲で何かできないだろうかと思案した末やはり落語ではと思うようになっていた
前の方でドアが開く
機械を体に巻き付けたような制服姿の運転手さんがエッチラオッチラ
独特の歩き方で揺れながら徐々に近づいてくる
(まっまずいばれるかもしれない)
急いで出した切符を握る手が汗ばむ
心臓が嫌な汗を出し、もうこなければ良かったのではとさえ思いそうになった頃
「切符を拝見できますかな」と白い手袋をした手を突きだしてきた
「はっはい」
できるだけ落ち着こうとしたがどうだろう、変に思われていたら大変だ
しかし車掌さんは「はい、ありがとうございます」そお言うと切符をまた僕の元に戻して歩いていった
ふーーばれなかった
内心徐々に落ち着いてはくるのではあるがしかし
落ち着けば落ち着くほど、かわりに落語家の師匠に弟子入りを断られたら
どうしようという緊張感が一気に体を硬直させる
まるで、テスト終わりの逆であった
「紅茶ーポテトチップスゴルゴンゾーラ味ービールにおつまみ、ウイローはおいりではありませんかー、こちら車内販売でございまーーーす」
僕に近づいて来る車内販売
しかし僕は窓を見て必死に知らないです世アピールをした
そのせいか車内販売は僕の横を通り過ぎて、後ろの車両に消えていった
そろそろ夕食にするか
そお思ってリュックサックから、ゴロゴロとしたドデカいお結びを色々は入っている鞄の中から手繰り寄せて掴むと外へ出す
それは家を出る前に積めるだけ積めた食料の一つで
梅、オカカ、塩の三種類がそれぞれ三個づつラップにくるまれて緑のリュックサックに入っている
食べ終えた頃、さてこれからどおするかを考えたくなくて無性にトイレに行くという行為でごまかすため立ち上がる
いくらごまかしでもしたくなる物を止めるわけには行くまい
僕は便器に座り用を足そうとして鍵をかけていないのに気づき閉めたそのとき
「ドドドッドドドドドド」
いきなり外で爆音が起こった
だっだっせっせんでもしたのか
しかし、わずかに揺れることでそれは違うことが分かる
そういえばさっきトイレには行って座るとき足音がしたようなきがする
それも結構大人数の、となると関係性が
「ドドドドドドドッッッドドドッドド」
またしても音
これはいわゆる銃声ではないだろうか
だとするとどうする
いやどうもできない
何度も鍵に手を当てようとするがやめてしまう
どれくらいたっただろうか
よし、今度こそ何度めかの正直で鍵に手をかけたとき声が聞こえた
間違いない女の人それも
「車内販売でございまーーーす、紅茶ーポテトチップスゴルゴンゾーラ味ービールにおつまみー車内販売でございまーーーす」
「やっやっぱりあれは何かの幻聴か」
そう思ったそのとき
またしてもあの銃声が鳴り響き
ぱったりと彼女の車内販売の売り声が聞こえなくなってしまう
「どう言うことだ、彼女はなぜこんな時に車内販売などやったのだ
まさか、俺のように隠れている奴を誘き出すために、無理やらされたのかしかし耳を澄ませても物音一つしない、これでは嘘か本当か
もしかしたら最近の電車では車内シアターのサービスが
しかしそう思う反面手がドアの鍵に触れることは出来ないでいた
どれくらいしただろうか
「車内販売でーーーす、紅茶にマシュマロ、ビールにワイン車内販売でーーーす」僕は今度こそと飛び出すと、目の前は真っ暗な闇でどこまでも奈落を落ちて行った
「ちょっとお客さん終点ですよ」
僕は扉を叩かれているのに気づき寝ていたことにも気づいた
僕は夢も合わせて限りなく繰り返したそれをついに開けることにした
「かちゃり」
軽快な音とともに開けたそこには
私は今まで読んでいた本から目を上げた
「車内販売でございまーーす紅茶ーポテトチップスゴルゴンゾーラ味ービールにおつまみー車内販売でございまーーーーす」
私は寝ているフリをしてやり過ごすと、鞄から大量に詰め込んだお結びの一つをほおばり、また本を読もうとしてトイレにその前に行こうと思って立ち上がると揺れる車内を漂うクラゲのようにして設置トイレに向かい扉を開けて中に入った