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ACT4

洞窟へと付いた俺は周囲を見渡す。暗く先が見えづらい、人骨が散乱しており不安を掻き立てる。とりあえず、杖を構えて前進する。

 

 「そうだ。炎よ!」

 

 俺が声を上げると、杖の先端に火球が生まれる。これが『炎の魔法』だ。通常はこれを打ち出して敵を攻撃するのだが、今は明かりの代わりだ。

 

 「これは杖で正解だったな。」


 杖ならば無限に炎の魔法を使うことができる。明かりの心配は無用になった。

 

 「さて、鬼が出るか蛇が出るか。」

 

 当然、このダンジョンを作ったのは俺だ。中身も熟知している。が、ここのボスもAI搭載型だ。改修工事をしていてもおかしくはない。

 

 「ただでさえ、ここは難しいんだよなあ。」

 

 このダンジョンは三次元型だ。ジャンプを多用する事になる。

 

 前進していると、下へと落ちる崖がある。天井からは、鋭く大きな針がいくつも連なっている。あれに刺さるとほぼ即死だ。

 

 「っと、おいでなすったか。」

 

 暗闇から、骨で構成されたコウモリが現れる。

 

 「炎よ!」

 

 俺は炎をコウモリに向かって撃つ。コウモリは避ける間も無く炎に包まれ、すぐに塵となった。俺は崖を覗き込んだが、暗くてよく見えない。

 

 「着地点が見えないが・・・。ええい!ままよ。」

 

 俺は崖を飛び降りる。瞬きする程の浮遊感の後、すぐに硬い石の感触が足に伝わる。俺は炎を灯しつつ、慎重に先に進む。いくつかの段差を越えると、冷たい地下水が張っている所に出た。

 

 「くっそ!冷たいな。」

  

 地下水は膝ほどまであり、緩やかだが流れているようだ。足を取られないように進んでいると、先ほどの骨コウモリが数匹姿を見せる。俺はそれらを炎で焼きながら前進する。

 

 島になっている所がいくつかあり、そこから黄色いゴブリン(以降、黄ゴブ)達がこちらに向かってナイフを投げつけてきた。

 

 回避しつつ炎をお見舞いする。黒焦げの死体が出来上がった。水の中に針の罠があったがジャンプで回避する。そうして前に見える滝をくぐると・・・。

 

 「神殿かこれは。」

 

 太い柱に支えられた、神殿と思われる建物の中に出た。柱には足場があり『上へ行く道』が見え、前方には下へと続く足場があり地下へと『降りる道』がみえた、分かれ道のようだ。

 

 「どっちが楽だったかな。」

 

 俺は思い出そうとしたが・・・。

 

 「わからん。とりあえず『煙となんとかは上』だな。」

 

 俺は足場を登ることにした。

 

 足場には、でかいイモムシがうじゃうじゃいたので炎で焼き払いながら進む。

 

 「うお!」

 

 暗闇から矢が放たれてきた。そこに向かって炎をぶつけるが。

 

 「効かねえのか!」

 

 炎は効果が無いようで変わらず撃ってくる。矢を避けつつ上へ上へと登る。途中、骨コウモリや黄ゴブが襲って来るのを炎で撃退しつつさらに上へ。

 

 すると、神殿の屋根の様な所に出た。一箇所、大きな穴が空いておりここから降りるようだ。

 

 俺が穴から降りると、そこには剣を振りかぶる骨の魔物が。

 

 「あぶねぇ!」

 

 慌てて杖で応戦する、と同時に後方へ下がる。杖はあっさり避けられるが、距離は確保できた。

 

 見ると、二足歩行して剣と盾を持ち全身骨でできた竜、がそこにいた。ご丁寧に鎧まで着ている。

 

 「竜牙兵って奴か。」

 

 大きさは俺とほぼ同じで、結構な速度で行動する。


 「奥にある扉を守ってるんだな。」

 

 奴は、奥に扉を守るように行動しているように見えた。

 

 「燃え尽きろ!」

 

 俺は炎を連発して放つ。しかし・・・。

 

 「くそ!当たんねぇ。」

 

 竜牙兵は全て避けていた。その上接近して切りつけてくる。

 

 俺は奴の顔面に至近距離で炎を放つ。

 

 竜牙兵には、盾で見事に防がれてしまう。俺は奴が顔を覆った瞬間、奴の足元を氷で覆った。

 

 「バカが。接近しすぎなんだよ。」

 

 身動きがとれない竜牙兵から悠然と離れ、俺は炎の魔法を奴に連射した。

 

 「無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

 一瞬で炭化する骨。後には扉が放たれ、奥へと続く通路が見えていた。

 

 

 


 ― ― ― ― ― ―

 

 


 通路を進むと・・・。

 

 「おお、これは広い。」

 

 とても広い所に出た。中央には天井をぶち抜くでかい柱が見え、柱には上へと続く足場が見えた。床一面が針で、間を縫うように柱に向かって足場が伸びている。

 

 「また登るのか。」

 

 俺はジャンプを繰り返しつつ柱へと進む。真下についたが、見上げても足場の終わりが見えない。俺は黙々と柱を登り始めた。

 

 柱が支えている天井が見える程登ると、地面がとても遠くなった。

 

 「これは落ちたら即死だな。」

 

 足場にいる魔物を掃除しつつ登って行くと、ついに頂上まで到着した。頂上からは一本道で先に階段が見える。

 

 「この先だな。ボスがいる所は。」

  

 俺は道に蔓延る魔物達を燃やしつつ前進する。そして、階段を上り切ると学校の体育館位の広さがある場所に出た。

 

 「ここは・・・。」

  

 俺がボスを探していると、俺のすぐ目の前にものすごくでかいミノタウロスが落ちてきた。

 

 「うおぉぉ!」

 

 驚く俺。筋骨隆々の腕で、これまたでかい斧を振りかぶるミノタウロス。

 

 間一髪、回避に成功する。俺は急いで杖を構えたが・・・。

 

 「いない!」

 

 奴はすぐさま跳躍。天井付近まで飛び上がってしまう。天井を見た俺は愕然とした。

 

 「なんだそれ!」

 

 天井にはびっしりと、予備であろう斧が刺さっており、それらにぶら下がりつつ、斧を引き抜いて俺に向かって投げつけてきた。ただでさえ俺の身長(175cm)よりもでかい斧だ、そんなのが何本も投げつけられる所を想像してみよう。恐怖である。


 俺は奴に向かって炎を放つが、奴は猿のように斧から斧へ移動していき全く当たらない。投げた斧も、俺の移動に合わせて回収する始末。

 

 「やるしかないか。」

 

 俺は杖を天にかざし、唱える。

 

 「星よ!イカズチとなれ!!」

 

 すると、大量の星が天井から降り注いできた。俺は魔法の発動中、動くことができない。が、それを鑑みてもあまりある攻撃だ。

 

 流石にたまらなくなったのか、ミノタウロスが天井から落ちてくる。そこをすかさず雷撃する。雷撃は速度もさる事ながら、麻痺効果も併せて発動する優れた攻撃だ。

 

 「立て火柱!」

 

 麻痺したのか動かなくなったミノタウロスに、火炎の魔法で追撃する。ミノタウロスの足元から、奴よりでかい火柱が立ち上る。

 

 「とどめだ!」

 

 杖をミノタウロスに向け、雷撃を3桁に登る数ぶっ放す。ピクリともしなくなったのを確認して、ようやく息を吐いた。

 

 念の為20分程待機し、火炎の魔法をもう一発ぶちかましてから、杖を掲げる。

 

 「勝利だ!」

 

 「マスター、おめでとうございます。ミノタウロス撃破ですね。すぐに天界に引き寄せます、少々お待ちを。」

 

 天使の声が聞こえてすぐ、浮遊感とともに暗転。気がつくと天空の神殿の中にいた。

 

 「うむ。やはり魔法は強いな。ちょっと卑怯かなと思ったぞ。」

 

 「勝利こそ重要であり、過程は意味を成しません。勝てばいいのです。」

 

 流石天使。言うと思った。

 

 「マスター。初源の地の人間が何か伝えたい事があるようです。祭壇を覗いてみてください。」

 

 地上を覗くと、女性が祭壇に向かって膝をつき天に声を上げていた。

 

 「神様。ようやくここ初源の地が、魔物の支配から逃れる事ができました。しかし、あの人は一人魔物にやられ先ほど帰らぬ人となったのです。息を引き取る間際に、彼はこう話しておりました。「自分の能力が初めて初源の地の役にたった」と。とにかく、魔物は居なくなったんです。これからは、私たちだけのチカラでやっていける事でしょう。どうか他の地域を、ここ初源の地の様に安らぎのある土地にしてあげて下さい。」

 

 「お前が予知能力持ってたんじゃなかったのかよ。」

 

 「この女、嘘を付いてたんですね。」

 

 ここらへんも原作通りに作った。忠実に作った。

 

 「ま、とにかくこれで初源の地クリアだな。次は『蒼き泉の地』か。」

 

 「そうですね。神殿を『蒼き泉の地』上空に移動しました。地上に降りて敵の撃破をお願いします。」

 

 「早いな。装備はどうするか。」

 

 「マスターは、先ほどレベルが5になりました。MPが100まで増え、『軽金属鎧装備』が可能となりました。また、杖無しでの『雷、氷魔法』の行使も可能となっております。」

 

 「おお、それはいい。では早速、軽金属へと・・・。」

 

 「お待ちを、ここ『蒼き泉の地』ACT1は革鎧で行かれることをお勧めします。」

 

 「身軽な方がいいのか。」

 

 「その通りです。武器も遠、中距離のモノをお勧めします。」

 

 それなら、今のままでいいか。

 

 「よし、このまま向かうとしよう。」

 

 俺は装備変更せず、杖のままレベーターへと進み、即地の扉をくぐった。


連投したほうが良いと言われたので連投しました。

ゲームについては一切お答えできません。

ご自分でのプレイをお願いします。

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