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ACT2

ここからは3千字程で投稿します。

 「ハァハァ。あの野郎、帰ったら覚えとけ。」

 

 見事に落下した俺は、もう一度森を踏破する為動く。

 

 「さっきは、普通の道を通ったからな。今度は新要素の方を通るとしよう。」

 

 二つ目のルート『道なき道』を行くとしよう。

 

 目の前の森の中を行く道を逸れて、右手の崖を降りる。茨が道をふさいでいるが、剣で切り払いながら鬱蒼とした森を突き進む。

 

 「茨が邪魔だなぁ・・・。うお!ゴリラが!」

 

 ゴリラが木の枝から二匹同時に降りてくる。片方を小盾で殴ってもう片方を剣で切る。

 

 「くそ!強いな!HP上がってる!」


 こちらのルートは通常ルートよりも強いモンスターを配置してある。通常は軽く切り払うだけで倒せるが、こちらのモンスターは何度か切る必要がある。

 

 ゴリラ達を倒して前進すると、武装したゴブリンの集団と木人が現れる。

 

 「くっそ!難易度上げすぎたか!」

 

 当然こいつらも幾度か切りつける必要があり、木人に至っては弱点部位以外にダメージが通らない仕組みだ。

 

 苦戦しながらも全滅させて森の中を突き進む。途中、回復用のりんごを取りつつ前進すると。

 

 「お、もう着いたか。流石森の中を突っ切ると早いな。」

 

 通常ルートより早くボスの所に到着できる。しかも、直前でフルアップル(全回復できるリンゴ)が手に入るから全力で戦える。

 

 「今度こそ倒す」

 

 こちらに気がついたケンタウロスが突進してくる。

 

 俺は左前方に転がるように避けつつ、右手の剣で擦れ違いざまに切りつける。

 

 ギャリン!

 

 鎧の部分に当たったようで、金属の擦れる音がする。思わず舌打ちをする俺に、ケンタウロスは槍を掲げた。

 

 「魔法か!」

 

 俺は急いで前方にダイブ。

 

 ドォオオオン!

 

 案の定、雷の魔法が俺のいた所に落ちる。すんでのところで避けた俺は、そのままケンタウロスへ走り寄って切りつける。

 

 「オラァ!」 

 

 「GYUOOOOO!!!」

 

 こんな声入れたかな・・・。まあいい。

 

 何度か切りつけてダメージを与えると、奴は槍を振り回した。

 

 「くっそ!」 

 

 さすが斧付槍(ハルバード)、小盾では完全にガードしきれない。

 

 距離を取った俺に、槍を構えて突進するケンタウロス。

 

 「何度も同じ事すんな!」

 

 俺は地面から土の着いた草を引き抜いて、奴の頭部目掛けて投げつける。

 

 目潰しが成功し、奴は崖に槍を深々と突き立てた。

 

 ケンタウロスが槍を抜こうとしている背後から、ザックザックと斬りまくる。

 

 ケンタロスは槍を諦めて素手で応戦していたが・・・。 

 

 「ふん!素手で剣に勝てるわけないだろ」

 

 俺が奴の頭を切り飛ばすと、凄まじい量の血が飛び散り横倒しになった。

 

 「うお!全年齢用なのに、描写がやばいな!!」

 

 とりあえず後で修正するとして、倒したのでお決まりのポーズ。剣を空に高々と掲げ・・・。

 

 「勝利じゃぁ。オラー!!」

 

 勝鬨を上げた。『初源の地』ACT1クリアだ。

 

 「・・・あれ?神殿に帰れないな。」

 

 ボスを倒すと、自動的に天空の神殿に引き戻される様に作ったはずだが。

 

 「あ、マスター。ボス撃破おめでとうございます。すぐに引き戻しますので、そのままお待ちください。」

 

 天使の声が聞こえたかと思うと、フワッとした浮遊感が俺を包む。

 

 「うわ!怖ぇぇぇ!」

 

 そのままグングン上空に引き上げられ、雲に突っ込んだ所で暗転した。

 



 ― ― ― ― ― ― ― ―



 気がつくと神殿の中、目の前には天使が跪いていた。

 

 「おかえりなさいませマスター。魔物討伐お疲れ様でした。」

 

 「おう。これでこの地は人間が住めるようになるんだよな。」

 

 『初源の地』の地上の支配していた魔物を倒したので、この地は人間が住めるようになる。そしてこの地の人間を増やして信仰心を集め、俺のレベルを上げるのだ。

 

 「はい。既に地上にはここと似たような神殿を建設し、人間を二人放ってあります。」

 

 「よしよし、原作通りだな。で、地上を見るにはどうすればいいんだ。」

 

 「はい、このメガネと手袋を装着してください。」

 

 天使が差し出したメガネと白い手袋。俺は、それらを着けた。

 

 「なるほど。」

 

 メガネをつけた俺の視界には地上の様子と手袋をはめた手がうっすら見え、手は地上に干渉出来る様になった。

 

 干渉出来る言っても、手で地面を掘り返したり等の直接干渉ではなく。天使や人間に指示を与える為に指で位置を示す等の間接的な行為だが。

 

 「マスター。この『源初の地』もようやく人間の住める土地になりましたね。これからは、魔物から人々の生活を守ってあげなくてはなりません。」

 

 天使が声と共にメガネ(地上)の視界中に現れる。

 

 「私はマスターの言う通りに動きますから、天使の矢で魔物を退治しましょう。地上に点在している魔法陣は、魔物の巣です。マスターが人間を上手に導いてあげれば、人々はこれを封印する事でしょう。魔物の巣を全て封印した時、この地域を支配している魔物が現れます。そいつを倒した時、この土地は人間だけのモノとなるでしょう。では、マスター可愛い人間の為に頑張りましょう。」 

 

 「長文ご苦労さん。」 

 

 「ホントですよ。テキストもう少し減らしてくれてもいいと思います。」

 

 やはりメタ発言は減らさせよう。

 

 「マスター。突然ですが、ここフィ・・・初源の地の人々は何か伝えたい事があるようですよ。」

 

 危ねえな!通報されたらどうするつもりだ!。・・・とりあえず、地上の神殿の中を見てみよう。

 

 

 神殿を覗くと一組の男女が祭壇に膝を付き、天に向かって声を掛けていた。

 

 「おお!神よ。ここ初源の地は、樹木が多く非常に家を建てづらいのです。周辺の木をイカヅチで焼き払い、我々に道を伸ばす方角を御示し下さい。」

 

 「切れよ。」

 

 つい即答してしまった。こちらの声は向こうには聞こえないので、一安心だ。

 

 「これでクリエイションモード開始だな。俺は何をすればいいんだ。」

 

 「マスターは『自然災害』を行使する事ができます。両手で範囲を指定して口頭で行使したい災害を示してください。すると災害に必要なMP量と行使可否の確認が表示されます。視界の右上の表示がMPです。」

 

 「なるほど。今の俺のMPは20かこれだと何ができるんだ。」

 

 「そうですね・・・。小さい範囲に落雷が一発。という所ですね。」

 

 「そうか、大したことはできないんだな。まあLV1だしな。次のレベルまで何人だ。」

 

 「80人です。とりあえず私は、魔法陣から出る魔物を退治していますね。」

 

 「ああ、わかった。頼むぞ。」


 天使は、お任せ下さい。と、飛び去っていった。

 

 このクリエイションモード、当然原作とは違い色々追加してある。まず、原作では人間共の言いなりになって行動するのが普通なのだが。このゲーム、こちらから要望する事も可能となっている。

 

 試しに、祭壇に要望を書いた石版を落としてみる。・・・読んでる読んでる。

 

 しばらく祭壇を眺めていると、神官なのか先ほどの男女が膝を付き声を張り上げた。

 

 「神よ!神託承りました。これより我々は独自に木を切り払い、道を切り開きます。」

 

 よしよし、これで地上の人間は放置でOKになった。俺はメガネと手袋を外してテーブルに置く。

 

 「天使よ。俺はもう帰る。あとは任せたぞ。」

 

 俺が声を掛けると、天使が姿を見せる。

 

 「本当にお疲れ様でした。ゆっくり休んで明日も素敵な世界を作りましょう。そうそう、リセットボタンを押しながら電源を切る事を忘れないでくださいね。」

 

 「SFCじゃねぇよ!。」

 

 俺はログアウトを選択して、現実へともどる。

 

 テスト一日目だが、なかなかの内容だった。ここまでは十分成功といってもいいだろう。明日以降も気を引き締めてテストプレイするとしよう。

ゲームの内容については一切お答えできません。ご自分でプレイをお願いします。

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