2-Bの担任
私が好きになった体育の先生でもあり、私の隣の2-Bの担任でもある桜井光治。
私の教室の前の廊下を歩く姿をいつも見てた。
誰にもこの気持ちを言わずに、ひっそりと見てた。
『先生なんて叶わないから止めなよ。』
そう言う友達の言葉を素直に受け入れられないから。
そんなことを言われるのなら、誰にも言わないで一人で想っていたい。想いを伝えられなくてもいい。ただ、見てるだけが私の幸せだから。先生がいることが私にとっての幸せだから。
だって、先生を好きになってから毎日が輝いてるんだもん。それほど私にとって先生はとても大きな存在なんだよ。
永遠の片想いでもいい。そう思ってたのに、今日の朝…あんな幸せの朝を知ってしまったら、見てるだけじゃ足りないよ。
もっと先生と話したい、笑い合いたい、私を見て欲しいんだ…。
ふと廊下を見ると先生がいつものジャージ姿で歩いていた。いつ着替えたんだろ…。先生は廊下にいる生徒一人ひとりにちゃんと挨拶をしている。先生を好きなのは男の人としてでもあるし、先生としてでもある。
先生は本気で生徒の人生のことを考えてくれている。こんな先生は初めてだよ。
私はてけてけと扉の方に寄って行って先生を見た。あの後姿が好きだ。歩き方が好きだ。こんなことを思う私ってどうかしてるのかな?