幸せな朝
ぐちゃぐちゃなモノになると思われますが、
読んでいただけると幸いです。。
先生のあの大きな背中に追いつこうと必死だった
生徒じゃなくて、一人の女の人として見て欲しかった
先生…。私の想いは届きますか?
--------------------------------------------
車がエンジンの音を鳴らしながら、私の横を行き交う。
いつもなら同じ高校の生徒がたくさんいるのに今日は誰も居ない。
そりゃそうだ。寝坊したんだもん、私。
寝坊して遅刻しそうなのにも関わらず、ポケットに手を突っ込んでてれてれと歩く。
しばらく歩くと自転車に乗った生徒が私を追い抜かした。
そんなことも気にせずに、学校の前の坂を上る。
「こらぁ!!そこの女子生徒、遅刻だぞ!!」
よく通る聞きなれた低い声が坂を坂を上る途中、聞こえた。
見上げると、大好きな先生が校門の前で立っていた。
やったぁ!!今日は朝から見れたぁ!しかも、スーツだぁ~。
ニヤける顔を抑えつつ、スーツ姿の先生を眼に焼き付けようと必死だった。
私がこの先生、桜井光治を好きになったのは、この高校に入学してきたときだった。
その時も今のような声でステージの上で挨拶をしていた。
「楽しい青春時代を送ってください」
そう言った先生の笑顔、声…全部にキュンってしたんだ。
それから見るだけの恋をした。
話しかけれなくてもいい。ただ、見るだけでいい。
そう思って一年を過ごしたけど、今日こんないい朝を迎えられたよ!!
寝坊してよかったぁ…。
「おぉい!新垣~!走れぇ!」
そう言いながら先生が私の方に向かって走ってきた。
大好きな先生がどんどん近づいてくる。
「ち・こ・く」
私の前に立った先生はスーツのポケットに手を入れて言った。
その格好…カッコよすぎるよ。
「寝坊しましたぁ」
「夜更かししてるからだ!!早く寝ろっ!」
あ、先生っぽい…。当たり前か、先生なんだから。
「さぁ!遅刻しない為にも玄関まで走ろぉ!」
ポケットに入れてた手を出して、パンっと叩いた。
スラっとした指にドキっとした。
「俺に負けたら体育の授業でいじめてやるぅ~!」
そう言うと学校に向かって走り出した。
私は先生に追いつこうと必死で走った。体育の先生だから敵うはずないじゃん…。
だけど先生は時々後ろを振り返って私を待っててくれた。
でも最終的には負けてしまった。
「いぇいっ!俺の勝ち~!」
子供みたいに無邪気に笑っている顔にキュンとした。
「大人げないよぅ…」
少しふてくされてると、くくっと先生が笑った。
「社会の厳しさを教えてやんないとなぁ~。まぁ、俺が勝ったからいじめてやるよ」
私の顔を見ていたずらっぽく笑う顔が好き。大好き…。
「うわっ!職員会議ぃ!!じゃ、またな」
片手を挙げて職員玄関に向かって走っていった。
私は先生の大きな背中をずっと見ていた。あの走り方が好き…。
好きすぎておかしくなりそうだよ…。
すばらくそのまま立ってるとチャイムが聞こえたので、玄関へと入っていった。