始まりの扉②
「えっ」と、一瞬真は戸惑うがすぐに返事をする。
「変わらないよ。お前がその力で何しようと、俺はお前の友達だろう?」
言ったあとに後悔した。はずかし~言わなきゃよかった・・・。
ジニーの反応を見る余裕もなく、ただうつむいてしまった。
そのジニーは真の言葉を聞いて安心したように表情を崩して、少し笑って真には聞こえない声で
「ありがとう」と言った。
そう言ったあとジニーはいつも通りの明るい声で
「今日はこの辺で帰るわ、また明日!じゃあなー」
語尾を景気良くのばし手をブンブン振って走り去っていく。
真は苦笑しながら顔をあげ短く返事をして帰路につく。
家について、真はジニーの言ったことが気になって少し考えたがやめた。アイツは漫画の読み過ぎだよ自分がこんなことを考えるのもバカバカしい。そう思っていた。
次の日、真は朝から落ち着かなかった。それはHRの時間になってもジニーが来ないからだった。いつもなら自分と同じか少し早く来て友人と喋っているのに。
心配だった、昨日の言葉が頭をよぎる。
出席を取り終えるぐらいのところで教室後方のドアが開いた。ジニーだ。
良かったと思ったが、すぐに先生と同じ質問をしてしまう。
「どうしたの、その怪我」
まさに満身創痍と言ってもいいようなぐらい怪我をしてた。顔や手には擦り傷や痣がありガーゼを貼っている。痛々しい。
もしかしたら制服で隠れている足や腕にもあるかもしれない。何したんだよ!と心の中で呆れる
その質問にジニーは一言、陽気な声で
「階段から落ちました」
一瞬の間を置き笑いが起こる。真もつい笑ってしまった。
「なんだいつもどおりじゃないか」と安心した。
そのあともう一度怪我のことを聞いてみた。そしたら
「なんだぁお前、ネタだと思ったのか。いや本当だからな。」
と苦笑された。本当だったらしい。あの痣は階段で落ちたとき、擦り傷はサッカーの練習でつくったものらしい。
一体どんな無茶をしたのか想像できない。
それから授業も終わりジニーと帰ろうと思ったが、どうやら先に帰ってしまったらしい。いつもなら一言かけてくれるのにと思うとちょっと寂しくなった。しょうがない一人で帰るかとさびしくトテトテ歩いていく。
少し歩いて話し相手が居ないのはつまらないなぁと思ったので妄想にふけってみる。昨日ジニーが言った能力が手に入った自分を主人公に・・・。
想像してみると意外と面白いもので気が付いたらだいぶ家の近くまで来ている。ここはその家の近くの公園のそばにある高架下だ。そこのちょうど真ん中あたりに壁に寄り掛かっている男がいた。
真がその男に気付くなり、明るい声音で男は言った。
「やあ、待っていたよ。真君。」
だいぶ間をおいてしまいました。
はやくこのプロローグを終わらせられるように頑張ります。
一言でもいいのでコメントしてくださればありがたいです。
それと最後まで読んでいただいてありがとうございます!!