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覚醒

拾丸様…拾丸様…

俺が目が覚めたのは伏見城の一室であった。


「今は何年ですか?」

「ハッ慶長元年でございますよ拾丸様」


侍女が不思議そうな表情を浮かべてそう答える。


俺は頭をフル回転させて現状が1596年で慶長の役の直前であり、自分は従五位下を授かる前の時代まで戻ってきたことを理解した。


今であれば父である天下人豊臣秀吉が健在であり、認知症を発症して狂う以前である。


父秀吉は亡くなる一年前くらいには認知症を発症して正常な判断ができなくなり徳川家康などを信用しすぎた為に豊臣家滅亡への道を作ってしまった。


しかし今は全てを実子である俺に全てを託す為に関白を切腹させるなど残虐な行為も厭わないほどに俺を愛し信頼してくれている。


父秀吉にすぐに会わねば…俺はすぐに父秀吉に2人だけで会いたいと伝えてほしいと侍女に命じた。


その後すぐに父秀吉は俺に会うことを快諾してくれた。


「おお拾や急に儂に会いたいとは何かあったのかのう?どれこの父に何でもゆうてみい。拾が望むのであればどんな願いでも儂が叶えてやるぞ。」


にこにこと笑顔を見せながら優しい言葉をかける父秀吉の言葉についつい涙腺が崩壊してしまい涙が止まらなくなる。


「どうしたのじゃ拾よ。怖い夢でもみたのかのう?拾を害する者はたとえ地獄の鬼であっても儂が退治してみせるぞ。儂は天下人太閤豊臣秀吉であるぞ。何を恐れるものがあろう。恐ろしいのは其方を失うことだけじゃ」


「父上はもし私が途方もないことを言っても気が触れたと思わずに信じてくださいますか?」


「何をいうか。もちろんじゃ。儂が拾を信じずに誰が信じるのじゃ」


「父上これをご覧ください」


俺は肩を出して肩にある熱田神宮のご神紋にそっくりな痣を見せる。


「そ、それはまさか熱田神宮のご神紋か?」


「はい父上、信じられないかもしれませんが私は熱田大神の加護を受けており時々その神託を聞くことができます」


「な、何ということじゃ。信じられん。」


「信じがたいことかと思いますがこれは事実にございます」


俺は右手に熱田神宮の御神体である草薙の剣を浮かび上がらせて見せる。


「この神々しさはまさに草薙の剣…信じる以外あるまい。しかし拾よこれをみせたのには何か深い訳があるのであろう」


「はい父上。この草薙の剣を額に当てて下さい」


「うむ、拾が言うのであればよかろう」


秀吉が草薙の剣を額に当てると膨大な量の記憶が頭の中に流れ込んできた。


今年起こるであろう慶長の役から自身の死、関ヶ原の戦い、大阪の陣により滅ぼされる我が子秀頼の死と豊臣家滅亡までの出来事の全てである。


そして怒りと苦しみ、悲しみの表情を浮かべながら涙を流し我が子を抱きしめながら呟く。


「拾よ、すまなかった。辛い思いをさせたな。其方は未来を経験して再び時戻りをしたということであろう」


「はい、父上」


「しかし憎しは内府と豊臣家を裏切った奴らよ。今すぐに八つ裂きにしてくれる」


「なりません父上。他の者は未来をしらぬのでそれでは世が乱れます」


「ではどうしろと?」


「私に考えがございます。まず一番信頼出来る者として佐吉と虎之助をここに呼び4人で話をしとうございます」


「そうか。捨がそう言うのならばあいわかった。すぐに両名を呼び寄せようぞ」


そして家臣に佐吉と虎之助を登城させるように命じた父秀吉の目はいつもの優しい父の目ではなく天下人太閤豊臣秀吉の鋭くも圧の強い眼光を放つのであった。





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