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エンディング

 ——黒い箱の中の私へ。


 ピコン。


 ベッドの上に無造作に置かれたスマホが真っ暗闇の四角い空を照らす。

 小春かな? きっと、今日の帰り際でやり取りしたことだろう。

 天井を見上げたままスマホを手にして、返信をした。

 そして再び真っ暗な天井をぼんやりと眺める。


 何時だろ?


 カーテンからは朝日が差し込む気配はない。

 今日は楽しかった。

 皆んなとはしゃぎ過ぎたせいで、いつもの就寝時間よりも、ずっと早く眠りについてしまった。

 再びスマホに呼ばれ、確認をすると、時刻は二十二時。

 スマホの画面の光で、天井がぼんやりと光っていて、その煌めきは柔らかく、何だか、女神さま、みたいな神がかり的なものに見守られているような気がした。

 ものすごい遥か彼方の遠くの空の方から俯瞰されてる、そんな感じ。

 すぐにスマホの画面を確認して、いいね、を送る。

 目が慣れてきたせいか、部屋の中が薄暗く、少しだけ全体像が確認できる程度にはなってきた。


 明日は何をしよう?


 部屋の中は、しんとしていて、何だか心地がいい。ゆっくりと体を起こしカーテンを開ける。

 外は、今日もあいにくの天気で星は見えない。

 窓を開け、手を伸ばす。

 優しく触れる雨は、心の中にも染み入ってくる。


 私は、降り続ける雨の向こう側に、夏の大三角のひとつ、デネブを見ている。

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