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EDEN  狂気と裏切りの楽園  作者: スルメ串 クロベ〜
30/126

30.恐怖

…あたしはふて寝していた。でも、今自分が置かれてる状況を思い出し切り替える。

これからどうするか…っとその前に、顔に紅葉の跡がついてる人に自己紹介しないと。


「そういえば自己紹介まだでしたね。あたしは神代 結よろしく変態さん。」

「それ俺のこと言ってる?!本当に悪かったって!」

「……そうですね、今は!忘れましょう。」

「お、おう…後で攻められるな…っと俺は真壁、真壁 龍之介だ(まかべ りゅうのすけ)よろしく。」

「よろしくお願いします。…まあさっきの件は助けてもらったので…ぐぅ…忘れましょう…!」

「そうしてもらえると助かる…それにお前さんを助けるのは2回目だしな。まあ縁があったってことで気にするな。」


ん?2回目?初対面だけど…

前にも助けてもらったっけ?


「えっと…1回目っていつ?」

「ああ…あの時は会わなかったな、覚えてないか?ほら蜘蛛の怪物に襲われてたろ?」

「…!ああ!あの時!そういえば気づいたら死んでたっけ…」

「あの時も今回も、こいつで遠くから助けてやったってわけだ。」


そう言って彼が見せてきたのは、あたしの拳銃の5、6倍ぐらいはある大きな銃。

望遠鏡みたいなのがついていて、確かにこれなら遠くからでも当てられそう。

それとは別の銃もそばにある。こっちも大きい…


「そんなのどこにあったんですか?あたしのは起きた時に箱に入ってたんですけど…」

「ああ、俺のもそうだ。こっちも箱にあったんだが…同室のやつが死んだんでもらった。」

「…え、それって…」

「いや違う!勘違いするな!俺が殺した訳じゃない!その…馬鹿らしいからあんまり言いたくないんだが…」

「えっと…言いたくないなら無理には…」

「いや…まあいいか。銃口を覗いていて、誤射したんだ。本当に最悪だった…」

「それは…確かに馬鹿らし…いや御愁傷様です。」


あたしも誤射したから人のことは言えない…

ってよく考えてみれば、あの時弾が跳ね返ってきてたら死んでたじゃん、気をつけよ。


「ああ、それで仕方なく初日に外に出たんだが…デカい人型の怪物が人間を」

「やめて!」


思わず叫んだ。

ついさっきまで似たやつに殺され掛け、夢にまで出てきた。

これ以上聞いていると怖くてたまらない……今は聞きたくない。


「ごめんなさい…いきなり叫んで…」

「いや…さっき襲われたばかりだったな、悪かった。」

「…真壁さんはこれからどうするつもりですか?」

「怪物を避けながら何かないか調べるつもりだ。外出禁止なんてわざわざ公言するぐらいだ、この時間に何かをしている確率が高い。」

「そうですね…あたしもそう思います。」


確かに彼の言う通りだ。わざわざ14時間も時間が設定してあるということは、それだけ大掛かりなことをしてる可能性がある。

…でもそれを実際に確認してみるとなると、話は変わってくる。


「よくやろうと思いましたね…」

「自分でも無謀だとは思ってるさ…だがこの施設に長くいるのはまずい気がしてな。」

「そんなの当たり前ですよ…あんな怪物がウロウロしてる場所なんて…」

「ああ、それもあるんだが…気になっていることがある。」


?怪物以外に気になること?…もしかして


「もしかして、人がおかしくなることですか?」

「ああそうだ。お前も気づいてたんだな。」

「…気にはなってました。何人かがそうでしたから。」


最初の日にあたしを襲った人や、石塚君がそうなのだろう。

あの2人もこんなところに連れてこられなければ、おかしくなっていなかったと思う。


「恐怖でそうなっている、そうかもしれないが…どこか違和感がある。」

「違和感…ですか…。それは…」

「まあ俺の気のせいってこともある。」

「…いえそうとも限らないと思いますよ?」

「?心当たりがあるのか?」

「確信がある訳じゃないですが、おかしくなった2人はどこか似てた気がするんです。」


思い返してみれば、2人とも幻覚を見ていた。【笑っている】あたしにそう言っていた。

それに自分が周りに襲われると疑心暗鬼になっていた。…でもまだ偶然の可能性がある…やっぱり情報が足りない。


「今はなんとも言えないですね…」

「そうだな。だが幻覚か…それは俺も覚えがある。」

「!そうなんですか?」

「ああ…2日目外で歩いている時、死んだはずのやつが見えてな…正直怖かった…」


あたしはまだ幻覚を見たりはしてない。けど、これで3人…偶然だとは思えない。

この施設にはまだあたし達が知らない何かがある。

そもそも何が目的なの?怪物達を実験体って呼んでたけどなんの実験?…わからない…

…外が騒がしくなってきてる気がする…


「…この話は後にしよう。そろそろここから移動するぞ。」

「え…他にもこんな場所が?」

「ああ。昼のうちに何ヶ所か準備しておいた。」

「わかりました…えっとついていってもいいんですか?」

「ああ、俺はそのつもりだが?」

「…迷惑をかけるかもしれませんよ…」


外に出るって考えただけで、恐怖が全身を支配する…怖い…怖い…こわい…

もし…また人型の怪物にあったら…今度こそあたしは……い、いや…死にたくない…こわいよ…


「…ここにいたいのか?」

「ち、ちが!一緒に行きたいです!けど…怖いんです…」

「そりゃあ誰だって怖いだろ?俺だって怖いさ。」


あなたにあたしの気持ちなんてわかる訳ない!…そう言いそうになった…。

誰だってなんて一緒にしないでほしい。あの時感じた恐怖は絶対に分かるはずがない。

…結局あたしは、彼にただついて行くことしかできなかった…

30話達成!感想コメント、いいね、評価お待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 強がりつつも恐怖で既に膀胱決壊しかけてそうな結ちゃんがとても可愛かった あと真壁さん何気にかなり重要なキャラだった… [一言] だんだんと謎に迫りつつ丁寧に恐怖で追い詰められていく結ちゃ…
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