18.予想していたこと
主通路に戻ってきた。天井を見る…うん今日もいい天気!
…………?あれってもしかして映像?なんか切れ目みたいなのが見える。
そっか、だからエレベーターに屋上がなかったのね…。もしかしてここって地下なのかな…
うーんまだなんとも言えない。まああとでゆっくり考えよ。
あたしはもうひとつの広間の方に向かって歩き出す。
今の所順調。まあ探索は順調だけど、仲間集めの方はさっぱり。
結ぶ人とはなんだったのか…だってみんな顔が怖いんだもん。
すれ違った人はみんなこっちをすごい睨んでくるし、話しかけようとすれば逃げられる。
これじゃあ仲間なんて作れない。
静華の時はある意味運が良かったのかも。襲われてるとこを助けたから話ができたのかな。
そういえばいまだに石塚くんから連絡来ないんだけど、何やってるんだろう。
…こっちからもう一回電話してみようかな。ここだと目立つしどこか適当な店に入って隠れながらかけよう。
適当なお店(服屋)にはいってレジの向こう側に隠れる。
…うん出口から見えない。さてそれじゃあ通話をポチッと。
………………でない。ん〜?メールも送っておこ。
【こんにちわ。昨日いろいろあったけど、もし2人が良ければ一緒に行動したいから連絡ください。】
うんこれでいっか。送信と。…ふう、荷物が結構重い。いろいろ入ってるからなぁ…
ちょっと疲れてきたし早めにセーフルームに入った方がいいかもしれない。
時間は…PM2:11。おもちゃ屋で結構時間経っちゃったな。意外と面白かったから仕方ないよね。
…うん、返事がこない。やっぱり嫌われたかな。しょうがないか…
まあまた会うことがあったら怖がらせないようにだけ気をつけよ。さてマップ埋め再開。
主通路に戻ってきて再び歩き出す。
「おい!お前!」
「ん?」
後ろから声をかけられて、振り返ってみると高圧的な男子が1人。
「何?何かあたしに用?」
「ああそうだよ!お前の持ってるその鞄、それをよこせ!」
「は?いやよこせって、もうちょっと言い方あるでしょ?」
「うるせえ!いいからよこせ!死にたくねえだろ!」
そう言って拳銃を構えてくる。
…まじか〜、いずれやるやつがいるだろうとは思ってたけど…はぁ最悪…
「…それ撃ち方知ってるの?」
「ああ?!お前には関係ねぇだろ!いいから黙ってよこせ!」
「はぁ…わかったわかった。あげるから今下ろすからちょっと待って。」
「早くしろ!」
少し痛い目を見てもらうかな…
あたしはゆっくりと鞄を下ろす。…多分上手くいくと思う。
「はい、これ。」
「こっちに投げろ!」
「これ重いから投げられないよ取りに来て。」
「…ッチ!お前!そこ動くなよ!」
そう言って近づいてくる。かかったな…マヌケめ!
彼が鞄に手を伸ばして、あたしから視線を外す…今だ!
拳銃を持っている彼の手目掛けて鉈を振り下ろす。あっもちろん峰の方ね?
「っふ!」
「っ!いって!てめえ何しやっ!」
その後拳銃を突きつけてやる。正当防衛ってことで。
相当痛かったのか拳銃を落としたから、蹴って遠くに転がしておく。
「さて、それ置いてくれる?」
「う、うるせえ!これはもう俺のもんだ!誰がわたっ!」
彼の近くに鉈を叩きつける。
これで少し落ち着いてくれるかな?…いやイライラしてないよ?いきなり拳銃向けられてムカついてないよ?
「聞こえなかった?置いてって言ったの?」
「お、お前!あぶねえだろ、くそわかったよ置けばいいんだろ!」
そう言って無造作に投げ捨てる。こいつ…もうちょっと殴っておくべきだったかな。
はぁ…まあでも、
「ほら、これあげるから。もう突っかかってこないでよね。」
そう言ってあたしは携帯食料を投げ渡す。こいつが投げたせいかちょっと潰れてるけど。
「は?えっお前、なんで!」
「なんでって、あたしがそうしたかったからだけど。いやまあ拳銃向けられた時はムカついたけどさ…」
ムカついたけど…状況が状況だしまあ仕方ないかな。
「それでも困ってるんでしょ?だからあげたの。けど次はないからね。」
「…………。待てよ。」
「はあ…まだに何かあるの?正直あんたは助けたくないんだけど。」
「うっ…その…さっきは悪かった…。それとこれ助かった…。」
「そうやって素直に言えるなら最初からそうしてよ、それじゃ。」
流石にないと思うけど、後ろから撃たれたら嫌だし走って移動する。
もうちょっと冷静に話そうとかって思う人はいないのかなぁ…
あぁ…つらい。走ったせいかカバンの重さで肩が痛い。
時間も迫ってるし今日はここまでにしてセーフルームに入ろうかな。
んーけどこっちの方で見つけたセーフルームは全部使えないし、一旦戻って…
「神代。」
「うひゃ!え、って石塚くん?びっくりさせないでよ。」
さっきまでいなかったけど、どこから…。ああそこのお店からね。
というか普通に声かけられたけど、なんだろう。会っても無視されると思ってた。
「ああそうだ…電話、出れなくてすまなかった。メールの方も。少し手が離せなくてな。」
「ああ、気にしないで。また会えて嬉しいよ。」
「ああそうだな。」
…ん?なんかちょっと、変…
表情が死んでるし、目もこっちを見てるようで見てない気がする。石塚君ってこんな人だっけ?
「そうだ神代。少し手を貸して欲しい。」
「ええ?いいけど、それより石塚君大丈夫?疲れてない?」
「いや疲れてない、僕は大丈夫だ。…大丈夫だ…大丈夫、大丈夫…」
しばらくぶつぶつと大丈夫といい続ける。やっぱり変だ。何かあった?
感想コメント、いいね、評価お待ちしております。