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EDEN  狂気と裏切りの楽園  作者: スルメ串 クロベ〜
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16.忍び寄る影

記憶がないあたしにとっては初めての友達ができました。

この施設に来て一番嬉しいかも。


「さてそれじゃあ静華。もうちょっとでセーフルームに着くから頑張ろ!」

「ええ!頼むわね結!」


ふふ…当たり前のやり取りだけどすごく嬉しい。…そういえば石塚君と雪原さん大丈夫かな?結局連絡来ないし…

…やっぱり雪原さんの誤解がまだ解けてないのかもしれない。またあとで連絡しよ。


「ってそうだ!番号交換しておかないと!」

「?番号交換?、ああ〜そういえばメールが来ていたわね。」


危なかった…。今回は忘れずに交換できた。

今度からは会ったらすぐ交換するようにしよ。


「通話にメールと、携帯電話みたいね。」

「そだね〜。まあ形がスマホだし改造したものなのかも。」

「さてそれじゃあ番号交換も済んだし、もうちょっとで着くから移動し?!」


あたしは静華の腕を引いて体を抱き寄せる。

さっきまで静華がいたところに、空気を切り裂く音が響く。


「きゃ!いきなり何?!」

「振り向かないで!」


静華の後ろにいたのは上半身が蜘蛛、下半身が人の怪物。

6本の腕、ハサミのような口、8個の大きな目、背中が大きく膨れている。

腕の先には小さいが鋭い鉤爪が付いている。…蛇の怪物の次は蜘蛛か!


油断してた!まさか吹き抜けを登ってくるなんて!

…ってこいつ朝見たやつじゃん!1階にいたんじゃ…。

そっか蜘蛛って壁登れるよね!ってそんなことよりも!


「静華!走って!この先にある大きめの服屋の中にセーフルームがあるから!」

「一緒にって言いたいけど、私がいても足手纏いよね…わかったわ!必ずあとで来てよね!」

「うん!またあとで!っと、もうちょっと待っててよね!」


あたしたちの会話を遮るように、腕を伸ばしてくる。

…思ったよりも、腕のリーチが長い。それに近づいて切り込もうにも、腕が6本あるから反撃されるだけだ。

近づくのはまずい!それなら、まずは目を潰す!


鉈を地面に放って拳銃を構えて撃つ!

4発撃って2発は腕に防がれたけど残りの2発が目を捉えた!

苦しいのか鳴きながら腕を動かしている。…きもい。

弾は4発。撃ち切ったら装填しないといけないけど、流石に目の前でやっている余裕はなさそう。

?いきなり背中を向けて何を…って!


「うわ!何!糸?!」


お尻の部分から大量に糸を吐き出してきた!

いきなり出してきたから少しかかった。…うげぇねちょっとしてる。地面にくっついて動きずらい!

ってこれまずい!


「っ!これで!」


残りの4発を撃ち込む。全弾背中に命中したけど、あんまり効いてない!

どうする?!逃げたくても、糸が地面にくっついて動けない!

それがわかってるのかゆっくりと近づいてくる。やばいやばいやばい!

とにかく銃弾を装填しないと!…っく鞄が取れない!


「******!」

「!避けられ」


あっこれ死んだわ…






大きな破裂音が聞こえた…


?あれこない…ゆっくりと目を開けると蜘蛛人間が血を流しながら仰向けで倒れてる。

あれあたしは撃ってないよね…?周りを見渡しても誰もいないし…

でも銃声は聞こえたから誰か助けてくれたってこと?

はぁ…とりあえず助かった…

この糸どうすれば外せるかな…






しばらくもがいていると地面の糸が外れた。でもまだ服に糸がついてるからベトベトする。着替えたい…。

蜘蛛がいるときも周りを探し続けたけど、やっぱり誰もいない。うーんお礼言いたいんだけどなぁ。

まあいいや、それよりも静華のところに行かないと。

Gフォンで連絡したいけど、鞄がっ!っく取れない!もう本当いや!



「おーい!静華!いるー!」

「!結!よかった、無事だったのね!って、なんか汚い?!」

「ちょ?!それ思ってても言わないでよ!」

「あ、そうね!ごめんなさい!でも本当に無事でよかったわ…」

「あはは…まあ助けてもらったんだけどね…」


無事静華と合流できた。ふぅ…

にしても今回のは危なかった…。まだまだ油断しちゃいけないのに、気を抜きすぎてた。

やっぱり武器がいる。今の拳銃だと威力が足りない。

…あ〜でも威力が高い銃って衝撃も凄そうだし腕のほうが吹っ飛びそう…。やっぱり今のままでいいのかな。

それにしても、この蜘蛛の糸どうやったら取れるの?そう思ってたら、


「ねえ結ちょっとこっち来て。」

「ん?何?あ、触るとついちゃうから気をつけてね。」


ついて行ってみると…?何もないけど、ってなんかの液体を湿らした布で拭いてくる。

えっなんの液体?!なんか臭い!ってこれ漂白剤?

…おお〜取れなかった蜘蛛の巣が簡単に!一応あたしももらっとこ。


「やっぱり、蜘蛛の糸みたいだから対処法は一緒ね。」

「へえ、洗剤で取れるんだ。知らなかった…」

「ええ、と言ってもなんとなくそう思っただけなんだけど…上手く行ってよかったわ。」

「……。まあ取れたからいいや。」








「さてそれじゃあ静華今日はお別れだね。また明日迎えにくるから。」

「え?!なんで…あっそういえば同じセーフルームはすぐには使えなかったわね…」

「そうなんだよね…。まああたしは別のとこ探すから、静華はここで休んで!ね?」

「そうね…わかったわ。けどその前に。」

「え、何?なんでにじり寄ってくるの?えっ怖!」


なんかフリルがいっぱいついた服を持って近づいてくる。いや!その服はあたしには似合わないから!


「その服着替えなさい!それともうちょっと可愛らしい服を選ぶべきよ!」

「ふぇ?!いや、着替えはするんだけどその服はいいかなぁ…。ほら!動きずらいし!」

「それなら試着だけでもして!絶対似合うから!」

「いやそれ静華が見たいだけじゃん?!ちょっと!腕引っ張んないでー!」


その後1時間ほど着せ替え人形にされた…

途中からテンションが上がったのかスーツとか着せられたんだけど、遊ばれてるよね。

…うう、もうお嫁にいけない。

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