14.覚悟
よっしゃ!気合い入れていくぞ!あのハゲ絶対許さんからな!
今日やることはマップ埋めと、物資回収、仲間集め。
…それとできれば2人と合流したい、無理かな…連絡しても返ってこないし。
…まあいいや、なんとかなるって。よし行こう!
セーフルームを出ていつものように吹き抜けから下を覗く。
1階…怪物は今日もいる、昨日の緑のやつとは違うやつが。何あれ?でっかい蜘蛛?…きもい。
それ以外にもいろいろ地面に散らばってるけど、もしかして怪物同士で争ってる?いいぞぉー!もっとやれー!
2階…人型のやつは見える範囲にはいない。
けれど相変わらず、柵は折れ曲がってるし地面はひび割れている。…それと血溜まり。
まだ暴れてるのか…、やっぱり2階に行くのは現状だと無理。
せめてここから攻撃できる手段が……あるんだけど効くのかな?
それと……やっぱりここの柵って脆いのかな?よし!ふぬぬぬぅ!おっ!少し曲がって…ってできるか!
3階…周りを見てみるとちらほらと人が見える。ただ動きがなんだか怪しい。周りを警戒してる感じ。
あれって今日の映像を見て物資を探してるよね…
今近づいたら襲われるかな…もう少し彼らが落ち着いたら声をかけようと思う。
ひとまず奥を目指して歩く。
今日こそ何かあればいいけど…
歩き出して、10分ぐらい経ったかな。やっと奥についた。
ついたんだけど、大きな鉄の扉みたいなのが降りている。…これは…開かないよね…
少し周りを調べてみたけどやっぱり開きそうにない。
ただ調べている途中で気づいたんだけど、壁際の通路奥にセーフルームがあった。ラッキー。
さてそれじゃあ反対側を調べてみますか。ああその前に、途中にあった広間も調べてみないと…
「きゃあああ!誰か!誰か!助けて!」
!悲鳴!結構近いかな…
まだ怖い…でも見ないふりはできない。
……………全部抱え込むって決めたんだから。
あたしは声の方へ走った。
「!いた!」
20メートルぐらい先に声の主はいた。
制服を着た女の子がまた緑のやつに襲われてる。
女の子は足から血を流していて動けないみたい。怪物は弄ぶつもりなのか動かずに笑っている。
「!あなた、助けて!足が…う、動けないの!」
「わかってるから!伏せてて!」
そう言って鉈を地面に置いて、拳銃を構え発砲する。…狙い通り、怪物はこっちに来た。
落ち着いて…落ち着いて…大丈夫。
拳銃を構え、狙いを定めて撃つ。衝撃で拳銃が飛ばないように両手でしっかりと支える。
三発のうち二発が腹に命中しのけぞる。でも、まだ動いている。やっぱり頭を飛ばさないとダメか!それなら!
あたしは後ろに下がりながら狙いを定める。狙うは頭。眼球。
一発撃つと手の感覚が鈍くなる。左手で拳銃を握り直してまた撃つ。
三発撃って一発が右目を捉える。先ほどと違って苦しいのか、目を押さえながらもがいている。
「よし、イケる!」
拳銃を地面に置き、鉈をしっかりと握る。
苦しんでいる今がチャンス。あたしは見えていないであろう右側から走り寄り、
「******!」
「っ!」
眼前を鋭い爪が通り抜ける。
ちょっと焦った!なりふり構わず腕を振るってきた。けど動きが遅くて簡単に避けれる!
あとは接近して!
「はぁああ!!!」
遠心力を利用して鉈を振るう!完璧に首をとらえた。けど、
「っ!振り抜けない!」
力が足りなかった…鉈は首の半分ほどで止まってしまう。
怪物が振り返ろうと、
「まだ!」
あたしは鉈から手を離して拳銃を頭に突きつける。
そのまま引き金を引く。
ブチュリと嫌な音がして、怪物は地面に脳髄をぶちまけ血溜まりを作る。…そしてそのまま倒れ込んだ。
「はっ!はっ!はっ!…ふぅぅぅ…や、やった…。」
やった…やった!やった!やってやった!
はあ…疲れた。もうまだ始まったばかりなんだけど…ちょっとしんどい。…一応首を落としておこう、うぇ…。
さてと、
「ねえ、大丈夫?」
「………は!え、ええ大丈夫よ。ありがとう助かったわ。」
「そう?ならよかった。足は?歩けそう?」
「っ!ええっ、なんとか歩けそう…。きゃっ!」
やっぱりまだ痛むみたい、立とうとして転んでしまう。
これはこの子を連れて移動は無理かな…
見たところまだ血も止まってないけど、…うんそこまで傷は深くなさそう。
とりあえず着替えを使って止血しておく。
聞いてみると怪物にやられたわけでなく、怪物を見て転んだ拍子に持っていたナイフで切ったらしい。
怪我の痛みはそこまでないみたいだけど、怖くて足に力が入らないみたい。
「ねえもしよかったらなんだけど、セーフルームまで連れて行こうか?」
「…え?でも、悪いわ。」
「気にしなくていいいよ。このままここにいるよりも、安全な場所で休んだほうがいいよ。」
「…そうね、ごめんなさい。お願いしてもいいかしら?」
「うん!任せて!」
鞄を前に背負い直して彼女に肩を貸す。…でっか。はっ!いや悔しくないし…ないしぃ…
それに大きいと不便だし…。まあ大きくないからわからないけど…グスン…
「そういえば自己紹介がまだだった。あたしは神代 結。あなたは?」
「私は静華。光明寺 静華 (こうみょうじ しずか)よ。よろしくね。」
「うんよろしく、それじゃ移動するから。しっかり掴まってて。」
そう言ってゆっくりと歩き出す。目的地は昨日あたしが使ったセーフルーム。
あそこなら見つかりずらいし、服を破けば包帯のかわりも作れる。
光明寺さんにそう説明して移動する。…はあやっぱりちょっと羨ましい。
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