13.3日目
「っ!待って!…ってここどこ?」
目が覚めると、ベッドの上だった。辺りを見ると、大きなモニターにソファーと机。
ここってセーフルーム?あれいつの間に入ったの?いやあたし…まだ入ってなかったはず。
もしかして栄華さんが?
そういえば夢を見る前に、パチンって電流みたいなのが走ったけど気絶させてここに運んだってことかな…。
「栄華さん!いますか!……返事がない。」
どこにもいない。一応洗面所とかもみてみたけど、やっぱりいない。
あたしだけここに置いて出て行ったみたい。…もしかして嫌われてる?
そういえば気を失う前、いろいろ言っちゃったし…
ていうか自殺しようとしたところ見られてんじゃん!しかも止めてもらってんじゃん!めっちゃ恥ずかしい…
今度会った時に謝らないと…
さて、セーフルームについたことだし明日からのことを考えよう。
ん〜夢でいろいろあったおかげかな、すごく頭がスッキリしてる。うん、今日も頑張れそう!
とにかく、やらなくちゃいけないことをまとめておこう…
1.マップを埋めること
2.食料、武器を集めること
3.仲間集め の3つかな。
まずはマップを埋める。結局のところいつまでこの施設にいるかわからない。なら少しでも情報が必要になる。
ひとまず明日は、マップ下最奥まで行ってみよう。
下の階はまだ行かない。うろついてる怪物をどうにかできるとは思えないし、今いるフロアをまだ調べきれてない。このフロアにMカード使える装置があるかもしれないし。
それと出口を探すのは一旦保留にするつもり、それどころじゃないからね。
次に食料。これもいつまでいるかわからないのだからある程度必要になってくる。
それに、他の人に食料を譲れば仲間になってくれるかも。…餌付けかな?
それと武器。もう怪物と戦うのは避けられない。なら身を守るためにも絶対に必要になる。
…下の階にはあいつもいる。いずれ行く必要があるかもしれない、準備はしておかないと。
最後に仲間。これが一番かな。
探索するにも怪物と戦うにも結局のところ1人だと限界がある。それにあたしの心も限界が来るかもしれない。
人を結びつける者…なんだし仲間の1人や2人ぐらいすぐにできらぁ!……できるよね?
明日やることも決まったし、ご飯を食べてゆっくり寝よう。また明日から頑張らないと。
それとこのセーフルームお風呂がついてた!前のところはシャワーだけだったから嬉しい!
いや〜日本人はやっぱりお風呂だよね!…あたしの国籍知らないけど!
PM10:34
ピー、ピー、ピー、ピー
「んん…うるさいな…何…?」
せっかく寝てたのに…なんの音?
ん〜、麻倉君のGフォンからなってる…って、あれ画面が変わってる?
【回収対象 被験者No.223 麻倉 鋼一 素体ランクE】
?何これ…被験者?素体ランク?なんのこっちゃ…
でも番号とか付けてるってことはやっぱり、ここは研究所なのかも。まあ今はわからないけど。
とりあえず麻倉君のGフォンは洗面所に置いておこ…
AM7:20
「ん〜!…ああ。久しぶりにゆっくり眠れた…」
昨日までは緊張と不安であんまり眠れなかったけど今回は熟睡できた。…ありがとう美少女ちゃん。
さて時間もまだあるしゆっくりお風呂にでも入ろうかな。そう気分よく入ったら何かを踏んで転んだ…
頭打った!めっちゃ痛い!…そういえば昨日の夜ここにGフォン置いたっけ。はあ…
お風呂から上がり、ご飯を食べる。
それから武器のチェック。
うえぇ…鉈がなんかベトベトする…お風呂に放り込んだ。
拳銃も弾を詰めておかないと、…おお〜こうやって弾倉を出すのね。
あれこれやっているとものすごく汚れた…。お風呂入る前にやればよかった…
軽くシャワーを浴びて汚れを落とした。時間を見ると…AM8:49。結構時間経ってる、準備しないと。
鞄には食料と着替えを1着、Gフォン2つ、拳銃の弾が入っている。意外とかさばったため食料を減らした。
減らした分は食べようかと思ったけどここに置いて行くことにした。誰かがここを使うときに食べてくれると嬉しい。
さてそろそろ出ようかな。そう思っていると、
『やあ諸君おはよう。昨日は楽しんでくれたかな?…なんと今確認したが、セーフルームに閉じこもっていた愚か者がいたようだな…なんと嘆かわしい。』
相変わらず偉そうに喋る仮面のおっさんがモニターに映る。
『ふむ…やはりまだ諸君らの中に今の状況を正しく受け止めていない者がいるようだ。そこで、私から助言を与えよう。』
「助言?」
なんだろう、ちょっと気になる。はよ言えハゲ。
『君たちがいるフロアには様々な場所にコチラが用意した物資が隠されている。主に食料や武器、それとMカード君たちの記憶を取り戻すカードだ。』
Mカードも隠してあったんだ。ふーん本当に助言なのかな…
『もっとも、配置した物資には限りがある。当然食料や武器、Mカードもだ。これがどういう意味かわかるか?』
!こいつまさか!?
『そうとも、誰かに取られる前に確保しないと諸君らの記憶は戻らない。食料もそうだ、餓死はしたくなかろう?さてそうなると当然他者と争うことになるだろう。そうなると必要なのは何かな?』
「本当に…最悪…」
『そうとも武器だ!他者を屠り物資を奪うのだ!さあ物資は早い者勝ちだ!言い忘れていたが昨日すでにいくつかの物資は回収されているようだぞ?』
楽しそうに話すハゲに殺意が湧く…。こいつだけは絶対許さない。
『さあ諸君!争え!奪え!そして生き残るのだ!』
そうして3日目が始まった。
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