表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/112

5、『マジシャン』違い

 魔女っ娘ツインズに誘導され、転送魔法陣なる絨毯でまた違う場所に移動させられた。

 その後、メイドさんに、ホテルの1室みたいな部屋に案内され、ベッドに倒れ込む。

 今日は色々あったので、心身的に疲れた。



 ベッドにうつ伏せになり、先程のやり取りを思い出す。

 右手には先程渡された、


『スキル : コインマジック』


と書かれた紙。



手品師。

うん、マジシャン違いだな。



 確かに昔、会社の忘年会で数回、手品を披露したことがある。

 だけど、100円ショップで販売してるアイテムを使った簡単なマジックだ。

 手先は器用な方だけど、手品の知識なんて、その時見た入門書や、テレビで見た知識くらいのもの。


 部屋に置かれていた水差しから水を注ぎ、喉を潤す。


「まあ、しょうがないか。気持ちを切り替えて行こう」

 なってしまったものはしょうがない。プラスに考えよう。


 時々あるよね。弱いスキルだけど、頑張って育てたら、最強だったみたいな話。

 手品師ならば、もしかしたらそのうち手から火くらいは出せるかもしれない。そんなマジックを見たことがあった。

 ただ、攻撃火炎魔法までは行かないだろうし、さてどうしたものか。


 スキルを伝えられてから、頭にモヤがかかったようにボーッとしたままここまで来てしまったけど、水を飲んで少しやる気が出た。



 さてまずは、この世界を生き抜くために、現状把握と検証から始めようか。



まずはこの『手品師』のスキルから。

コインマジックか〜。


 左手のコインが右手に移るみたいな感じかな?

 とりあえず、財布から10円玉を取り出し、握りしめて念じてみた。


ん?


なんか左手が光ってる気がする。

 両手を開くと、右手に10円玉が移動していた。


おおっ!!成功したよっ!!


今度は右手に握りしめ、念じてみる。今度は右手が光っている気がする。そして、左手に10円が移動した。


全く、魔法っぽく無いが。


手品だし。


 いくつか試した結果として、『コイン』ならば成功した。


 続けて左手10円玉、右手100円玉の同時移動を試したが、これも成功した。コインが交換された結果だ。枚数も何枚でも移動ができた。


 回数を重ねても、魔力切れみたいなことにはならなそうだ。

 マジックポイントみたいな概念ではないのかな?

 それともコインの額面が影響するとか?


 しかし、1000円札やコップと水差しなどで試したが、これは何も起こらなかった。

 コインと紙幣の同時移動に挑むが、移動したのはコインだけ。


『スキル : コインマジック』


 コインじゃないと発動しないのだろう。カジノのコインでも可能なのだろう。

 スキルの詳細説明が欲しいな。


‥‥‥う~ん、

 この世界の魔物がどんな生物なのかわからないけど、確実にわかることが1つ。


 これで魔王を倒すのは無理ということ。スライムすら倒せない。

 弱いスキルだけど、頑張って育てたら、弱さは変わりませんの可能性が出てきた。

 これでは、戦いの異世界は生き抜けない。ってか、手品師って言う職業は、戦闘職ですら無いんだろう。


 戦闘系=✕、生産系=✕、補助系=✕、回復系=✕、楽しませる系=○


 昔やってたRPGのゲームの遊び人を思い出した。レベルが20になったら、賢者に転職出来るんです!

 しかしこの世界、レベルシステムも、転職システムも無さそうなんです!


 日本ならば、日曜日の駅前ロータリーで披露すれば、おひねりくらいは稼げるかもしれない。

 しかし、この世界で生きていく中で、大道芸で生計は立てられるものだろうか?


 住民が居るならば、娯楽は必要だろうからなんとか生きていけるかな?ただ、コインマジックだけでは?地味すぎる。

 住人の生活水準はどれくらいなんだろう。貴族とかがいるならば、最悪、娯楽要員として雇ってもらえないかな?


 勇者とは言っても、ある程度の知識チートがすでに実践されている世界。

 実績のない俺の履歴書は、特技欄の「なんと!コインが動かせます」だけ。


 うん。書類選考で落とされるレベルだわ。


 無理な場合は他の職を探すか、魔物がいる世界ならば、テンプレ的に冒険者ギルドなんかも存在しているかもしれない。


 どっちにしても、まずはこの世界の事をもっと知る必要があるなぁ‥‥‥




「気になる」「面白い」「続きが読みたい」と思われましたら、下の★★★★★をポチッと、お願いします

( ゜Д゜)ノ


誤字報告、感想などもも、ぜひお寄せください。




よろしくお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ