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7 エルフ系少女と町探索

町に戻ったシロは早速ステータスとスキルを確認することにした。

【ステータス】 

種族 エルフ 職業 魔法使い

 LV 2 →6  

SP10 → 0 

HP 50/50

MP 165/165 → 240/240 

VIT 0

STR 0

INT 12 → 22

AGI 0

DEX 0

DEF 0

LUK 0


【装備】

頭 なし

胴 なし

右手 なし

左手 なし

腰 なし

右足 なし

左足 なし

武器 【初心者用 魔法使いの渦巻杖】




[装飾品]

なし


【スキル】

【錬金】

【ノーコン】

【メビウススキル 魔王の願い 魔】



職業スキル

【魔法作成】


【メビウススキル 魔王の願い 魔】

願いとは呪いである

[スキル効果]

INT値4倍

INT値以外のステータス1/3

与える物理攻撃を半減する

[獲得条件]

一度に魔法で大多数のモンスターを同時に倒す。



「っていうと……INT値88になるのか……ここから装備を変えればさらに上がるってんだから素晴らしいね」

MP総量は735になっており、ただ気持ちよく魔法を撃っていただけのシロにとってこれは棚ボタのようなスキルだった。

デメリットについても魔法以外使う気はさらさらないので特に関係はなかった。


「となれば装備を整えなくちゃね」

シロは町の中にある装備屋を探すため、夜の町を回ることにした。



しばらく歩いているといい匂いがした。

その方向を見るとプレイヤーがやっている屋台を見つけた。


「おう! 嬢ちゃん魚の串焼き一本200ゴールドだ食ってくかい?」


「おじちゃん! 3本お願いします!」


「まいど。 あと俺はおじちゃんじゃねぇお兄さんだからな!」


10人中10人おじさんと答えるであろう。

串焼きもルナのくれたものより味は若干劣っているが香ばしさと匂いは段違いにこちらの方がよかった。



「ん? 何だろうこの音……」

串焼きを買ったあたりから目的を忘れている葵が串焼きを食べながら歩いているとどこからかシャランというような音がした。


「ふふ、面白そうなことがあったら行くしかないよね」

シロはその音の方に行くことにした。



シロが音の方向に行くとそこには神殿があり、入ると。

【クエスト 星幽の灯 を受注しますか?】

というログが出た。

シロ、初めてのクエストである。


「魔法陣みたいに設置された柱っていうことは……謎解きみたいだね」

真ん中の柱と意味ありげに置かれた6本の柱、それが関係していることはわかるがそれ以上は分からないのでとりあえず柱を細かく見ることにした。




しばらく見ていると3本の柱には何かが入りそうなくぼみがあり、ほかの柱には魔石が入っていた。

ここに魔石を入れて何かをするのだろう。

「入れられそうな魔石というと……赤青黄の3色魔石。 あらぴったり」

まさかのジャストフィットである。

入っていなかった柱に魔石を入れると6本の柱から中央の柱に向かって光が伸びていた。


「進んだ……かな?」

とりあえず、次の謎解きだと思われる中央の柱を調べることにした。



中央の柱にはさっきまでなかった手を置けるようなくぼみが多数できていた。


「手を乗せてくれと言わんばかりのくぼみだね。 まあ乗るけど」

あまりに簡単すぎる謎解きに不思議に思いながらもシロはそのくぼみに手を乗せた。


その瞬間手が外れなくなり何かが吸い取られるような感覚がした。

「減ってるのは……MP? 700ちょっとのMPが多いのか少ないのかはわからないけどもってけドロボー!」

柱はシロのMPをどんどん吸っていきとうとう残り100になった。


「そろそろやばい……?」

このゲームはMPが0の時に魔法を撃つなどしてマイナスになると死に戻る仕様なのでこのままだと町の中で死に戻るというとても恥ずかしいことになってしまう。

シロのMPはとうとう1桁になり……ちょうど0で手が柱から外れるようになった。


「あぶなかった……」

シロはMPが大きく減ったせいだと思われる倦怠感を回復させるためおじさんのところで買った魚の串焼きを食べてMPを回復することにした。


「さて……これで何かが起こるといいけど……」

このクエストの謎解きの簡単さは多分このMPを吸われることでバランスをとっているのだろう。


そしてMPをありったけ注ぎ込んだ中央の柱から6本の柱に注ぎこまれ、さっき魔石を入れた柱からは対応する色の光が、入れてないところからは白っぽい光が真っ暗な空に伸びていった。

しばらくするとその光が真ん中の柱に収束し、収まると、はめ込まれていた6つの魔石が違うものに変わっていた。


【クエスト 星幽の灯 を達成しました】

達成報酬

3000ゴールド

魔石作成の権利


「やった! 初クエストクリア!」

星幽の灯の達成報酬の魔石作成の権利というのも気になるがとりあえずは変わってしまった6つの魔石を調べることにした。

その魔石は外側が透明で中に銀色の炎のようなものが揺らめいていた。


【銀魔石】

星の力をため込んだ特殊な魔石

様々な効果をもたらす。


「これでこの魔石がMP600ちょっと消費して作れるってわけね…… コスパ悪すぎるでしょ……」

シロは重いだるさの中6個の銀魔石を持って町の中央まで戻ることにした。


「そもそも何で装備探そうとしてたのにこんなことになってるの?」

最後の最後で目的を思い出せたが、だるさにはあらがえず、さっさと中央まで戻ることにした葵だった。





ちょうど同時刻の現実世界、FM運営本部。

運営といってもバグ修正などはコンピュータがやっているので新要素の追加や迷惑プレイヤーの対応をするのが主な仕事だが。


「課長! 大変なことが起きました!」

とある男は上司に向かって思いっきり叫ぶ。


「何だ、騒々しい。 コンピュータが壊れたか?」


「いえ、星幽の灯がクリアされました」


「ほう、クリアされたか。 で、何でそれが大変なことなんだ?」


「このクエストは普通複数人で達成するのが前提なものでしたよね」


「ああ、MP735だっけか? それはなかなかの桁だからな。 装備込みでも今の最高クラスのプレイヤーが5人、平均的なプレイヤーで見ると10人くらい必要だったはずだが……もしかしてーもしかする?」


「はい、一人でクリアされました……」


「ちょっと画面見せろ。 誰だそのプレイヤーは」


「はい。 この銀髪のシロっていう女の子ですね」


「そういえばこいつスタンピードの時も頭角を現せてなかったか……?」


「確かに魔法を使ってぼんがぼんがと爆発させて少し話題になりましたね」


「よし、上位プレイヤーに追加でこの子も監視対象に入れておいてくれ」


「わっかりましたー」


「もしかしたら上位プレイヤーとは違った角度での広告塔になってくれるかもしれないからな……他は大丈夫だな?」


「はい。 一部の迷惑プレイヤーは町の草むしりリアルタイム1週間の刑にしてますんで」


「それでいい。 それじゃあ俺は持ち場に戻るぞ」


「課長ありがとうございました!」


「そういえば昼飯はどうする? 一緒に食うか?」


「あ、大丈夫です。 妻の弁当があるので」


「あ、うん……失礼したね」

心にダメージを負った課長であった。

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