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3 エルフ系少女とマイホーム

二人が森を駆け回ってシープカウを蹂躙していると、途中で面白いものを見つけた。


「なにあれ、普通のと3倍くらい毛の量ない?」


「お、運がいいね、あいつの肉はなかなか……さっさと狩ろう、シロ」


「オーケー」


【レストシープカウ】

LV 5


シープカウの特殊個体

普通のシープカウがさらに剛毛になり守りを入手したシープカウ。

そのせいか攻撃をする必要がなくなり、脂肪分をため込むようになった。



「【ファイヤーボール】!」

シロがファイヤーボールを打ち、それに並走してルナが近づく。

10体近くのシープカウを倒しているがそれが一番安定する倒し方になっていた。


「【斬月】!」

のんびりとあくびをしていたレストシープカウはそのまま光となって消えてしまい、その場所には肉が3つ落ちていた。


【レストシープカウの上肉】

ただでさえ柔らかいレストシープカウの肉の上位のもの

とてもおいしいが腐りやすい

消費期限 30分 残り29分


「シロ! 早く乗って!」


「え? うん!」

ルナはとてもせかしてガロに乗るよう促してきた。



ルナはガロを来た時の2倍近くの速度で森を走っていた。

町からここに来るまでにかかった時間は30分だが、このスピードなら10分もあればつくだろう。


「いやーごめんねシロ」


「それはいいんだけどそんなにレアなアイテムなの?」


「うん。 私もちょくちょくあそこで狩りしてるけどまだ1回しか食べたことがないんだ。 その分めちゃくちゃおいしいから」


「へぇ……」

シロはそのめちゃくちゃ美味しいという肉がとても楽しみになりながらガロの背中にまたがっていた。

因みにもふもふは健在だった。



二人はガロにのって町まで戻っていた。

かかった時間は大体10分、消費期限にはまだまだ余裕があるだろう。


「……まあシロならいいか」

ルナは何か考えるように険しい顔をしていた。

何か隠しておきたいことがあるらしい。


「どうしたの?」


「ちょっと手つないでてね」

シロはルナの手をつなぐと咲希は半透明の鍵を取り出し鍵穴にさし回す動作を空中で行った。

そうすると二人は手をつないだまま海岸に飛ばされていた。


「えーっと……ここは?」


「ここは私のマイルーム、ガロもほらそこに」

ルナが指をさした方を見るとパラソルの上であくびをしたガロがいた。


「じゃあシロ、肉頂戴。 調理しちゃうから」


「はい。 おいしいの頼むね」


「もちろん! 調理中はマイルームの中でも回ってて」


「うん」



シロはルナのマイホームを見て回ることにした。

ルナのマイホームは水上コテージのような感じで、ハワイとかにあるホテルのような感じだった。

というより家以外にもガロがくつろいでいる砂浜があり、マイルームというよりはマイエリアという方が正しい気が葵はしていた。


「ほへぇ……あ、魚だ」


シロはコテージについていた階段から海に降り、魚を追いかけることにした。

案の定だがAGI0のシロでは魚に追いつくことはできなかった。

まあAGIがいっぱいあっても追いつけるかは知らないが。



シロが海で顔を付けていたりしているとルナの声がした。

「シロー、できたよー」

どうやら料理ができたらしい。

心なしかいい匂いがしていた。



「ほぉ……これが……」

目の前に出されたのはどこぞの高級レストランで出てくるようなステーキだった。


【レストシープカウの上ステーキ】

レストシープカウの上肉を豪快に焼いたもの


[食事効果]

空腹度 大きく回復

HP上限+50

STR値+13



「それじゃあいただきます……何これ! すっごくおいしい!」

レストシープカウの肉はシープカウが普通の牛肉と羊肉だとすればこっちは高級和牛と高級ラム肉を合わせたような味だろう。

よく高級和牛は噛むと溶けるというがこの肉は程よい硬さで噛めば噛むほど味があふれてきた。


「でっしょー! やっぱりこういういい肉はステーキが一番いいよね……うん、これ無限に食べられそう……」


『ガウ!』

ガロにも出されていたが葵がみた中では一番の笑顔で肉をむさぼっていた。



「でもさ、この料理のバフすごいのに何で攻略組は調理スキルを必要としてないんだろうね」

シロはステーキを食べ終わった後に聞きたかったことを聞いてみた。

このレベルのバフならば攻略組にも需要がありそうなものだが。


「このレベルのバフをつけようとするとすっごいレア度の高い食材が必要になるからだね。 レア度の高い食材はすぐに調理しないと腐った肉になっちゃうし」


「そうなんだ……」


「このゲームの料理っておいしいのが多いからゲームを楽しみたいなら最っ高のスキルだと思うんだけどね~」


「確かに」



「そういえばルナ、ここってどうやれば行けるようになるの?」


「ここってマイホームのこと?」


「そうそう」

シロもこの空間に興味がわき、聞いてみることにした。


「一番早いのは洞窟ダンジョンに行って材料を取ってきてそれを錬金スキルでクリスタルキーにすることかな。 あ! 錬金スキルはシロもとっておいた方がいいんじゃない? 魔法の属性を決めるための魔石も錬金で作れるし」

ルナは思い出したかのようにシロに言ってきた。

シロからすれば魔法の原材料というだけですさまじい興味をひかれていた。


「ルナ! その錬金スキルの取り方教えて!」

葵はスキル【ノーコン】を取った時のように特殊な行動をとる必要があると思っていたが、思ったより簡単な方法でスキルを取ることができるらしい。


「町でスキルロールが売ってるところあるからここから出たら案内するね」


「それなら早速行こうよ!」

シロはルナにせかさせる。


「ふふ、本当にシロって竹を割ったような性格してるよね。 よし、それじゃあ行きますか」


「おー!」

二人は来るときと同じ動作をして町に戻ることにした。

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