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19 エルフ系少女とダンジョンボス

「お、またドロップ品だ」

シロとルナは【核撃 メルトダウン】で熱消毒された道を進んでいった。

道には所どころにゾンビの物らしきドロップ品が転がっており、ゾンビ本体とは会うことはなかった。


「普通だったら狭いところの戦闘に苦労するはずのダンジョンなんだろうけど流石に拍子抜けだね」

これを提案した本人がそんなことを呟く。


「ルナがこの方法を提案しなければこうもならなかったでしょうに」


「だってしょうがないじゃん。 私、火と光のスキルはないし。 最適解最適解」

るんるんとした様子で言う。


「まあ楽なのはいいことだと思うけどね?」


「そうでしょ? ほら、もう最終地点までついちゃった」

二人で落ちているドロップ品を広いながら話していただけだがいつのまにかたどり着いていたらしく、目の前には遺跡風の扉があった。



扉を開けたその奥には檻があり、その中にクリスタルでできたスフィンクスの置物があった。

そして、それを守るように2体の人型が下を向いていた。

二人が扉の中に踏み込むと扉は勢いよく閉まり、前にいるシロとルナの姿をしたゴーレムが動き出した。


【コピーゴーレム】

LV9


遺跡を守るために設置されたゴーレム。

侵入者の姿をマネる。


「【ファイヤーボール】」

偽物のシロが魔法を発動させると同時にルナが前進する。


「シロ! 私の偽物は任せたよ! 本物のシロの魔法はそんなしょぼい威力じゃない! 【雷装斬月】!」

本物のルナが偽物の撃った【ファイヤーボール】をするりと避け、偽物に技を切りつけた。


「流石に本物よりかは遅いみたいだね! 【サンダーブレス】!」

シロもルナの偽物が接近する前に倒してしまう。

流石に本物のシロの魔法の威力である。

魔法が当たり、1秒も立たずに塵になってしまった。


2体のゴーレムが倒されたことにより、檻は消え、魔法陣が起動していた。


「お疲れシロ。 流石の威力だね。 耐久は本物同然に設定されてるらしいのにこんな簡単に溶かすとは……」


「ていうことはボクの耐久は紙同然ってことだね。 だからといってVITやDEFに降る気は微塵もないけど」


「シロらしいや。 それじゃ、あの檻もなくなってるしあの像持って戻ろうか」


「そうだね」


二人はクリスタル制の像を持って魔法陣に乗り、パズル部屋まで戻ることにした。



「それじゃあ乗せるよ」


「いいよー」

ルナは早速クリスタルの像を台座に乗せた。

そうすると、台座は回りながら地面に潜っていき、潜りきると同時に中央の壁が開き、その奥には紫色の魔法陣があった。


「ボス戦だね……」


「まあ何とかなるでしょ。 ボクのMPも回復してるし」


「そうだね。 それじゃあ行こうか!」

二人は魔法陣の上に乗り、ボス部屋まで飛ばされていた。



飛ばされたシロの前にはルナそっくりのゴーレムが立っていた。


「またそっくりなタイプのモンスターか……ルナ、どういう風に倒す……ルナ?」

今、シロの隣にルナはいなかった。


【ハイコピーゴーレム】

LV 15


遺跡の最終防衛者

対象者を完全にマネ、侵入者を排除する。


つまりシロとルナとのタイマンということになっていた。

もちろんシロはルナと戦ったことはない。

ずっと隠している装備のこともあり、ルナの力は未知数だった。

つまり苦戦は免れない。


そうこう考えているとマントを付けたまま偽物が向かってきた。

性能は説明文の通りだが、流石にガロまでは真似できないようだ。


「【斬月】」


「うわぁ!」

偽物が放った【斬月】を転がるようにして回避する。

前に戦ったゴーレムで自分の紙耐久とルナの攻撃力は理解しているからである。


転がるように回避したシロは偽物のルナと再び向き合う。

「ボクの友達の姿を勝手に使うなぁ! 【サンダーブレス】!」


「【斬月】」

偽物のルナは【サンダーブレス】を軽々と避け、【斬月】をシロの脇腹に直撃させた。



一方、ルナもシロの偽物と対峙していた。

「まあ予想はついていたけどね。 運営も趣味が悪いや」


「【ファイヤーボール】」


「おっと。 どうやら魔法も本物と同じ威力があるのか。 これはガロは召喚できなそうだなぁ」

シロの範囲魔法でガロは軽々と屠られてしまうためこれからのことも考えると召喚は得策ではなかった。


「そうなるとまずは接近しなきゃなぁ。 でもどうやってガロを召喚せずに近づけって言うのさ」

あきれた様子でルナは言う。



そうしてしばらく偽物が放つファイヤーボールをよけていると、とうとう弾幕が止んだ。

そうしてチャンスとばかりに近づいたがルナはとんでもない物を見てしまった。


「まさか使う魔法までコピーするとは…… 流石にあれはまずい!」

近づいたルナが見たのは杖の先にある赤い大きな魔法陣だった。

ルナの記憶が正しければそれはシロが【核撃 メルトダウン】を使うときに杖の先にできる魔法陣と酷似していた。

「【核撃 メルトダウン】」


偽物のシロは無慈悲なまでの超高火力魔法をルナに直撃させた。

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