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18 エルフ系少女と砂漠のダンジョン

「「……」」

早速サソリのところについた二人はサソリだと思っていたものを見て絶句していた。

シロがサソリだと思っていたものはスフィンクス型のダンジョンだったのである。

つまりシロが敵だと思って魔法を撃っていたものはただの建造物だったわけで……


「ま、まあよかったじゃん! ダンジョンが見つかってさ!」

シロはごまかすように言う。


「まあ確かにそう捉えれば都合がいいのかな……?」


「うん! そうだよ! それじゃあポイント回収しにダンジョン探索に行こ?」

とりあえず逃げ道を塞ぐ。


「うん! イベント初ダンジョンだから気を引き締めていこう!」


「おー」

二人はスフィンクスの股下から下に続く階段を下りていきダンジョン内部に入っていった。

余談だがシロはルナの気を紛らわすことができたので無い胸をなでおろしていた。



「【サンダーブレス】!」


「【斬月】!」

ダンジョン内は古代遺跡のようになっており、柱を除けばかなり広い空間になっていた。

敵もマネキンのようなゴーレム型のモンスターでそこまで強くないのは幸いだった。

それだけならばよかったのだが。


「何こいつら、ところどころに私たちと同じ見た目のがいるんだけど! 【雷装斬月】!」


「だけど所々違うのが幸いしたね。 【サンダーブレス】!」

現れるマネキンたちに時折シロとルナの見た目をしたものが混ざっていた。

だがシロが大剣を振りかざしていたり、ルナが拳闘を使っていたりと、普通ではありえない組み合わせで来ていたので特に困ることはなかった。



しばらく進んでいると小部屋にたどり着いた。

そして二人の目の前には何かを置いてくれと言わんばかりの台座が1つとスライドパズルのついたテーブルがあった。

「緑に光っている球が一つと何もついていない球が1つ……シロ、任した」


「了解。 ルナっていろんなゲーム得意だけどパズル系は苦手だよね」

シロと比べれば数倍はゲーマーだろう。


「私から言わせてもらえば普段『爆発だぁー』とか『ふっとベー』とか言ってるのに脳筋じゃないっていうのが驚きなんだけど」


「まあボクも好きってだけだしね…… あれ、結構難しいな……」


「それじゃあこのピースをこっちに動かせば……」

立往生していたシロがいじっているピースをルナが動かすと、緑の光がつながり別の光っていない球の一つに光が灯った。

そうすると、二人から見て右の扉が開いた。


「ねぇ、ボクのいいところ取らないでよ」


「まあこういうのって初心者の方が意外といい手があったりするからね。 シロみたいに」


「まあいいんだけどさぁ」

ふてくされながらも二人は開いた扉の方に進んでいった。



扉の向こうは前のクモダンジョンのような狭い道が続く場所だった。


「うぅ……クモはいないよね?」

ルナが怯えてシロの背中をつかむ。


「流石にいないでしょ…… ほらここはああいうタイプのモンスターらしいから」

二人の前からはゾンビの軍勢が前から進軍してきていた。


「へぇ……ここのモンスターはゾンビとかなんだぁ……私ああいうのを倒す手段がないんだけどどうする?」

とんでもない爆弾発言である。


【ゾンビ】

Lv 5


アンデットの代表格

火属性と光属性でのみダメージを与えられる。


「ボクの魔法も巻き込まれるから使えないでしょ……」

つまり倒す手段がないということである。


二人は顔を見合わせ、そして。

「シロ! さっきのパズルのところまで戻るよ!」

ルナがシロの首根っこを掴み、全速力でパズルのところまで走っていった。

流石にガロよりかは遅かったが、それでも首を掴まれて引きずられるのはなかなかに怖かった。



「で、どうするの? このダンジョンから抜ける?」

パズル部屋まで戻ったシロとルナは相談をする。


「いや、流石にもったいない…… そうだ。 いいこと思いついた」

シロはすごく悪い顔でルナの腕を掴んでいた。


シロの考えた事とは、【核撃 メルトダウン】をパズル部屋から廊下撃ち、打ち込んだ直後に扉を閉め、部屋中を熱消毒してしまおうということだった。


「結構むごいこと考えるね……」


「そう? 正規攻略法……というわけにはいかないけどまあありでしょ」


「大丈夫ならいいんだけどさ」

しっかりと確認を取る。

扉から次の曲がり角は少し長いとはいえタイミングを誤ればそのまま巻き込まれることになるのだ。


「オッケー! こっちは大丈夫だよ!」

ルナはパズルのピースに手をかける。


「【核撃 メルトダウン】!」


「ここ!」

シロの撃った火球が扉を超えるのを見たルナはそのまま扉を閉める。

しばらくすると、扉の向こうからすさまじい轟音が轟いた。

幸い、扉が壊れるということはなかった。



「うーん……いい音……」


「シロってこういう時すっごいいい顔するよね」


「だってああいう音ってすっごくいいじゃん! こう脳底に響く振動がなんとも言えない……」

嬉々とした顔でルナに接近する。


「わかったわかったって。 音も聞こえなくなったし行こうよ!」


「むー、また今度ゆっくりと説明するからね」

はぐらかされて若干不満ではあるが、また扉を開け、先に進んでいった。

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