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16 エルフ系少女とルナの天敵

このダンジョンは道は狭かったが1本道で意外とスムーズに最深部に行くことができた。

シロ自体のAGIが低く、それにルナが電車ごっこ状態でついて行ってるので早いとはいいがたいが。


「ルナ、着いたよ。 鍵持ってるのはルナだから解除してきて」

目の前にあるのは大きめの鉄扉があった。


「うんわかった……すぐに魔法撃てるように準備しておいてね!」


「もちろん!」

ルナは恐る恐る扉の鍵を外した。

その奥にあるのは紫色の魔法陣だった。


「やった……もうすぐ終わる…… シロ! 早く進もう!」

もうすぐ終わる希望が見えたルナはすぐさま魔法陣の上に乗った。

だがダンジョンの最深部、すなわちボスである。

「いいけど……うーん」

シロの不安を背に二人は宝物殿に進んでいった。



「あった! あったよ! クエスト目的のアイテム!」


「あ、ちょっと待ってよ!」

魔法陣の先は天井の高い大広間で金貨などが乱雑に転がっていた。

もちろん拾えなかったことは言うまでもない。

懸念だったボスの姿は見当たらなかった。


「帰りは魔法陣があるからだいじょ……あれ、無い……」

案の定、上からはカサカサとしたクモの歩く音が聞こえていた。


『キシャー!!!』


【キングスパイダー】

LV17

クモの親玉的存在。

多数のクモを従える。


「あ……」

2トントラックサイズのクモとルナの目が合った瞬間、シロには切れちゃいけない糸が切れる音がが聞こえた気がした。

かなりやばい状態である。

クモではなくルナが、だが。


「シロ! 何でもいいから早くこいつを吹き飛ばして!」

必死の形相で訴えてきた。

今にも泣きそうである。


「でも巻き込む……」

何でもいいということは【核撃 メルトダウン】を使ってもいいということだ。

だがルナからは巻き込む恐れがあるからやめてほしいという話だった。


「そんなのどうでもいいから早く吹き飛ばして!」

ルナはもう限界のようだ。


「もし巻き込まれても知らないからね! 【核撃 メルトダウン】!」

キングスパイダーに直撃した魔法は大爆発を起こし天井にへばりついていた子グモをすべて爆発に巻き込んだ。

そしてギリギリではあったがルナもシロも巻き込まれずに済んだ。





「ふぅ……やっぱり魔法はこれに限る…… そっちは……大丈夫そうだね」

シロはすっきりした顔で確認をとるがシロの目には帰りようの魔法陣が起動したことに感動しているルナがいた。

ルナはギリギリ何とかなったようだ。


「うん。 大丈夫……宝箱の中身は見ないでシロのストレージにまとめて後で見せて……私疲れた……」


宝箱の中身は宝物殿ということもあってか8つの金塊が入っていた。

多少のクモ素材も入っていたがルナに見せれば発狂間違いなしである。


「シロ確認済んだら早く帰ろ!」


「わかったわかったって」

アイテムをすべてストレージに入れたシロは即座に魔法陣に乗り込み地下倉庫入り口に戻ってきていた。


二人が地下倉庫前から出るとバトラーがピシッと立っていた。

「お疲れ様です。 シロ様ルナ様。 杯を持ってきてくださり感謝いたします。 こちらが報酬です」


【クエスト 貴族の尻ぬぐいを達成しました】

報酬

4万ゴールド

スキルロール 剛刃


【スキル 剛刃】

武器が壊れにくくなる。 

切れ味が上がる。


[獲得条件]

クエスト報酬


「バトラーさんありがとうございます」

貴族らしいお金が多い報酬だった。

スキルだけはシロはあまり使い道のないものだたが。


「いえいえ。 私どもは契約に基づいたまででございます。 それとシロ様、どうやら杖が寿命の様子。 同じものではありますがこちらもおまけしましょう」


「ありがとうございます!」

前の杖を見ると今度もまた損傷していた。

装備の次は杖を新しくしないといけないようだ。



「それでルナ。 もうクモはいないけど?」

バトラーがどこかに消えた後、隣で体操座りをしているルナに声をかけた。


「よかった。 本当に良かった。 やっと終わった…… うん。 ごめんねシロもう大丈夫」

ルナは立ち上がった後、水を飲み屋敷の外に出てガロを召喚した。


「乗って。 帰る前に少しよっていきたいところがあるから」


「うんいいけど宝箱の中身はどうするの?」


「それも後でおねがい……」


二人はガロに乗り海沿いを突き進んでいった。



しばらく進んでいると砂浜から岩場に変わっていった。

「よし。 周りにはいないね」

ルナは周りを確認すると地面に手のひらを当てた。

そうすると岩場に海の方に進む階段ができていた。


「これは?」


「私のおすすめの場所。 さっきのクエストの前提をクリアするときに見つけたんだ。 名前は〈海洋の喫茶店〉 安い上に人もいないから休むにはもってこいの場所だよ」

そう説明し、シロの手を引っ張って階段を下りて行った。



「すっごーい……」

シロはルナに引かれるまま席に座った。

席の周りは海のドームになっており、様々な生き物が泳いでいる幻想空間となっていた。


「もう今回は私のおごりでいいからなんか頼んどいて」


「それじゃあ遠慮なく……」

シロはリアルでのお返しとばかりに飲み物を2つとケーキを大量に頼むことにした。



「なんかすっごいデジャヴを感じるんだけどさ、シロ心当たりはない?」

今、二人のテーブルにはシロの頼んだケーキが山のように積まれてあった。


「いやお昼ご飯の仕返しなんかじゃないからね?」

もはや答えである。


「残念でした。 こっちでどんなに注文しても現実の財布にダメージはない上にさっきのクエスト報酬で結構潤ってるからそんなに痛くはないんだなぁ」

ルナはどや顔でシロに言った。


「それなら別に大丈夫だよね。 さっきのクモも大変だったしどんどん食べようよ」


「うん! さてどれから食べようか……」

二人はケーキバイキング並みの量になっているケーキをどんどんと食べ進めていった。



ケーキを食べている途中に宝箱の中身について話し合い、シロはクモ素材と金塊4つ、ルナは金塊4つだけとなった。

ルナ曰く「クモの素材とか死んでも嫌」とのこと。


「結構多かったねルナ」


「流石に頼みすぎだって……2万行っちゃったよ」


「ごめんごめん」


「まあいいけどさ。 それじゃあイベントは一緒に頑張ろうね」


「もちろん! ボク頑張るよ!」


「その意気その意気」

喫茶店から出た二人はガロに乗り、町に戻っていった。

途中でまた喫茶店に行きたいと言ったら

「一回入ったから次は私なしでも行けるよ」

とのことなのでイベントが終わったらまた行くことにした。


そして町に戻った二人は明日のイベントの準備をするため別れることになった。





シロはステータス調整と魔法を作るためにマイルームに来ていた


【ステータス】 

種族 エルフ 職業 魔法使い

 LV 6 →14  

SP14 → 0 

HP 50/50

MP 240/240 →  3855/3855

VIT 0

STR 0

INT 22 → 36(+90)

AGI 0

DEX 0

DEF 0

LUK 0


【装備】

一式装備 【ナジュムアブル】

武器 【初心者用 魔法使いの渦巻杖】




[装飾品]

なし


【スキル】

【錬金】

【ノーコン】

【メビウススキル 魔王の願い 魔】



職業スキル

【魔法作成】


MPが3000を超えて4000に近い数字になっていた。

流石にほかの平均を知らないシロもこのあたりになると流石に多いと思うようになっていた。


「ステータスは万全だから後は魔法だね。 【魔法作成】」

シロはストレージから銀魔石を取り出した。

シロは来るイベントのため、銀魔石を魔法作成に使うことにした。

組み合わせはもちろん銀魔石と核撃である。


その組み合わせで魔法を作ろうとしたシロはとんでもないことに気が付いてしまった。

「あれ……魔法形式の枠が2枠になってる……?」

確認のため銀魔石を2つにしてみた。

結果は枠が3つに増えていた。


つまりそういうことである。

「銀魔石6で核撃7つ……まあそう都合よくはいかないかぁ。 しょうがない6つ積みで【魔法構築】!」

流石に7つも積まれてはまずいのか6つまでしか増えることはなかった。

それでも核撃6つ積みは脳筋といってもいいのだが。


「そういえば名前…… 【ファイヤーボール・爆】みたいにもとになる魔法があるわけじゃないから……自動命名かな」

そうして出来上がった魔法の名前は【氷星 イベルンメイデン】だった。


「魔法の効果は……辺り一帯を凍らせる?」

 こういう時は試し打ちが一番、ほとんど何もない場所だが撃つことにした。

結果は銀魔石6つに相応しい超範囲。

威力までは読めないが、とりあえず凄まじいことは分かった。




一通りの準備を終えたシロがあとできる準備はアイテムの補充と限界までのレベリングである。

イベントでルナの足を引っ張らないように準備は万全にしておきたいシロだった。

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