表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/24

10 エルフ系少女とリトラの洞窟

「あ、二人ともついたみたいね」

二人が東門につくよりも先にコハクはついていたらしい。

そしてコハクの隣には店の中にいた人が立っていた。


「そちらの方は?」

ルナが質問するとコハクが答える前に隣の男の人が自己紹介を始めてた。


「俺はカリス。 ギルド【ユグドラシル】のギルドマスターをやっている。 暇つぶしで参加することになった。 まあよろしく」


「カリス、あなた副マスじゃなかったかしら」

コハクが突っ込みを入れる。

突っ込まれたカリスは若干の苦笑いを浮かべていた。


「まあその辺は色々と事情が絡むんだがギルメン以外には教えられないな。 コハク、これで勧誘3回目だぞ。 そろそろ折れてくれてもいいと思うんだが」


「私は浮草のようなプレイがしたいから嫌よ。 それじゃあ出発しましょうか」


「おう」


「わかりました」


「はい!」



ルナとシロはガロに乗って移動していた。

かなりのスピードで走っていたはずだがコハクとカリスはぴったりと横付けして走っていた。


「ねえルナ、【ユグドラシル】ってどういうギルドなの?」


「えっとね……」


ルナが説明してくれた分にはギルド【ユグドラシル】はFM内最大のギルドで所属人数は200人前後。

今FMでギルドホームを持っている唯一のギルドとのこと。

北欧神話をモチーフにしており、ギルド上位の神の座を200人が奪い合うというなかなかに好戦的なギルドということらしい。


「こういうゲームにおいて数は正義みたいなところもあるからね」


「へぇ……っていうことはあのカリスって人も強いの?」


「副マスだからね。 多分相当強いよ。 私もちょくちょくコハクさんのお店で会ってたけどまさかね……」

ルナはそういい苦笑いを浮かべた。



山のふもとのダンジョンについた4人は早速洞窟を探索することにした。

のだが


「コハクさん。 やることないですね」

今現状、ルナとカリスが前に出てモンスターを倒し、コハクとシロはガロに乗ってついていくことになっていた。


「しょうがないわよ。 上位プレイヤーが2人で殲滅してるんだもの。 シロちゃんも魔法撃ってくれば? どんなのか見たいし」


「外しそうなのと二人がすぐに倒しちゃうので大丈夫です」

【ファイヤーボール・爆】ならば外さないがいかんせん範囲が広すぎて進行方向を火の海に変えてしまう恐れがあった。

シロはこういうところでも対応できるような魔法を作ろうと思ったのだった。


「【炎突】!」


「【斬月】!」

二人の方を見ると出てきたモンスターを即座に二人が倒すという布陣が出来上がっていた。


「どうした二人ともこっちを見て。 あー、そうか、暇なのはわかるが申し訳ないな」

そんなことを話していると二人がシロの方に戻ってきた。


「別にいいわよ。 これが一番早いのは理解しているし」


「このダンジョンは一体一体が強いタイプのダンジョンだからね。 あと少しでボス戦だからこのまま進もうと思ってるけど」


「あら、流石に早いわね。 確かにボス戦なら私とシロちゃんの出番もあるでしょうしさっさと行きましょ」

そういうとルナとカリスはまた前に行き、モンスターを倒しながら進んでいった。



そしてついたのは最深部。

そこには重そうな両開きの扉があった。


「それじゃあ開けるがいいか?」

カリスが全員に確認を取る。


「準備は万端よ」


「はい!」


「行きましょう!」

全員は元気よく返事をする。

カリスは返事を聞くと力を込めて扉を開けた。

ギギギと油の足りないあまり好ましくない音を発し、全員が入ると勢いよく扉が閉まった。


「ひゃ!」


「最初はしょうがないわよねこれ」


「初見は大体びっくりするよね。 わかるよーシロ」


「おい、お前ら一応ボス戦ってことをだな……いたぞ」

ルナとコハクの雑談をとぎるようにカリスが話す。

カリスがにらんでいる方を見ると一匹の真っ黒な竜が大きないびきをかいて眠っていた。


「あれが……ボス? にしては威厳っぽいものがないんだけども……」


「あいつは一撃与えると起きるんだ。 起きた状態だとなかなかに強いから1発目で大きく減らせなければまあ苦戦は免れないな。 みんな! 俺の合図で畳みかけたいと思ってるんだがいいか?」

シロの呟きを聞いたカリスはその答えと解決法を言う。


「ええ、大丈夫よ」


「さっさとやっちゃいましょう。 ガロもお願いね」


『ガウ!』


「ボクの魔法で塵にしてやりますよ」


「満場一致だなじゃあ行くぞ! せーのっ!」

カリスがタイミングを合わせそして、


「【ファイヤーボール・爆】!」


「【ガロ 斬爪】 【雷装月弧】!」


「【チェインボム】!」


「【グングニル】!」

真っ黒なドラゴンに4人が攻撃を畳みかけた。

爆発や閃光、雷が入り乱れ地獄絵図になっていた。

そして、それが収まるとHPが半分くらいになっているドラゴンが威風堂々とした趣でこちらを見ていた。


【ドラゴン リトラ】

LV 20


ダンジョンを守備する真っ黒なドラゴン。

普段はおとなしいが怒ると手が付けられなくなる。


戦闘が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 結構面白そうなので期待してます
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ