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はいぼく

作者: しゅばるつ

勝つことは当然である。

その答えは事実であり、だからこそ毎回聞かれる。


勝つ為に行う事とは負けない事である。

何よりも簡単である故に毎回そう伝えるが、何故か理解された事は無い。


向こうが不思議そうな顔をし、こちらも不思議な物を見る目を返す。

いつもの事だ。

何故勝てないのか?それは負けるからであり勝てば負ける事は無いだけである。

よくわからない理屈をこねる必要などあるのだろうかと常に思う。


常に思うが勝ち続ける私が居て敗北する者が居る。

結果が常に双方の理解を遠ざけるのだと思う。


勝ち、勝利し、敗北させ先へと進む。

そんな事をただただ続けてきた。

私にとり勝つ事とは只の作業である。


作業により残るのは勝利という結果だけであるので、皆が何故こんな単純な作業をしないのか。

実はこの作業に飽きてしまっているだけではないのかなどと愚考するだけである。

実は皆勝利に飽きていて、このつまらない作業を続ける私を陰で嘲笑っているのではないかなどと考える。








ある日突然にそれは来た。


どうにかなるかもと思った。やれる事があるのに見逃していただけなのではないかと思った。手を振り回せば、あるいは泣き叫べば振り払えるのではないかと考えた。

どうにもならない事だと遂に悟ってしまった。悟るとは崇高な行為では無い事を知ってしまった。

いやだ、いやだ、いやだ、だめだ、だめだ、だめだ、まだだめだ、まだもう少し、ここではない、これではない、そんなはずはない!



ああ、ああ、そんな!

後悔は出来たが猶予などなく飲み込まれ、ただあらゆる何故だけが残ったのだ。

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