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【書籍発売中】悪役令嬢なんてもうちょい若い子に任せたい  作者: そらいろさとり
高等部 一年生編

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包囲網は完璧でした。


扉を開けると戦場だった。


なのでとりあえず閉めた。



「いらっしゃいユリエルくん?来てくれてありがとう。とても助かるよ」


閉めたはずの扉が開いて、麗しの生徒会長様が現れた。


「シルっくんも姫さんも遠慮せんと入って手伝ってくれてええんやでぇ〜」


お世話になってるロットさんも現れた。



  共に戦う

 》逃げる




2人に囲まれた。


ユリエルは逃げられない!


手に資料を渡された。


ユリエルは逃げられない!!









「えっと…こちらの確認お願いいたしますわ」

なんとかまとめ上げた書類をレイさんに渡す。


「ありがとう。申し訳ないね。正直本当に助かっているよ。この時期は兎に角忙しくてね。ユリエルくんにアベイルくんを紹介して貰っていなかったらどうなってたかとか…」


アベイルさんは掃除の会の為の1か月の予定が、そのままこの2人にがっつり捕まって、もう生徒会役員状態になっている。気がつけば生徒会室に専用の机と椅子まで用意されてたしね。

わたしも申し訳なくて掃除の会の予定もない時期も引き続きお手伝いに来ているのだけど、今日見たら本当にみんな疲れてるのが見て取れた。



「本来なら最低あと2人、副会長と書記が居る予定なのだけど、今年は事情で仕方ないとはいえ本当に手が足りなくてね」


レイさんは渡した依頼書を見ながら苦笑いを浮かべる。


普段からの生徒会の仕事に、掃除の会の準備、なにより『学園魔力祭』の準備に追われている。


魔力祭は学園のコロシアムで行われるが、当然魔力を使うので見学人に怪我の無いよう、外部の魔導士の方々へ依頼し観客席にガードを張ってもらったり、万一大怪我した時の為に教会の白魔法士も呼び、控えて貰う。


その辺りの依頼から顔合わせの調整…その他ほぼ全てを例年生徒会が担っているという。


こちらとしては生徒会や、魔力祭に出る子達は外部の人間との卒業した後にも顔つなぎにもなるし、相手からしたら有望な若者を見れるし、メリットも互いにあるが、兎に角忙しい。



「レイさんは出られませんの?」


そう言えばこの前ロイさんが魔力の使い方を褒めてたなと思って聞いてみるが、「今年は時間もないしね。出ないんだ」と苦笑いされてしまう。


「姉さん、レイさんは去年優勝されてるよ」

「まぁ!そうでしたの?」


驚いて見れば、先程渡したものをファイルに閉じ、「うん、ユリエルくんのこれは問題ないから預からせて貰うよ」そう言って、もうとっくに冷めた紅茶を口に運んだ。


「一応ね。その前の年の優勝者が生徒会に入って忙しかったらしくて不参加でね。運が良かっただけだよ」


「それは運だけではございませんわ。ご自身の努力をご自身でそのように言ってはなりませんわ?」


ちょっと驚いた顔をされて「ありがとう」と微笑まれる。後ろに薔薇が咲いてる!!白薔薇!!キラッキラして眩しいわ!

レイさんはふと視線を移し、シルクを見る。


「ユリエルくんとアベイルくんは今年入学だから出ないにしても、シルクくんは?君は出ないのかい?」


「僕は出ませんよ。ロイさんも出られますしね」

計算に向かい合いながら、至極当然とばかりに応える。


「う〜ん、そうか。残念。君達の対決も見てみたかったのだけどね。しかし3年のあの人も今年は最後だし出るのだろうね」


「せやな。去年レイに負けて、2年連続2位やしなぁ。」


区切りが少しついたのか、ロットさんも伸びをしながら会話に入ってきた。


「忙しくてこちらには来れないだろうし、ロイくんに私たちも応援してる、頑張って欲しいと伝えてくれるかい?」


「勿論ですわ!」



ちなみにそんな会話をしている時、アベイルさんは漫画みたいに積まれた資料と格闘してて、会話する余裕も無いみたい。

とりあえず心でごめんなさいと謝らせて貰います。いやホント、マジでごめんなさい。

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『悪役令嬢なんてもうちょい若い子に任せたい』

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どうかご自宅にお迎えいただけると嬉しいです!
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