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せーいふく!せーいふく!(ユリエルダーツを狙う)




「ん・ふふ、ん・ふふ〜♪」


「なんなの…?その気持ち悪い笑い方」


東屋でミラさんとシルクの食堂のテイクアウト待ち中。

無意識にも足をぷらぷらさせながら思わず出た鼻歌兼笑い声に、ミラさんがジトッとした嫌そうな顔を向けられる。


「てゆーかシルク様に食事運んでもらって申し訳ないわ。アタシが行くべきじゃない?」


「大丈夫よ!シルクは食事運ぶの慣れたものよ!」


オールオッケー!と、ウインクして親指立てる!


「…いや、両目瞑ってどうしたの?」

「…やっぱ出来てなかったしら…ウインク…」

「ウインクだったの?」


……パチン☆


「いや…出来てないから。両目瞑っちゃってるから」

「なかなか難解ね。練習しても出来ないのよ、可愛くウインクしたいのに」

「なんで?」


頬に手を当ててもう一度やってみるけど、やっぱり目の前が暗くなる。


「…皆さんやり方教えてくれなくて、自分で努力するしかないのよね」

「なんの話?」

「ミラさんは出来ますの?」

「会話が成りたたないわ…シルク様早く来ないかしら…」

「悪いねミラさん。姉さんウインク出来ないのを前に生徒会室で話題になってね、それでずっとこっそり練習してるんだけど、やっぱり出来ないんだよ」

「と、ゆー話なのよ!」


サンドイッチを運んでくれたシルクが説明してくれたソレに乗れば「アンタが甘やかすからこうなったんじゃないの!!?」と、思わずツッコみ慌てるミラさん。


「シルク、ミラさん可愛いでしょ?」

「そうだね姉さん」

「あぁ…もう…なんかもう疲れたわ…普段誰が纏めてんのこの会話」


「ここにおったんか」


頭抱えてるミラさんの後ろから、ロットさんがちょっと疲れた様子で現れた。


「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃんですわ。流石ロットさん」

「なんやそれ?…まぁえぇわ。ところで姫さん、ロイはんが探しとったで?ここにおること言っとらんの?」

「え?食べる約束なんてしてないから言ってないですわ」

「大切にしたってや!我が国の王子様!」


そう言うロットさんを同情した目でミラさんが見つめて…何故か握手を求め、2人はそのまま無言で握手交わした。え…なんなの?ズルい。



「まぁオレもこっち来て帰らんかったらそのうち気づくやろ、ほんでな姫さん」

「会計さんも大概大切にしてないわね!」

「ミラはん…ツッコミ続けてたらこの面子とは付き合えへんよ。終わらん。ツッコミがいつまで経っても終わらん」

「…肝に銘じておくわ」


何故か頷き合ってる。通じ合ってる感がなんか悔しい。


「で?ロットさんはなんの御用なんですの?」

「頬膨らんどるよ姫さん。いや、もう制服乾いたやろ?オレの制服返して?」

「嫌ですわ」

「何で?もうええやろ?こんな場所やから近づいて来んけど、ギャラリーえらい事になってるやん。姫さん日陰の華希望やなかったんか?」


たしかに最近そんな事も言った気もするけど、胸を張ってハッキリとここに述べよう。


「それはソレ!これはコレですわ!!!」


ドーーーーンと、後ろに効果音が欲しいところね!!


「支離滅裂なのはえぇし、制服も一応まだ予備はまだあるしオレはええけど、姫さんは何がしたいん?」

「前に言ったじゃありませんか。女性もズボンを取り入れる時代になるべきだと」

「…そういや…掃除しながら雑談みたいに言っとったな…」

「それが今ですわ!!転んでもただでは起きないユリエル・セルリアですわ!!」


髪を後ろに流して言えば、無言でパチパチとロットさんとシルクが拍手をくれる。


「そんな訳でこの制服下さいな!」

「返して!!!」

「なら新品価格で買い取りますわ!」

「ほなウチで新品ナンボでも作ったるから!!」

「ならこれをリメイクお願いしますわ」

「なんで!?」

「だってピッタリなんですもの!」


ドヤっと理由を伝えれば「アンタ…もう少し会計のプライドも考えてあげなさいよ」とミラさんに言われた。ちなみにロットさんは机に突っ伏してる。


「え?…あ!!ブラウスは胸がキツいから大きいの買いま」

言い途中でシルクに口を塞がれた。


「慎み…とか、なんか色々持とうか姉さん…」


その手をそっと手で下げて説明をしようとシルクを見る。


「だって新品なんてオーダーメイドよ?作るの待ってたら遅くなっちゃうじゃない」

「オレまだ一年近く学園におるんよ?予備とらんとって…」

「ならロットさんが新品作ればいいんですわ」

「なんで!?オレ3年生よ!?」


「だってロットさんの着心地がいいんですもの」


ガツンと頭を机にぶつけるロットさん。


「ちゃんと新品のものはわたくしが支払いますわ!」

「姉さん…多分そーゆーことじゃ…」

「なら…ペンニーネ商会ごと買います?」


そう言ってシルクを見れば、ちょっと考えた風にして、

「まぁそうだね。それも可能だね」

と笑顔で頷く。


「制服一着から我が家の大ピンチ!!!もうその制服持ってって!!」


涙目ロットさんに許可を頂いたわ!ゲッツエンドターーン!!!


「まぁ商会は冗談ですけどね」

「流石にしませんよ」


2人で微笑んでロットさんに言えば

「貴族ジョークは平民にはキッツイわ」

半目で机に顔を横たえながら言ってくる。


「ロット先輩…お疲れ様です」

「ミラはん生徒会入って、この子ら頼むわ…」

「とてつもなく嫌になってまいりましたわ」

「でも、めっちゃ楽しいで?」


ニカっと笑うロットさんに、眉を下げてミラさんが笑った。





タイトルはフレンドパー◯のダーツの掛け声風にお願いします。



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