62話
戦闘シーンの描写がとにかく苦手なので、上手く書けないし描くのにもすごい時間がかかります。
今話もそのうち書き直すかもしれません。
ヴァンパイアが強化状態になってから形勢は逆転した。
恐らく魔人化の元となったスキルだろうが、暴走もしていないし強化率も段違いで、魔人化をした俺とルーンさんの2人がかりでも劣勢を強いられている。
「聖弓・破魔矢」
「アイスバインド!」
「チッ!ダラァァァ!!」
氷魔法で拘束して、ルーンさんが聖属性の魔弓で攻撃する隙を作る。
だが、ヴァンパイアの放った覇気で聖弓の勢いが殺され、致命的なダメージは与えられなかった。
「これが限界ならアタシは倒せないよ!」
「くそっ!ブリザード!」
苦し紛れに氷魔法をぶつけるが効果はない。
「主から授かったこの力、まだまだこんなモンじゃあないよ!」
「ガはっ!」
シールドでも防ぎきれずにまとめて吹き飛ばされてしまう。
こちらの攻撃はあまり効かないのに、相手の攻撃を止める術もないというのはとにかくやばい。
この状況を打破するにはどうすればいいか考えを巡らせていると、ルーンさんが話しかけてきた。
「やつを倒すには破邪奥義しかない」
「分かりました。俺が時間を稼ぎます」
「いや、私の魔法は未完成だ。あのヴァンパイアを滅ぼすことはできない」
「ならどうすれば‥‥?」
「私が時間を稼ぐ。君ならきっと奥義も使いこなせるだろう」
それだけ言うと、ルーンさんは一歩前へ踏み出す。
「精神を研ぎ澄まし、己の内の聖なる力に耳を傾けよ。グレスト家に伝わるオルレアンの教えだ」
「聖なる心‥‥分かった。やってみる」
「あぁ、こちらは任せてくれ」
「神弓召喚・アルスレギナ」
ルーンさんの手に光り輝く弓が現れる。
アルスレギナと呼ばれたその弓は神弓というに相応しい、膨大な量の聖属性の魔力を内包している。
「そうはさせないよ!」
「限界突破、嵐弓!」
ルーンさんのことが心配ではあるが、神弓も限界突破も短期決戦向けの消耗の激しいものだ。
聖なる力に耳を傾ける‥‥よく分からないが、俺には俺のできることをしよう。




