48話 歓迎
しばらくしてグレンとマリベルと街に戻ると、王都は祭りのような高揚した雰囲気に包まれていた。
魔物の群れが討伐されたと聞いて避難から戻ってきた住民たちと、緊急依頼から戻ってきた冒険者達が無事を祝って騒いでいるのだ。
「あ、見ろ!この街の救世主様が戻ってきたぞ!」
「本当だ!」
「あれが救世主フリージア様か!この街を守ってくださってありがとうございます!」
戻ってきた俺たちを見てまず冒険者が、それに続いて住民達も歓迎の声を上げている。
ギルドに向けて歩いていると何人もから声をかけられたり、屋台の店主さんから食べ物などを渡されたりもした。
「な、なんか照れるな」
「俺も最初は恥ずかしかったが、そのうち慣れてくるさ」
一方で、こちらを不満そうな表情でみている人もいた。
「俺たち何かしたかな?」
「つまらない逆恨みよ。気にする必要はないわ」
どうやら、彼らは緊急依頼に不参加だった者達だ。
今回緊急依頼に参加した者もランク評価等の優遇がされる。たとえ戦っていなくとも民を守ろうとした姿勢が評価されるからだ。
戦闘をしないで済むと分かっていたら自分たちも緊急依頼を受けたのにと、なぜか俺たちに恨みを持っているらしい。
面倒だと思っていると、マリベルが魔力による威圧を乗せて睨みつけた。
Sランク冒険者の威圧を受けた彼らは慌てて逃げていった。
面倒な相手もいなくなったことで、再びギルドに向けて歩き出す。
当然、その途中で何人もの住民から声をかけられたり
冒険者ギルドの扉を開くと中からは酒の匂いとともに街の中以上の騒がしさが耳に入ってくる。
ギルドの中では緊急依頼に参加した冒険者達が宴会をしていた。
もともと冒険者は騒ぐことが好きだが、今回は街の危機が解決されたとあっていつも以上に盛り上がっている。
かなり酔っ払っているようで扉を開けてもこちらに気づかず騒ぎ続けていたので、そのまま受付まで真っ直ぐ進んだ。
「お待ちしていました。ギルドマスターの元へご案内します」
受付にはヴァンパイアの時と同じ受付嬢が居たため、スムーズにギルドマスターの元へと案内された。
「失礼します。3人をお連れしました」
「ご苦労。下がっててくれ」
ギルドマスターは部屋の奥にある事務机で仕事をしていたが、俺たちが部屋に入ると中断して部屋の手前にある会談用のテーブルに着いた。
「今回はありがとう。君たちのおかげであの規模の魔物の群れを一切被害を出さずに済んだ」
「今回戦ったのはフリージアだけだ」
「それについても既に報告を受けている。今回の功績を讃えて、フリージア君をSランクとして認めよう」
「あ、ありがとうございます!」
突然のことで驚いたが、グレン達が俺一人で戦うように言った理由が分かった。
あれは、Sランクになるための実績を残すためであり、実力を周りの冒険者に示すことで昇格に不満の出ないようにするためだったのだろう。
とにかく、これでSランク冒険者が3人、天輪花を取りに行ける。




