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45話 VSマリベル

昨日実家に帰ってきました。

やっぱり、一人暮らしと比べて色々楽でいいですね。



「訓練場内は魔術保護がかけられてるとは言え、2人ともあまり無茶はしすぎるなよ」

「わかってるわ」

「本当か?‥‥まぁいい。それじゃあ、始め!」


グレンの合図で戦闘が開始される。


「フレアバースト!」

「ッ!クイックシールド!」


開始早々にマリベルさんは爆発魔法を撃ち込んできた。

まずは様子見をしようと思っていたところだったので、不意を突かれて吹き飛ばされてしまう。


「まだまだいくわよ。チェインバースト!」

「くっ!」


バランスを崩している隙に、続けて爆発魔法を連発してくる。

必死に回避したが、チェインバーストは着弾点から連鎖するように爆発が広がり、避けきれずに当たってしまう。


「フレアバースト!」

「アクアショット!」


このまま爆発魔法を受け続けていてはそのうち限界が来るため、魔法をぶつけて相殺する。

かなりの魔力を込めたつもりだったが、それでも押し切られるあたり、あの魔法の恐ろしさを実感する。


「やるわね」

「ブースト!はあぁぁぁ!!」


魔法がぶつかり合って生まれた爆煙に紛れて奇襲を仕掛ける。

『爆弾魔』といわれるだけあって爆発魔法の威力はかなり高い。

だが、接近してしまえば自分にも被害が及ぶため、爆発魔法を使えなくなるだろう。

近接戦闘は得意ではないが、マリベルさんを相手にするにはこれしかない。


「アイシクルソード!」


氷魔法で短剣を造り、両手に構える。

剣が届く距離まで近づいて振るう時、大きな帽子に隠れていたマリベルさんの表情が視界に映る。

マリベルさんは、かかったといわんばかりに笑っていた。


「ふふっ、エクスプロージョン!!」


超至近距離で、これまでで一番の威力の爆発魔法を受け、訓練場の端まで吹き飛ばされる。

かろうじて意識は保てたものの、動くのすら億劫になるほどに体が痛い。

だが、これほどの魔法だ。

彼女自身も無事とはいかないだろうと思い、煙の向こうを見て絶句する。


マリベルさんは全くの無傷だった。


「ふふっ、驚いたかしら?私のエクストラスキル『爆炎姫』の効果は、爆発魔法の威力を強化して、その被害を自分は受けなくなるというものよ」


攻撃魔法の中でも特に威力を誇る爆発魔法の、近距離で放つと自分も巻き込んでしまうという唯一の短所を克服する恐ろしいほどに強力なスキルだ。


奇襲を仕掛けた時もあまり動じていなかったのは、近づかれても爆発魔法が使えるからだったのだろう。


一度の攻撃すらできず、一方的にやられた。

やはり、Sランク冒険者の壁は高い。






「詰めの甘い部分もあるけれど、近距離も遠距離もどちらも高い水準でこなせているわ」


戦いを終えて訓練場の端に移動すると、マリベルさんはそう言った。


「これならドラゴンが相手でも大丈夫そうね。約束通り、協力させてもらうわ」

「ありがとうございます、マリベルさん」

「マリベルでいいわ。これからよろしくね」


マリベルさんが仲間になったことで、あと1人集まれば天輪花を取りにいけるようになった。

そう遠くないうちにマーガレットの病気が治るかもしれない。

冒険者としての目的が達成できるまであと少しとなったことで、さらにやる気が満ちてくる。


だが、早速出鼻を挫かれる事態が起きてしまう。


「王都南西から魔物の群れが迫っています。ギルドの内にいる者は直ちにホールに集まってください」





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