32話 一か八か
短めです。申し訳ありません。
ヴァンパイアと戦闘に入って1時間が経過した。
ヴァンパイアは休み休み攻撃を仕掛けてくるのに対し、俺は1人で戦い続けなければならない。
徐々に疲労が溜まって形成不利となってきた。
少し前にはグレンがブラッディオーガを倒し終えたおかげで少しは楽になったが、不利なことに変わりはない。
「しぶといニンゲンだ。だが、この数には敵うまい」
「チッ!バカにしやがって」
「だが、これ以上は耐えられないぞ!」
おそらくグレンも分かっているだろうが、2人とも限界は近い。
それに、相手はまだ余力を残している。
これまでは相手の数が多いため、防御を中心にして、隙を見てカウンターを撃つ戦法でいた。
だが、いつまでもそれでは不利なままだ。
「グレン!俺は一か八か、防御を捨てて攻撃にでる!グレンは防御中心にしてくれ!」
ノーガードでひたすら攻撃し続ける。
もし、攻撃をまともにくらうようなことになればただじゃ済まないだろうが、今はこれしかない。
ヴァンパイアを放置して眷属を殲滅していく。
5分ほどで7割ほどの眷属を倒したところでヴァンパイアが動いた。
「もらった!」
ヴァンパイアはフリージアの首筋に噛みつく。
この『吸血』によって、ヴァンパイアは眷属を増やすことができるのだ。
「フリージア!」
「グレン‥あと‥は‥任せた」
それだけ言い残してフリージアの意識は暗転した。
次はグレンの活躍する回です。




