28話 血牙の魔窟
先ほどの話に大幅に追加しております。
読んでくださった方ももう一度お読みください。
あのあと、グレンの家族に挨拶してから防具を見せてもらった。
グレンのお父さんはやり手の商人といった雰囲気の男性だった。
後継である長男、それの補佐の次男も礼儀正しく、スーツの似合う男性だった。グレンがこの人たちと血が繋がっているのが信じられないくらいだ。
そして、防具はワイバーンの皮を使った軽鎧を貰った。
ワイバーンの皮鎧は、魔力を込めた分だけ硬度を増す性質があり、重さは普通の服とかわらないくらいに軽い。
かなりの魔力がいるが、俺にとってはちょうどいいものだろう。
そして、気になるお値段の方はなんと5000万リル。
グレンのパーティーメンバーということでお金は要らないと言われたが、いつかは返そうと思った。
防具も手に入れたことで準備は整ったので、俺たちは冒険者ギルドに向かった。
黒いオーガの情報を詳しく得るためだ。
「Sランクのグレンだ。黒いオーガについての情報が欲しい」
グレンがギルドカードを見せながら言う。
Sランクともなれば大体の情報は聞くことができる。
「かしこまりました。こちらの資料をご覧ください」
さすがは王都のギルド本部の受付嬢なだけあってグレンが相手でも驚くことはない。
黒いオーガはブラッディオーガと呼ばれており、王都の南にある血牙の魔窟にいるらしい。
推定討伐難易度はS-ランクで、巣には他にもオーガ系の魔物がいるらしい。
以前派遣された冒険者によると、魔法耐性が強く、聖魔法、雷魔法、氷魔法以外は全く効かないらしい。
戦闘スタイルは通常のオーガとほぼ同じだが、体に魔力をまとっているため通常の攻撃は通りにくく、相手の攻撃はかなり強力らしい。
以上のことが資料からわかった。
「なかなか強敵らしいが、必ず俺が倒す。俺が隊長の敵討ちするんだ」
グレンの目には闘志が宿っており、こちらにも気合が伝わってくる。
その後の話し合いで、俺が周りの邪魔者を倒し、グレンがブラッディオーガを倒すと言うことに決まった。
1日休んで次の日の昼頃、俺たちは王都を発って洞窟に向かう。
ブラッディオーガのいる洞窟に着いたのは夕方ごろだった。
「そろそろいくぞ」
「わかった。ブラッディオーガが憎いのは分かるがあんまり無茶はするなよ」
「分かっている」
休憩を挟んでから洞窟に入った。
入ってすぐに魔力探知を使い、洞窟の中の様子をうかがったところ、一番奥の部屋にブラッディオーガとその配下らしき強大な魔力が複数感じられた。
そこまでの道にはいくつか道分かれしており、グレンとの相談の結果、先にそれらの道にいるオーガを倒してから、ブラッディオーガに挑むことにした。
ブラッディオーガがかなりの強敵である以上、後顧の憂いは絶っておきたいところだ。
そして、3時間ほどかけて全ての魔物を倒し終えると、少しだけ休憩をとって魔力を回復させてからブラッディオーガに挑んだ。
明日は17時の投稿となります。




