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16話 黒いゴブリンの正体

作者の都合により、フリージアの特殊スキルを少しだけ変更しました。

おおよその能力は変わりませんが、一応把握しておいてください。


なかなかストーリーが進まないので今日も2話更新します。

本当ならこの話で依頼受けるところまで行くつもりでしたが、書いてるうちに脱線してしまいここで終わりました。

明日の朝は更新できるかわかりません。

物語は少しは動かすつもりなので、読んでくださると嬉しいです。


「ところで、フリージア君が倒した黒いゴブリンについてなんだけどね‥‥」

「何かわかったんですか?」

「あぁ、死体を調べたところ、ヴァンパイアの痕跡が見つかった。あのゴブリンはヴァンパイアの眷属だったのだろうな」

「ヴァンパイア!?」


 ヴァンパイアとは、生物の血を吸うことで相手の能力の一部を自分のものにし、さらに吸血した相手を自分の眷属にするという恐ろしい能力を持つ種族だ。

 初代国王オルレアン・グレストが仲間であるベルンスト、ライオネルとともに撃退に成功したということはこの国の伝説に残るような話だ。

 ヴァンパイアはそれ以来500年間姿を見せたことは一度としてなかったはずだ。


「現在確認されているだけで三体、ヴァンパイアの眷属と思われる魔物が討伐されている。一つはフリージア君の討伐したゴブリン、残りはイグニス君とグレン君が討伐したオークとコボルトだ。

 どれもかなり強化されているようだな。あのイグニス君が少し苦戦したと言っていたくらいだ。ギルドではA+ランクに相当すると見ている」


 A+ランクとは、Aランク冒険者が3人以上で挑戦できる依頼で、Aランク以上、Sランク未満といったレベルだ。

 イグニスは現最強の一角であり、Aランク程度で苦戦することはない。そんな彼が少しでも苦戦したと言うのならA+ランクに相当するのだろう。


「ヴァンパイアのことはこちらで調べておく。何かあったら連絡するかもしれない」

「わかりました。では、僕はこれで失礼します」


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 まさかあのゴブリンがヴァンパイアの眷属とは驚いた。だが、同時に納得する。

 あれほどの強いゴブリンは上位種でも変異種でもありえないだろう。


 今の俺はゴブリンの巣の殲滅をしたことでレベル120相当のステータスを持っている。

 それでも、ヴァンパイアを倒すなんて到底無理だろう。


 かつてヴァンパイアを倒した3人は全員がレベル200を超えており、その上かなり強力なエクストラスキルを持っていてやっと撃退できたほどなのだ。


 エクストラスキルについてだが、オルレアンは『絶対崩拳』『覇者の盾』、ベルンストは『魔導覇気』『状態復帰』、ライオネルは『獣王降臨』、『獣神の波動』という名前らしい。


 能力は明らかではないが、伝説では


「勇者の拳は万物を砕き、敵の攻撃は尽く阻まれる。魔導の王の力に全ての生き物は恐怖し逃げ出し、また、仲間に傷が残ることはない。青き光を纏いし獣の神はいかなるものも止めることかなわず」


 と言われている。

 勇者がオルレアン、魔導の王がベルンスト、獣の神がライオネルのようだが、この伝説が誇張されている可能性もあるので全てを信用するわけにはいかない。とはいえ、おおよその能力は測れるだろう。


 今の俺はこの3人の足元にも及ばない。レベルだって半分程度だし、エクストラスキルも戦闘に使えるものではない。

 その背中は遥か遠くにあるが、いつかは追いつき、追い抜けるように努力しようと思った。

ちなみに、以前出ていたレベル200を超えている3人というのはこの3人です。

最高到達者がオルレアンですが、他の2人も同じくらいです。

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