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エルフの体はとっても便利です  作者: 南 六三
エルフの体は旅をする
34/156

出航準備1



 朝の日課である”捧げ”が今日も厳かなまま終わった。

エルフの里に帰って来て今日で三日目が過ぎた朝、俺はひとり吊り橋を渡っていた。

これからシャナウの代わりにドキアの街へ向かうのだ。

初めて街へ行きシャナウとお茶をした後、里へ帰って来たシャナウはすぐにオンアに呼び出された。

そして夕刻にもかかわらず、「オンアから頼まれたお使いで少し留守にします」と告げて出かけて行った為、神殿の駐在役としての代行をする事になったのだ。

長い眠りから覚めて状況がわかっていない俺が? とも思ったが里にいても特別やる事もなく、現状の把握には良い情報収集が出来るか? と考え美味しい飲み物とお菓子を今日もご馳走になりに向かっている。

当然軽くスキップするくらいには歩は速かった。

神殿を見下ろせる吊り橋の中央まで到着したので、新しいモガ服の腰紐を解き両手を広げた。

中にはきちんと下着もつけている。

胸にはスポーツブラ的な?胸あてに、提灯ブルマー的な?パンツも一緒に昨日テパから貰ったやつだ。

今まで開放感あり過ぎだったのだが着用してからは何故か文明人にランクUPした感じがした。

そして何より、全て純白なのも気に入った。

新しいモガ服も同様でとても肌触りが良くて気持ちいいのも気に入った。

以前はゴワゴワで肌が擦れて痛かったのだ。

両手に握った風の水晶に力を込め、軽く空へと蹴り出した。

思ったよりも軽く浮き上がり、簡単に風を捉える事ができた。

飛翔性能向上の為、素材やデザインをシャナウと一緒に研究したので是非試して欲しいと言われ神殿に向かうついでに今回は試験も兼ねた初飛行だ。

滑空から上昇、急旋回などをひとしきり試して街の上空を周回する。

眼下には綺麗な街並みが見えて、日の出からしばらく経っているので道には多くの人影も見えた。

所々煙突から煙も上がっていて、香ばしいパンの焼ける匂いもしている。

俺を見つけて手を振る人に、こちらも手を振って返す。

何世代分もの記憶を持つ人々・・・。

秩序と向上心に満ちた街・・・。

人が求める理想郷の姿なのではないか?などと物思いにふけりながら飛行した。

ゆっくり周回をした後、神殿前の傘の広場へ降り立った。

風の捉え方もいいし、俊敏な動きにも対応してくれる新しいモガ服にとっても満足して、自然と笑みが溢れる。

生地の薄さもあって少し濡れたくらいでは飛行に支障は無いとの事だし、これは良い物を貰えたと腰紐を結びながら再度ニンマリしてしまう。

まぁ、少し肌が透けて見えるのは我慢しよう。

神殿には入らずまた傘の東屋へと向かった。

テパのお菓子も目当てだが、神殿に設けられたエルフの席は俺には椅子は大きすぎるし、何よりも、置かれている場所が一段高くなった最奥にあるまるで玉座なのである。

俺が座るには場違いすぎる。

執務とかは無く、「ただ街の様子を見ているだけのお仕事」とシャナウが言っていたのだから俺は居場所を東屋に決めたのだ。

テーブル席に着くなりシロンが蹴けて来た。


「ナーム様・・・、聖域の門からお入りくださら無いと困ります・・・」


全力疾走後のせいか息絶え絶えで話しかけて来た。


「あれ? そんな決まりあったのシロン?」

「俺がエルフの民を・・・護衛しなければならない・・・のです。 何か事があってからでは・・・遅いのです」

「え? ドキアの街ってそんなに物騒な所なの?」

「昔ながらの住人は全く問題ないでしょうが、万が一他国の密偵がいないとも限りません! それに、皆の目前で飛翔するのはやめて頂きたい・・・」

「え? 飛ぶのもダメなの? 昔からみんな知ってるでしょ?」

「もちろん知っています・・・。 エルフの民はこの地の見守り役として皆敬っておりますが・・・、その力に恐怖している者も少なからず居るのも事実です。 力を見せつけるのは良いことばかりが起きるとは限りません!」


話の最後は少し語気が弱くなった感じがした。

もしかして、以前に何らしかのエルフの力を行使した時、住民の中で問題が発生した事があったのかも知れない。


「わかったよシロン。 以後きおつけます♪」

「ホントにですよ! 約束してくださいよナーム様!」

「じゃあこっちもお願い聞いて欲しいんだけど、いい?」

「俺ができる事であれば聞きます・・・が・・」

「じゃぁ、私に敬語を使うのはやめなさい!」

「しかし、それでは任務に勤めているとは言えなくなります・・・。皆の賛同を得て賞賛に値する言動が必要です・・・」


片膝を付きかしこまった姿勢でシロンが呟く様に口にする。


「賛同と称賛って何? 前にテパもそんなこと言ってたね?」

「ここドキアの街で生活するには何かしらの務めを持たなければ成らないのです。 その代わりとして街から衣食住が与えられます。 つまり皆が認める務めを果たさなければ、街から出なければ成らないのです」

「へぇー、そうなんだ。そんなシステムになってるんだ・・・。 皆に賞賛されるとどうなるの?」

「より神殿近くの住居に住める様になります」

「ふぅーん。 シロンは今どこに住んでるの? 中央? この近く?」

「俺は北門の前です」

「端っこじゃないか? 賞賛は貰えてないって事?」

「いえ、ここの街は北門から出た所が獣たちが多く生息してまして、不用意な衝突がない様に俺の縄ばりにしていますので、そこが便利なのです。 賞賛の区分は外区、中区、内区で高くなっていきます。 今は中区には住める賞賛は貰えています」

「シロンも頑張ってるんだね。 じゃぁ、他の人が周りに居ない時は敬語を禁止て事にしときます。 命令じゃ無くお願いだけどね」

「はぁ・・・」

「私のお願い聞いてくれないなら、私もこれからあなたを『モフちゃん』と呼ぶ様にする!」

「勘弁してくださいよ、ちっちゃい姉ちゃん! あっ!」

「そっちの方がしっくりくる! うん!」


頭をかく仕草に昔のモフの姿がかぶって見えた。

目の前にある頭を優しく撫でた後、肩を覆った毛皮も撫でた。

とても懐かしい感じがした。

シロンは俯きされるがままにしていたが、耳は紅潮していたので恥ずかしかったのかも知れない。


 昨日はテパと服飾関係の話とお菓子の話で一日が終わっていたので、今日はシロンに街の運営や周辺状況について聞く事にしていた。

貨幣を使わない生活が気になっていたのだ。

獣のモフ時代に街ができ始めたので、かなり詳しくシロンは知っていた。

街には5人の長老がいて、エルフから入手した技術や知識の情報を全ての住民に知らせる。

街に住んでいない各地に点在する森に住む人は、定期的に街を訪れ街の人と同じ情報を得られる。

物資は全ての人の共有財産で管理は長老達が行っていて、食べ物や衣服、農業用具などは欲する人全てに与えられる。

各地の農産物は技術の向上で生産者が消費仕切れなかった分が街に持ち込まれ、代わりに新しい農機具や衣服、新技術などを手にしていく。

街はその農産物を住民に分配する分と災害用にと蓄積する。

ドキアの樹海に住む人も含め獣達が、飢えの為に争わない様にする為に街は機能し存在している。

多くの農産物を街に収める者、品質の良い農具を作る者など他種に渡ってドキアの地に貢献したものが、人々から賞賛が与えられて街に住めたり、エルフから直接のお褒めの言葉を貰える。

簡単な物々交換ではない流通でこの街は成り立っていた。


 シロンの説明を聞き終わってからも俺は納得できないでいた。

どれもこれも、独占すれば人より優位に立てて多くの報酬を得れる。

賞賛と言うのではなく、物質的に人より満たされる事を望まないのだろうかと?

俺が知っている世界は肉体労働を嫌い、いい家に住み、いい車に乗って、色んな所に旅行へ行って美味しい食べ物を口しする。

それも周囲の人より、より上の・・・。

そう考えてしまう俺はさもしいのか?


「シロンちょっと聞いてもいいか? 人のものを盗んだり、多くの物を欲する強欲な人とかはいないのか?」

「時々貸し借りの話で揉める時はあるけど・・・、盗みとかは聞か無いな・・・。 欲張りな人も時々はいるけど、そんな人はどこにも居場所が無くなって森で一人で生きていく事になるし、光る石にも招かれなくなるらしいよ」

「転生できなくなるのか?」

「多分、人としては転生出来なくなるんじゃないかな・・・? その辺は詳しくない、ちっちゃい姉ちゃんはエルフの民なんだからそっちが専門だろ?」

「ごめん、そっちは専門外だ」

「そうなのか?」

「うん」


そんな厳しい世界なら俺は人として転生出来ないではないか!

以前の物質欲にどっぷり浸かって挫折していた俺の魂なんか、次に転生したらミジンコだっておかしくなさそうだ。


「ふぅー・・・」

「何ため息なんかついちゃって」

「色々自信なくしてさ・・・」

「何言ってんの? エルフ最高の戦士の名が泣くぞ!」

「え? 何言ってんのシロン?」

「姉ちゃんが言ってた。 あの時戦ったリザードマンのキャロルちゃんだったっけ? あそこまで戦えたエルフは今まで居なかったって。 最後は制限時間後の反則技で負けたって!」

「ううううぅ・・・。 負けには変わりないからな。 おかげで240年だもんな・・・」

「何弱気な事言ってんの? 俺はあの時ビビって何も出来なかったから、人になってから強くなる様に、姉ちゃん達の役に立てる様に鍛錬して来たんだ。 弱気な事言うちっちゃい姉ちゃんなんか嫌いだ!」


拗ねたのか背中を見せてブツブツ文句を言っているシロンがとても可愛く見えた。

そうか、俺はエルフ。

弱気な姿を簡単に見せてはいけない存在なのかも知れない。


「悪かったシロン、謝るよ。 まだ目覚めて間もないから少し弱気になっていたかも知れない」

「うん」

「そうだね、姉ちゃん何だからシロンより強くなきゃな! ところでシロンはどんだけ強くなったの?」

「この前の闘技会で3回目の優勝した。だから護衛の任に成れたんだ」


機嫌は治ったのか自信満々のニマニマ顔で振り返る。

見るからに体格は武闘派、弱そうには見えない。


「じゃぁ、少し運動がてら手合わせでもしてみるか?」

「いいのかちっちゃい姉ちゃん? 前の体よりそんなちっこくなった体で怪我しちゃうよ?」

こいつは昔とほんと変わってない。

猫じゃらしに飛びつくモフのまんまだ。


「モフの姉ちゃんとしては負けられないかんね。 怪我させる前に負けを猫ちゃんに与えてやろう!」

「何ィ!! じゃ、俺が勝ったら遠征のお供の席は俺にくれるね!」

「遠征のお供? 何それ?」

「今募集中だろ? 護衛2名技術者3名の視察団同伴者!」

「視察団は聞いてるけどその募集は聞いてなかったわ。 でも、勝てたなら強力に推薦してあげよう」

「よし!」

「じゃ、何で戦う、剣? それとも体術?」

「俺は戦場は選ばない!」

「おぉぉ! かっこいいねぇ! じゃ、シロンは何でもありで、俺は術は使わないよ」

「あれ? 使ってもいいんだぜ? 飛んでも、火球だしても!」

「そんな大人気ないことしないよ。 実剣だけはやめてお互い木刀にしよう」

「勝敗は?」

「どちらかが『参った』を言うまででどう?」

「よし! それでいこう。俺木剣借りてくる」


シロンは放ったボールを取りに行く子犬の様に何処かへ走って行った。

ただお茶してても暇だし軽く運動したいなと思っていたけど、いい遊び相手が出来てよかった。

それに、小人族の街最強がどの程度のものか見れるし、ちょっとワクワクしてきた。

さほどの時間もかけずにシロンは帰ってきた。

手には2本の木剣が握られている。

長さは俺の腰高の物だ。

体格差があるので俺にとっては長剣、シロンにとっては取り回しがしやすいちょうどいい長さだろう。

一本を差し出しながら


「これでいいかな? もうちょっと短い方がいい?」

「大丈夫だよ、万が一負けても剣のせいなんかにしないから。 シロンこそ自分の得意な獲物で構わないんだよ」

「俺もこれで十分だよ」


シロンはさっきからニマニマ顔が止まらない、とっても嬉しそうだ。


「なんか楽しそうだな」

「あったりまえだよ! エルフの最強戦士と戦えるんだ、この辺じゃ歯応えがある奴はもういないからね。楽しみで仕方がない」


身軽になれる様に、服の中の水晶の袋を取り出しテーブルの上へ置いた。

そしてシロンの後に続いて東屋を出る。

向かった先は広場の一角の20m四方の芝生だ。

いつも闘技会が行われている場所の様だ。

いつの間にか観客が数人集まっている。

木剣を借りに行った時にシロンが宣伝でもしやがったのか? これでは無様な戦いが出来なくなった。

負けるとは微塵も思ってないが、戦いに美しさを求められると困る。

元はただの冴えないおっさんなのだから。

中央に向かい合わせとなり軽く一礼した後、即開始となった。


俺は剣道よろしく正眼に構えてシロンの出方を待つ事にした。

シロンは右手に剣を握り斜め横にダラリと垂らした構えとは言えない自然体、だが顔は真剣その物で気迫が伝わってくる。 

ちょっと安請け合いしたかも知れないと後悔の念が頭をよぎる。

左足が少し前へ動いた、と思った瞬間、俺の右側面を風圧が通り過ぎて遅れて、バシュッ!と音がする。

右手も剣も振ったようには見えなかった。

一瞬腕が霞んだように見えただけだ。


「ナーム様、今のをみ切れないようであれば『参った』と仰ってください。 エルフの民に怪我させたくありません」


これほどまでとは思わなかった。

ただの素振りで剣に風を纏わせ音速を越す斬撃を飛ばせるとは。

シロンの人生を3回目と言っていた。

武闘を極める為に鍛錬を重ねたとも言っていた。

今生は20年としても過去生で長ければ80歳を2回、合計180年間修行と鍛錬を続けていれば俺が思う人外の力を身に付けていてもおかしくは無いのだ。


「少し計算外だった。 思っていたより少しは強くなっていたようだね、モフちゃん!」


ちょっと虚勢を張っておちょくってみた。

そして自分の中にある魂に封じ込めていた気力を解放していく時間を稼ぐ。


「もうモフちゃんとは呼ばせませんよ! ナーム様!」


その声と一緒に尋常じゃ無い踏み込みと、大ぶりな横払い。

多分手加減してのシロンの2手目、気力が半分は満たされた俺は身をかわし木剣で受け流すことができた。

そして又音が後から耳に届く。

剣だけではなく踏み込みでも音の速度を超えられるらしい。

人の身で化け物か?

揉めかみに汗が流れるのを感じた。


「よくこの剣に合わせられましたね。 もうこの剣を受けてくれる人は周りには居なかったのですがさすがエルフの民最強とゆう所ですか?」

「油断していた事は認めますよ。 俺も本気を少しは出す気になちゃったのは嬉しい。 楽しめそうだからね」


遊び相手では無い事を認めるしか無いようだ。

魂の気力はもう全開放状態にする。

動体視力は加速状態になり時間を引き伸ばす。

感覚は劇的に敏感になり足元の草の揺れ一本一本すら肌で感じられる。

俺は正眼に構えたままシロンに向き直り今度はこちらから仕掛ける事にした。

さっきのシロンの踏み込みを少しだけ上回る速度で同じく右側をすり抜け様の大振りの横払い。

同じ技だ。

シロンは剣で往なし、目を見張って通り過ぎた俺を目で追う。

間髪入れずに剣の持たない左側へ速度を少し上げて大振りの横払い。

剣での往なしは鋒だけが間に合い何とか間に合った感がした。

今度は驚愕の顔で俺を見つめてきた。

シロンの最高速を見切った俺は、後は打ち込みの稽古よろしく軽々と剣を受けて、軽く剣を打ち込んでシロンの体力の限界をまった。

何せこちらのエルフの体は反則級に無尽蔵な体力があるのだ。

息を切らせ始めたシロンを見て頃合いかと思い、もう両手持ちになった柄の近くに強打を叩き込み剣を落とす。

そしてすぐさま背中に回り込み、脇の下をこれでもかって力でくすぐってやった。

シロンは変な声を出しのけぞりながら悶え始め


「参りました!」


と大きな声で叫んだ。

くすぐる力を弱めて芝の上に横たわりまだ悶えるシロンを見る。

モフの弱点が変わってなくてホッとした。

たかが人の身と思って最初は侮って相手していたのは失礼にあたるだろうが、誰がここまでただの人が強くなれるとおもだろう?

これが記憶を持って転生を続けられるって事なのかと実感してしまった。

周囲にはいつの間にか人だかりが出来ていて歓声を上げていた。


「ナーム様!」

「ナーム様!」

「ナーム様!」


俺の名を叫ぶ声の中に、シロンの健闘を讃える声もちらほら聞こえる。

案外シロンは人気者だったのかも知れない。

まだ大の字になっているシロンの横に行って手を貸し立たせてやる。


「シロンすごいね! ここまで強いとは思わなかった。 一撃目の斬撃を直接狙っていたら俺負けてたよ」

「そんな事ない・・・、あれではちっちゃい姉ちゃんは倒せていないよ・・・。そんな柔な体じゃないって知ってるから・・・。 もうちょっといい線行くと思ってたんだ俺・・・」

「いや、本気を出させたシロンはすっごく強くなったよ! うん!」


慰めになったかどうだか分からないが、本心からの褒め言葉を言っておいた。

俺たち二人は歓声に送られながら傘の東屋へ戻ってきた。

シロンは少し肩を落としていたが、テパが気を利かせて冷たい飲み物を持ってきてくれて、音を豪快に鳴らしながら一気に飲み干して少しは落ち着いたようだ。

冷やされたタオルも持ってきてくれたので二人で汗を拭う。


「俺もちっちゃい姉ちゃんと一緒に外国って行って見たいなぁ」


シロンが遠くに流れる雲を見ながら呟いた。

小さな子供が憧れと好奇心に満ちた眼差しだ。


「別に行けないって決まった訳じゃないだろ? そもそも誰が選ぶんだ?」

「最初は近いうちに姉ちゃんが決めるって言ってたけど、どっか出かけちゃったんだろ?」

「そう、ちょっと留守にするって出掛けていつ帰ってくるとかも言ってなかったし、残していた仕事の話もしていかなかったからなあいつ」


確かあの時ミムナは出発は20日後とか言ってたから後17日はある。

その間にシャナウが決めるのだろう。

「誰が行くのかな」とか「行きたいなぁ」とか何度もブツブツ呟いているシロンを尻目に今日のおやつの粒あんをパンケーキで挟んだ大きめのドラ焼きもどきを口にする。

うまい!

そして湯気を上げる緑茶をすする。

絶妙!

昨日の今日でこれを準備してくれたテパに俺の賞賛を存分に与えようと思っていた時、神殿から一人の女性が駆けてきた。












 





次は出航準備2

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