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エルフの体はとっても便利です  作者: 南 六三
エルフの体は旅をする
32/156

ナームのコレから




 オンアの部屋は以前の記憶のまま何一つ変わりはなかった。

座布団を勧められ三者が車座になり、差し出されたホットレモネードを皆が啜った。


「さて、今回の呼び方は姫様でよろしいですかな?」


オンアの眉間に訝しむ表情が一瞬垣間見れたが気にせずにおこう。


「ミムナだけで構わんよオンア」

「そうですか、わかりましたミムナ・・・、一時はどうなるかと思いましたが、また姿をこうして拝見できて何よりじゃ」

「そうだな、あの時は緊急事態とは言え閉じ込められて少々焦ったが、あれから我々の目的が定まったし、結果として選択種は増えたわけだしな、今は落ち着いたと言えよう」

「樹海は以前と大分変わりましたが・・・」

「不安か? オンアよ」


立てた片膝に乗せた腕に手にしたままの器から、ゆっくりとレモネードを口にしミムナが問う。


「幾多も有った森の消失後の長く続いた安寧の後じゃ、小人達を見守って来たワシらが変化の速さについていっておれぬだけかも知れぬが、沼地に浮かんだ丸太を歩いて進んでる気がしてな・・・」

「小人達に何かあったのですか?」


オンアの不安が浮かぶ目元のシワが気になり、話に割り込んで問い掛けてしまった。

記憶にあるヨモの葉に擬態していた縄文文化のゴブリン達。

過去に食糧難で数を激減させたと言っていった。

もしかして、また? 不安がよぎった。


「そうじゃな、ナームが”雲落ちの巨人”の所へいって240年じゃ。お主の入れ知恵で大分変わったよ」

「俺の?」


部屋の壁に置かれた光る石に視線を向け、以前と同じ仕草で遠くを見ながらオンアは話す。


「樹海の外れに広場があったじゃろ? あそこの近くに街が出来たのじゃよ」

「俺の入れ知恵で、街ですか?」

「そうじゃ、あれから暫くしてな・・・、近隣の森を切り開き畑を作り・・・、定住する街を造ったのじゃよ。まぁ、きっかけを作ったのはお主じゃ・・・」


オンアは瞳を閉じて、所々記憶を探るそぶりの間を開けながら口にした。

言霊が想像させてくれた『街』は中世の世界だった。

竪穴式住居の縄文文化から進むにしてはいくら何でも早過ぎる、千年単位で行われるべき変化のはずだ。

ホワイトアウトしそうな位、脳内で思考を巡らすが答えが浮かんでこない、どうしてそうなった?


「耕作・定住して街ですか? 240年ですよ? いくら何でも早すぎますよ。 エルフが持つ知識で手取り足取り教えたのですか?」


膝達になり両手を広げてオンアに詰め寄ろうとする俺を片手で制し


「ワシら彼らに伝えたのは、「この地の者、皆が喜ぶ『より良い』物事を目指せ」の言葉。それと、願いにより森の木と石山使用の許可だけ与えた」

「言葉と許可ですか・・・。それだけで・・・。 いや、それにしても数千年の時間が必要でしょう? なぜ?」

「ナームよ、お主、このドキアの樹海に住むゴブリン・ドワーフを見誤っておる気がするのじゃが?」


胸の奥がチクリといたんだ気がした。

彼らを差別し蔑んでいた気持ちは無い、いや、無いと思いたい。

ほとんど生まれたままの姿で採集生活を送っていた彼らの生活水準を下に見ていたのは確かだろうが、しかし短期間だったが触れ合って感じた、互いを思い合う『慈愛』の精神は俺が忘れていて失っていた大切な物だった。

それと物事に真剣に向き合う姿勢。

しかし、それだけで文明は発展しないだろう? するのか? わからん!

もしかして、ドキアのゴブリンやドワーフはエルフの様な特殊能力を使える種族なのだろうか。


「いえ、俺は彼らを馬鹿にしてるわけじゃ・・・」

「ナームよ、お前を痴れ者としている訳では無いのだオンアは。 気を落とすな」


俯き床に視線を落とした俺を、見た目は小学生エルフのミムナが慰めてくれた。


「ここでの生活は短かったのだ。 感じ、そして知れた事はさほど深くなかっただろうから、彼ら小人達が進めた歩みの速度の理由を推し量れんのは無理がない事だ」

「それじゃ、小人達は特殊能力者だったって事ですか?」

「特殊では無いと思うぞお前も持っているのだから」

「俺も持ってる? 文明を進める能力?」


皆目分からん。


「言葉で説明するのは簡単なのだが口に出来る情報には制限がある、私が説明するより実際に街へ赴き見聞きした方が納得いくだろうから、その辺の話はここまでだ。それより、今はお前の処遇に関してここで決めておきたい」


ミムナは片手で俺を制する仕草をし、意表を突かれキョトンとする俺を無視して、オンアへ視線を向ける。

「そうですな、ミムナとナームは同じ体格でここへ戻って来たのですから、ミムナには何か考えがあってのことじゃろうからな、伺おう」

「私はこの後直ぐに山へ戻り、諸々こなさなければならない仕事がある。雨季による川の増水が治まった頃、そうだな20日程でここへ戻ってこよう。そして出発だ」

「承知じゃ。こちらの準備はもう終わっているので問題はなかろう」

「そこで、ナームなのだが、立場は私の直属の近衛としてある。そして私は行動の制限を科さないともしているので、240年前のエルフの民としての立場と何ら変わらない」

「ふむ」


オンアは物思いげにうなづく、ミムナの内にある計画を明かすよう催促する様に。


「”捧げ”に必要な祈りのエルフ達は足りているのか?」

「充分に足りておる」

「そうかわかった。 だそうだ、ナーム?」

「へ?」


しまった・・・、いきなり話を振られ、また変な返しが出てしまった。


「その小さい体ではエルフの村での生活も務めの作業も大変だろうから、居住の自由も行動の自由もオンアは許可してくれるそうだ。よかったな! ハッハハハハ!」


愉快そうに大きく笑い声を上げながらミムナは俺の肩を叩いて来た。

オンアはジト目で俺ら二人を眺めている。

俺にはうっすら憐憫な感情が込められているのが気になるが。


「あのぅー、いきなり何もかも自由にして良いと言われても困ってしまうのですが?」

「そうか? 困るのか? そっかそっか、ナームが困るのは私も困るなぁ!」


なんか芝居がかった口調に違和感を覚えたが、実際、”雲落ちの巨人”の所で目覚めてから、自分の目的を見失っているのは事実だ。

ナームの身体を元の魂に返す必要はなくなったし、ここは俺のいた世界から18000年の時を遡った世界。

帰るにしても手段も分からず、ここは多重世界の過去世かも知れない変な力が使える異世界なのだ。

”思慮深き行動”の根幹は知識。

『自由にして良い』と言われて困ってしまうのは、今の俺には知識がないからだ。


「では、ゴッホン! 困っているナームに自由とは別の選択肢を与えよう!」


何かを企んでいる含みのあるエルフの美少女から発せられる言葉。


「私の船に乗れ!」

「へ? 船ですか?」

「そうだ、別の大陸にある地へ向かう使節団の船だ。 この地では無い異国の文化も異国の小人達もいっぱい見れるぞ、楽しそうでは無いかな? 私が代表として行くのだ、それに付き従えば危険無く世界を見て回れるのだ、楽しそうでは無いかな?」


立ち上がり両手を上へ向けて、舞台上で物語の主人公を演じるミムナ。

見た目が小学生だから学芸発表会のヒロイン役か? 片手を俺に差し出すので、仲間にして欲しくは無かったが微動だにしない姿勢のまま固まったミムナに気圧されて、俺もそろりと片手を伸ばし差し出された手に添えた。


「よし決定だ! これよりお前は私の側仕えとし魔法少女の任を与える!」

「何? 決定? 何で? 魔法少女?」


ただ伸ばされた手を取っただけなのに? 何で? もしかしてあれって承諾の仕草だったのか? まずい、なんかまずい事になった気がする。

陽気にはしゃぎ小躍りしている美少女と、腕を取られ振り回されている俺を可哀想なものを見る目でオンアが見つめていたのだ。


「ミムナちょっと待って下さい。 外国とか側仕えとか・・・。いや、それより魔法少女の任って何ですか?」

「細かいことは道中で説明する。これはナームの賛同を得たミムナ団長名による決定事項だ。 帰還の暁には団長名による称賛が与えられるだろう!」


いきなり小躍りをやめ、腰に両拳を当てた威厳ある姿勢になったミムナが言い放った。

オンアはいつの間にかひれ伏し「団長名によるナームの使命承りました」などと言っている。

同じエルフの民で上下など無いって言ってなかったか? 団長名を名前に後付けすればなんか意味があるのか?


「それではオンアよ、私は一旦帰る。 あとは任せたぞ、次来るのは20日後だ。 ナームもそれまで充分に準備を整えておくように!」


思いもしない展開に立ったまま口が閉じない俺と、低頭したままのオンアをその場に残しミムナは部屋を疾風の如く出て行った。

茫然としばらく見送った姿勢のまま突っ立っていたが、まずいと思い追いかけ問い詰めようと動きかけた時にオンアの深いため息が聞こえ振り返った。

仕草で座れと促すので、それに渋々従う。

空になった器に新しく飲み物を注いでくれた。


「ナームよお主の情報Lvは3じゃったな?」

「・・・はいそうです」


少しだけ言いにくそう声音に聞こえた。


「ワシも同じLv3じゃが、ナ・・・、ミムナとは古い付き合いでな、気心を知っているからこそ日頃の言動からミムナが背負っている使命の事、ドキアを取り巻く世界が歩んでいる道がうっすらだが想像できるのじゃ」

「・・・・」


何の話が情報Lv3の枠を逸脱になるか分からない俺は返答に困って俯いてしまった。


「さっきも言ったがお主が来てからの樹海の変化は目まぐるしい程だ。 お主を非難している訳では無いから気を病むな・・・。ルカの集落があったピラミッドに異変が有ったのを覚えているかね?」

「・・・はい。屋上の血痕の件ですね」

「そう、あれは外地から来た小人によってもたなされたものだったのじゃ」

「ドキアの地以外から来た人? 襲撃された後だったのですか?」


格差の有る文明の接触は争いしか産まない俺の記憶。

蹂躙されるゴブリン達の姿が思い描かれ眉間にシワが寄るのを感じる。


「お互いに戦になった訳では無かった、一歩手前と言った所か。 船で川を登って来たそれらは、村を発見して最初は交流を申し出て来たそうじゃ、食糧が欲しかったのであろう・・・」


大陸を渡る程の船ならばそれなりの大きさで乗組員も多いに違いない。

生命維持に必要な清水と、保存が効く食料確保は大海を渡る船では必需品だ。

出先で補充する為の交易は当たり前と言える。


「サラのゴブリン達は余分な食料の手持ちは少なかったが、清水の他に幾らかは渡した様で交換品として青銅製の剣を一振り、盾を一つ置いて行ったそうだ。 この地の戦いは遠い昔でな村人達は剣と盾の使い方も忘れていて放置していたそうじゃ。 その数年後また船が登って来てな、同じ様に食料と交換し剣と盾を置いて行ったそうじゃが、帰り際に河原に有った黄色い石を一人の船乗りが手にした時から奴らの態度が激変したそうじゃ。 我先にと河原を走り黄色い石探しを初め、しまいには殺し合いまで始めた。 言うまでも無く黄色い石とは”金”を含んだ石だったのじゃ・・・」


オンアは俺がこの地に始めて来たその日、ドキアの森の道程を思い出していた悲しげな表情だった。

俺は何を言っていいのか分からず聴き入るしか無かった。


「・・・」

「数人の死人が出たあと頭が争いを止め”金”を船に積み出港したが、ルカのゴブリン達に『また来る、この黄色い石を集めておけ!』と言葉を残して行ったらしい・・・。 人と人とが剣と盾を使って争う姿、それも黄色い石を巡り狂喜乱舞する姿を見たゴブリン達は恐怖を覚えたらしい。 さもありなん。 人の生き死にに食料では無い物、それも”ただの石”を手にする為に懸けるのだからな。 それからゴブリン達は食料を渡せない時には村が犠牲になると考え、戦い方を練習し、村人達で競い合い、強者が剣と盾を手にする決まりにしたそうじゃ。 時々、二人が強さを誇示する為にピラミッドの屋上で獣と戦っていたそうじゃ」

「船の奴らは・・・、その後また来たのですか?」

「お主らが”雲落ちの巨人”の所へ行った次の年からかな? 毎年来ておるようじゃ。 時には一隻で、また有る時は20隻超える船団でな」

「ゴブリン達は無事だったんですか? 虐殺されたりしなかったのですか?」


身を乗り出しオンアを問い質す姿勢で詰め寄ろうとしたが、表情に微笑が垣間見えて自分の早合点を察しゆっくり腰を下ろした。


「この地に関しては任されておるが、外地からの干渉に関しては判断つかなたったでな、”雲落ちの巨人”に伺いを立てたのじゃが、それから暫くは河口に船が現れると不思議と陸から海へと強風が吹く様になり、外地の連中は遡上出来んくなったのじゃ」


海岸近くで吹く風は、普通であれば夜は陸から海へ向けて、昼は海から陸へ向けて吹く。

これは、日照により照らされて温められた陸が上空の空気を温め、海上の空気の温度より高く成る事で発生する海風。

逆に夜は海の温度変化は少ないが日が沈んだ陸は急激に温度か下がる為に逆転し陸風となって風は海へと向かう。

帆船の出港や漁師達が朝早いのは、陸風が吹いているうちは波は穏やかで風に乗り遠くまで行けるし、港への帰りと成る日中は風を背に受けて陸地を目指せるからだ。

昼も夜も陸から風が吹き続ける常備型の高気圧や低気圧など、船乗りとしては考えられ無かったであろう。


「それは何とも・・・、巨人達の仕業ですか?」

「明言はできん、かもしれんとだけ言っておこう。 お主が訪れる以前から変化の兆しがあって、対応しうる知恵を練る術をゴブリンとドワーフにお主は残して旅立ったのじゃ。 それからは目を見張る程にゴブリン達は変化して来た。 そして、それまでは手出しどころか口さえ出さなかった彼らが、強大な力をドキアの保守のために使っておるのじゃからな。 それゆえに、”雲落ちの巨人達”はお主が来てからのドキアの樹海が重ねて来た歩みの進捗状況を快く思っている、とわしは察しておる」

「タイムスケジュールは順調と・・・」

「なの、じゃが、ミムナとお主が小人族サイズで帰って来たと成ると・・・、少し雲行きが怪しいくての」

「とおっしゃいますと?」

「ミムナは直接小人達に接する事を以前から避けていた。 もっぱらシャナウの横で指図だけはしていただろうが・・・?」

「なんかそんな気はします。 シャナウはそれこそ側仕えに仕込まれてた感じはしましたから・・・」


元のナームはシャナウを自分のコマとして使う為に色々面倒見て来たんだろうと思う。

飛行術を根気よく教えたり、水晶の使い方もそうだったのだろう。

お茶の準備にもそつがなかったし。

そして、小人達との仲介の任もあってゴブリンやドワーフ達と懇意にさせていたに違いない。

うん。

待てよ・・・?

小人族と同じに成るリサイズ計画は以前からのスケジュールに盛り込まれた内容となると、今の俺の立ち位置には大きなエルフサイズのシャナウがいて、ナームと一緒に船に乗る事は無かった? 最初は一人で行くはずだったナーム、ミムナの小さな体を得た元のナームの同行は不必要だ。

なのに俺に一緒に来いと言う。 

何らしかの事態収拾の為に何かの駒として外国に行く羽目になってないか?

もしシャナウもリサイズの計画があって同行の予定が有ったとしても、彼女の年齢は750歳を超えているだろう? 

俺は前の人生の記憶も含めて50年とこっち来ての一ヶ月の記憶? あぁ、月は無かったか・・・。

経験値には膨大な差がある

それに魔法少女として付き従えなんて怪しすぎるにしても程がある。

自問自答で一喜一憂し、今は冷や汗を流している顔をオンアは無言で見つめていたが


「長く眠ってた割には、察しが良いようじゃな?」

「背筋がゾクゾクする悪い予感しかしないのですが・・・」

「ミムナが与えた魔法少女の任な? しっかり理解して準備した方がええじゃろうて」

「冗談か何かでしょ? ミムナの?」


オンアは天井を見つめ何かブツブツ口にしてから


「言霊の響きから理解した内容で言い直すと『自己正義追求超戦闘能力行使少女』となるが間違いは有るかね?」

「あっ・・・・・いえ、・・・・・大体そんなのです、・・・ハイ・・」

「暇つぶしのいじりられ役と護衛役で、一緒に連れ回したいだけだろうとも感じたがな? あの言い方だと・・・。 ナームの身体はエルフの民の中では随一の能力、遊ばせて置くには惜しいのはわかるのじゃが。 見るからにミムナの身体はお主の身体能力を凌駕しておろう。 戦いに特化したエルフの身体二人で向かわなければならない事態が、これから赴く先で待ち受けているとミムナは思っとるのじゃろうか・・・?、要らぬ詮索が浮かんでしまうの・・・」


やめて! そんなフラグ立てないでくれ! 心の中で呟きひたいの汗を拭う。


「オンアが感じるそれは、”雲落ちの巨人達”のタイムスケジュールを狂わす何かが外地で起きていると言う事ですか? 計画を邪魔をする何者かが外で暗躍していると?」

「そうなのかも知れない、ただのワシの憶測じゃ」


ミムナ達は火星からこの地球に使命を帯びて来ていると言っていた。

それを邪魔をする勢力が有る? 同じ火星からきた連中か? それとも元々地球に居た勢力か?

外地からしつこく船で通って来てる連中は小人だ。

ミムナ達が直接相手すれば一瞬で霧にしてしまえるだろう相手。

では、彼らもゴブリン達と一緒で別な勢力に育てられた連中でミムナの立場では直接手を下せない?


「オンアよ一つだけ聞きたい。 ”雲落ちの巨人”達の勢力が火・・・、いや・・・、別の勢力とはこの地に元々居た勢力ですか? それともミムナ達と同じ所から来た勢力ですか?」


Lv3の壁を越さないよう、墓穴を掘らない遠回しな言い方になったし、ちょっと掘ってしまった。


「この地球は主に2つの巨大な勢力によって分けられておってな、双方ともに不干渉を貫いておるはずじゃ。 お主が思っている2つの地域の勢力ではないとだけ伝えて置く。 ワシも詳しく知らんのでな・・・」



地球でもなく火星からでもない所から来た勢力が他の大陸を管理している。 

そこから来た船がドキアの樹海にチョッカイ出して来ているのだ、ミムナのあの豪傑そうな性格からして揉め事しか想像できない。

あの時手をとってしまった自分が悔やまれて仕方ない。

ただ、心のどこかでワクワクしている自分が居るのも事実だ。


「まぁ、ナンジャな、ナームよ・・・、頑張るのじゃな!」


丸投げされた? そんな気がしたがオンアの微笑みは優しかった。

見送られながら退出の挨拶をし、昼を少し過ぎた時間であろう空中集落をとぼとぼと懐かしの我が家への帰り道に歩みを進める俺であった。





















次は、シャナウとの再会

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