EP2-CP23 お風呂+
更新遅くなってすいませんm(__)m
ふ〜ふふ〜ふ♪
キッチンの奥の廊下の方から、シャワーの音と共に、下手なのか上手いのか、なんとも微妙な鼻歌が聞こえてくる。
それは類にとっては、不快でたまらなかった。なので、テレビをつけ、その大きい音量でごまかす。
しばらくして、シャワーの音が止んだ。だが、鼻歌はまだ止む気配はない。
「ううっ。苦痛だ」
頭を抱えている類の側に、光がいつの間にか腰を下ろしていた。
「い、いつの間に……」
「……」
しばらく光の顔を見たあとに、類はまた頭を抱えた。
「眠れん……」
「え?」
ボソっと言ったためか、類にははっきりとは聞こえなかったらしい。
「……」
「あのー……なんなんですか?聞こえないんだけど」
鼻歌のせいで不機嫌になった顔を上げ、軽く怒鳴った。
「うるさい……歌が」
そんなことまったく気にせず、またさっきと同じようにボソっと呟いた。
「はー、そんなこと――」
ギャャアァァァァーーーー
どこか鈍った叫び声が風呂場から響き渡ってきた。もちろん、その声の主が雪ということは言うまでもない。
「どうしたー?」
のんびりと風呂場に到着した類が、ドアを開けながら、まったく心配などしていませんよ的な声で問う。
さすがの類も一瞬硬直した。それには2つの理由があった。
まず一つは、急いで隠したであろう、きれいに巻かれていないバスタオルの下にある胸。
まさかとは思ったが……ない。まったくない。タオルの上からでも見て取れる。ここまでないと可愛そうに思えてしまう程だった。
まぁそれは、ほんの一瞬の話で……
問題は、浴槽で顔を赤くして、目を丸くする学である。
「い、いや違うです。そういうつもりではなく、そもそも僕はそのようなことに興味はないというか……いや、そういう意味じゃないんですよ。そのー、なんというか、もう知ってるっていうか……」
「それってどういう意味?」
俯いて顔は見えないが、絶対に怒っていることは明らかだった。特に、『もう知ってる』という部分に激怒しているようだ。
「い、いや、もう知ってるというのは、生物学的にということであって、けしてそういうわけでは……」
そのまま俯いた状態で、バスタオルをしっかりと巻きなおし、学に向かってゆっくりと足を運ぶ。
その一歩一歩が重い。なにかわからない異様な圧が学に圧し掛かってくる。
「おい、一旦引くぞ。ここにいたら俺らまで巻き添えを食らう」
類が光の耳元で囁いた。
それはまじ、つまり本気だった。類は本気でこの場を立ち去ろうとしているのだ。
雪が学のいる浴槽の前で止まった。それと同時に、出来るだけ逃げようと、浴槽の端の端まで体が吸い寄せられていく。
そして、俯いていた顔を学のほうに、ギロッと変え、鬼のような形相で学を睨みつけると、指を鳴らし、右腕を後ろに引いた。と同時に、類たちは部屋から速やかに非難し、そっと、ドアを閉めた……
パリンッ
ガラスが砕け散る音と共に、学の悲鳴が風呂場に響いた。
最後まで読んでくれてありがとうございます^0^
遅くなってすいませんでした。(しかも短くて;;)
けど、更新スピードの回復はまだだと思うので
3月ぐらいまでは不定期更新だと思いますが、これからも『類』をよろしくお願いします。




