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095 死の刻印

あらすじ:

 9割がたTF1の頃のミ■ガン・フォックス。

「ひとまず、君が無事で何よりだ神託者殿」

「ハァ……こっちとしては正直自分の状態ってよく分かんねえんすけどね」


 美女になったからって何なんだって話でさ。

 いやね。美女は俺も好きよ。美少女よりは美女の方が好きね。ロリコンじゃないしね。

 けど自分が美女になったって言われてもさ。ほら、女体化しただけのときは女装した自分みたいな感じだったからこんなもんかーってだけだったんだけどさ。辛うじて女には見えるなーぐらいの? いや、自分の面影は確かに今もちょっとあるのよ。うん。けど一割くらいかなぁ。そうなるさ。ともう完全に別もんじゃん。誰よ、こいつって感じで。


「ただ、やっぱり違和感ありますね。なんか、こう……胸は重いし、妙に体が引き締まっていてキュってしてるし」


 それにこれで俺のプラーンプランは当分はプラーンプランしないってことだよなぁ。前後に腰を振っても何も感じないってのがすごく違和感あるんだよ。

 なんていうんだ……安心感。そう、安心感が違うんだ。分かんねーかなぁ。分かんねえよなぁ。いや、教皇様なら分かるかもしれないけど。でも強力な呪いってどの程度なんだろうな。


「あのぉ、すんません。この呪いって教皇様の力で解除とかできないんですか?」

「そうだな。君にかけられたのはデミディーヴァが死ぬ直前の最後の力でかけたものだ。そして死の間際にかけられた呪いというのは非常に強力だ。今回は元々存在していた呪いが骨子となっているのだから、なおのことかけられたしゅの強度は高いだろう」

「つまり、どういうことなんです?」

「正直に言って人の身に余る……ということだ。解除は私でも四大司祭の力でも不可能だろう。或いはガチャ様とて難儀するやもしれぬ」


 え、神様でも難しいの? マジで?


「とはいえ、君の命を脅かすものではないはずだ。場合によっては目覚めた君の意識が変質している可能性も考えていたが、その様子では問題もなかろう」

「そうなんですかい。だったらいいんですけど」


 なんか怖いこと言われた気がするけど、問題がないならいいか。

 けど、やっぱり戻れなさそうなのか。


「それとだな。もう一つ君に話さなければならないことがある」

「はぁ、なんですか?」


 今のところ命の危険はなさそうだし、治す方法がないかはあとで調べるとして……


「君の命は後三日で終わる」

「は?」


 何ヲ言ッテルンダ、コノ人ハ? 呪イハ命ニ関ワリナイッテ今教皇様ガ言ッテマシタヨネ? ネエまきしむ?


「きょ、教皇様。それは一体どういうことでしょうか?」

「マキシム、勇者がそのように動揺するものではない」

「も、申し訳ございません。しかし呪いはタカシの命を脅かすものではないとは今教皇様ご自身がおっしゃったではないですか?」

「その通りだ。確かにデミディーヴァの呪いは神託者殿の命を危ぶませるものではない。だから、神託者殿の命を脅かしているのは別の要因だ」

「別?」


 どういうことだ。俺が呪い以外で死ぬ理由なんてあるのか?


「神託者殿の額を見たまえ」


 教皇様が俺の額を指差した? ん、鏡で見てみると……薄くだけど、なんか変な紋様がかかれているな。誰だよ、こんなの描いたの。


「妙な紋様に囲まれて数字が……これは3って描かれてるのか?」

「そうだ神託者殿。それは君が後三日で死ぬ……という意味の刻印だ。明日には2が刻まれ、明後日には1が、そして三日後には君の命は尽きるだろう」

「ちょっと待ってくれ。なんで、そんなことになってんだよ。というか誰がこんなことを?」


 嘘だろ。なんでそんなもんが俺の額に刻まれてんだよ。つまりこれって死のカウントダウンじゃねえか。


「教皇様、それってガチャ様の刻印ですよね。なぜタカシに死の刻印が刻まれているんですか?」


 は? ガチャ様? なにそれ。俺、ガチャの神様にデスカウントダウンさせられてんの?


「どういうことだよ、それ!?」

「私はそれを知りたくて、護衛をマキシムだけにしてここに赴いたのだ。何しろこの状況だ。まだ時間的猶予があるとはいえ、君は今ガチャ様に罰せられようとしているのだぞ。君が先のデミディーヴァとの戦いの最大の功労者だというのは私たちの誰もが認めるところだが……いや、だからこそ疑いをかけてくる者もいるだろう。避難をしてきたのは市民だけではなく、多くの貴族も含まれる。場合によっては君が深淵アビスを起こしたのではないか……と疑いをかける者も出てくるはずだ」

「マジっすか。それ、酷いだろ」

「そうだな。これはあくまで私の予想だ。が……ただ皆、今は不安なのだ。魔族が暗躍していることも知られているから疑心暗鬼にもなっている。我々は君がそうではないのは知っているが……それを立証するには君を審問をかけ、無実であることを証明させざるを得ない」

「審問?」


 アレ? なんだ、審問って聞いた途端に何か身体から汗が……涙が滝のように溢れている。分からない。何があったんだ?


「た、タカシ。大丈夫だから。そういうことをしないために教皇様はここにいるんだ? そうなんですよね教皇様?」

「うむ。私もアレはちょっとキツい。だから教えてくれ神託者殿。ガチャ様からの刻印に心当たりはないか?」


 今、何かの記憶の扉が開きかけた気がするが……気のせいだな。間違いない。で、心当たりって言われてもな。


「うーん、俺がガチャの神様と会ったのなんて、こっちにきて最初のガチャのときだけだしなぁ。それ以外で約束なんてした覚えないんだけど」


 だいたいガチャの神様に罰せられるどころか、最近の俺はガチャの神様も大喝采の活躍っぷりだったはずだろ。聖王都は崩壊しちゃったけど……さすがにそれは俺だけのせいではないよね。むしろ、俺頑張った方だもの。


「期間が区切られているということはガチャ様はタカシ、君にはまだ死を撤回できるはずなんだ。それさえ分かれば助かるんだよ」

「それさえ分かればって言われてもな。だから俺がガチャの神様と約束したのなんて……ん?」

「心当たりがあるのか神託者よ」

「あれ、もしかして……」


 そうだ。思い出したぞ。可能性があるとすればアレぐらいだ。けど、そんなに重い罰則だったのかよ? そういえば、そこら辺全然聞いてなかったよなぁ。失敗した。まあ、俺の意思はないんで知ったところでってのはあるけど……マジかぁ。


「ええ、教皇様。正確には俺……というか、リリムの契約なんですが、確か以前に払ってからもうすぐ一ヶ月だったはずです」

「それは一体何なのだ?」

「色々あって忘れてたんですが、俺……今月分のリリムの給料を払っていないんですよ!」


 あ、何言ってんだこいつ……って顔をされた。けど、他に心当たりがねえんだよ。というか、リリムに給料って……もしかして、あいつまだ生きてるのか?

次章より神竜再誕編。

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