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137 ウィズドゥロー

あらすじ:

1日目の成果

・ブロンズゴーレム9体

・アイアンゴーレム5体

・シルバーゴーレム2体(一部ミスリル化)

・隠し財産

 本日は黄金都市攻略を始めて2日目、そして限定ガチャを出してから3日目だ。つまりはあと4日中に探索を終えて聖王都に帰還し、換金をして最終日までには再度白神降臨ガチャをしないといけない。

 今回の俺の目的はとにかくガチャ資金を貯めることだ。なので成果の少なかった黄金都市の外周にある居住区はスルーして今日は都市中心部の探索を行うことに決めた。

 なお、この黄金都市ドルチェはエギンスト王国の王都だから中心部にあるのは王城だ。まあ実際に建っているのは地下都市を支える柱で塔に近いものだから王塔とでも言うべきかね?

 ともあれ昨日は様子見で、本番は今日から……そう思って挑んだんだがな。ちょっとピンチだわ。


「ルーク、頼む!」


 俺の指示にボルトスカルポーンから昇格プロモーションしたボルトスカルルークが前に出た。そしてヒレが生えて面積も増した神竜の盾をルークが構えると巨大な銀色の剣が神竜の盾に叩きつけられて、そのままルークが弾き飛ばされて俺の後方まで転げていった。


「うぉぉおおお、やっべえ。こいつ、ルークでも抑えきれないのかよ」


 俺は『ソレ』を見てそう呟いた。

 デミディーヴァとか魔人とか邪竜とかとも渡り合って来た俺だ。だから普通の敵と今更戦ったところで楽勝だろ……なんてちょっとは思ってたんだけど、んなわきゃなかった。俺は闇の神の勢力やつらと手に入れた装備が噛み合い過ぎるから自分の実力を勘違いしてたのかもしれねえ。

 今、ルークをぶっ飛ばしたのは全長が3メートルもある、左右の腕が剣と一体化した銀色の球体関節人形だ。それに周囲には鋼でできたスティールゴーレムたちもいる。

 こいつらは王塔の正門の前で待ち構えていた門番だ。周囲の壁は高く、ここ以外から入る手段もなかったし、こいつら自身が金になりそうだったから挑んでみてこの体たらくだ。単純にデカくて硬くて力があって速い敵を相手に俺はなすすべがねえ。こいつ、強すぎる。


「たく、不味いな」


 俺はとっさに下がって距離を取りながら爆裂の神矢を出して、巨大銀人形に射った。俺の未来視は命中する未来が視れる。ただ速いだけなら移動した先を狙えばいいだけのことだからな。当てられる可能性があるなら当てることはできる。


「なんだけどカッテぇんだよな。畜生」


 矢が当たり、爆発が起きて巨大銀人形が怯んだ。けれどもそれはただ怯んだだけだ。わずかにヒビも入ったがそれも目の前でじわじわと塞がっていくのが見えた。あいつ修復機能まであるのな。HP回復付きのボスとかマジヘイト溜まるんすけど。ざっけんなって感じなんすけど。


「タカシ、ごめん。抜けられた」

「いい。引き続き頼む」


 マキシムがすぐさま来て謝ってから巨大銀人形と再び戦い始める。

 最初に俺とリリムはスティールゴーレム、マキシムは巨大銀人形と割り振って戦い始めたんだがいかんせん巨大銀人形が速すぎるからマキシムも押さえきれてないんだよな。


「でやぁあ!」


 そして、マキシムが神巨人の水晶剣で攻撃を仕掛け、巨大銀人形はキリキリと音を立てながら胴体部を回転させて剣と一体化した腕で応戦する。空中で火花が散り、両者が同時に後方に弾け飛んだ。


「……本当に強いね」


 マキシムが険しい顔をして地面に着地すると即座に動き出し、再び跳びかかってソレと打ち合う。5メートルはある神巨人の水晶剣と恐るべき膂力を与える神剛力の腕輪なら例えドラゴン相手でもミノタウロス相手でも弾くくらいの力があるはずなのに、あのマキシムが互角……いや、両腕が剣となっている巨大銀人形の方が手数の差でマキシムを押しているようにすら見えている。


「タカシ様。マキシムが……これは不味いですよ」


 ようやくスティールゴーレムを一体倒したリリムが泣きそうな顔で俺にそう言ってきた。周囲を取り囲んでいるスティールゴーレムは鋼製の鎧でできたゴーレムたちでこいつらもとにかく硬い。関節部も多重構造になっていてリリムのドラゴニックスパイラルで二回、俺の爆裂の神矢なら一撃で破壊はできるが仕留めるにはさらに手数が必要だ。


「都市入り口のゴーレムは問題なかったから楽勝と思ってたんだけどな。舐めプし過ぎたか。なあリリム、極限の神罰は撃てないよな?」

「無理ですよ。アーツをすでに三回使ってますし」


 ですよね。その三回でスティールゴーレム一体を仕留めたんだからリリムの実力から考えれば敢闘賞だろうよ。けど、現実は甘くない。俺も3体は仕留めたがスティールゴーレムは残り8体いる。この状況だとマキシムへの加勢は無理だ。うん、こりゃあ今回は諦めたほうがいいな。ガチャはしたいが命あっての物種だ。


「しゃーない。マキシム、ここは一旦退くぞ」

「うん、そうだね。僕もこれは態勢を整え直したほうがいいと思うよ」

「じゃあ退却だ。目くらましを使うから門まで走れマキシム。ライテー、サンダークラウドだ!」

『ラーイ!』


 そして俺は十字神弓で金雲纏う雷の矢を球体関節人形に対して放った。

 それを相手は一刀で斬り裂いたが、それも狙い通り。すぐさま破壊された雷の矢から黄金の雲が噴き出して周囲を覆っていく。この程度の雷の雲じゃあ大したダメージにゃならんだろうが、目くらましにはなる。で、後は神撃の戦車を喚んで……


「リリム乗れ」

「あ、はい」

「で、テメエらは邪魔だぁッ!」


 俺は残りの爆裂の神矢をスティールゴーレムの足を狙って連続で射ち放つと神撃の戦車でリリムと、それから逃げてるマキシムを回収するとさっさと逃げ出した。どうやら連中は門から一定の距離を離れて行動することはできないらしいな。

 それにしても今回は完全にしてやられた。あれを攻略するか、それともスルーして中に入るか。さて、どうするかな?

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― 新着の感想 ―
[一言] 倒したっていうスティールゴーレムを回収出来てないのが痛いですね。 下手するとそれも敵が回収して修復しちゃうでしょうし。 ちまちま引き撃ちで数減らすのが正道といえば正道なんでしょうけどねぇ。
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