憎しみ
評価、感想の記入を是非ともよろしくお願いいたします。
「特定終わったよー」
ルイスが伸びをする。
あれから30分程度経っている。
「で?」
無愛想に言う。
ちなみに無愛想にしようとしてなった訳ではない。
これはもう仕方がない
「場所はどこですか~。教えて下さい~。
とか普通言うっしょー(笑)」
「………。」
「いや、何か言ってよ。精神的ダメージがぁ…」
「………。」
「すいませんでした」
ルイスに謝られた。
意外と脆いな。
「で?」
また聞く。
「場所ね。土麗中だったよ」
「高度とかも測ったけど、これは地下だね」
「やっぱりか………」
ドンピシャだった。
だがまた問題が出てくる。
しかし、土麗となると、乗り換え4回に
片道3000円越え。
この出費は仕方ない…。
「行くんでしょ?」
ルイスが聞いてくる。
「それ以外に選択肢ないだろ」
それが俺の答えだった。
「………シュナのこともうらやましく思うよ。
私もついていく。さっき言った通りだよ」
俺のどこが羨ましいのだろうか。
仮にあったとしてもしょうもないことしかないはずだ。
俺は…他人がわからない。
何故、人間という生物は他人を信用しようとするのだろうか。
俺にはわからない。
でも、目的は果たす。
今はそれしかない。
「じゃ、行くか」
立ち上がって言う。
「うん。行こう」
「俺もー」
(ムックリ)
「うわああああああああああああああああ!?」
ルイスが滅茶苦茶デカい声を出す。
原因は…あいつだ。
「ショウ…起きてたの?」
ショウがいきなり反応したからだ。
「今さっき」
「…………………………………。」
「シュナ、無反応止めろよ」
「お前、幽霊だろ」
「酷い(笑)
ていうのはいいとして、俺も行く。
あんなの目の前で見せられて俺はじっと出来ない」
乗り込むのに人数的には問題ない。
「じゃあ、改めて行くか………。金ある?」
「いや、私無い」
やっぱりか。それはそうだよな。
しかし、この問題は一瞬で解決される。
「金なんていらねぇよ」
…………?
「ジェット機使えば良い」
「…は?」
何言ってんだ?こいつ。
ジェット機なんて普通に考えて、用意出来るわけ…
「あー。ショウの家にありそうだね。
ショウのお父さんってギガドライブ
グループの社長だもんね」
「あ、そう」
ルイスの一言で納得した。
確かに金持ちの匂いはしてたし。
そんな超大企業の息子なら分かる。
ギガドライブグループというのは…。
説明はまた今度にしよう。
そこまで重要ではないはずだ。
「で、うち来る?さっさと殴りに行くんだろ?」
全ての問題が解決した今、俺らの反撃が始まる。
「………………」
「私も初めて来たけど…でかすぎる………」
ルイスが呟くように言葉を発し、見上げる。
こいつの親の総資産はどのくらいなのだろうか。
家がでかすぎる。
宮殿と言っても過言ではない。
ルイスの住んでるアパートの20倍…いや、50倍位はある。
でかすぎる。
「あー。○○さん?
あのージェット機今すぐ出して欲しいのですが。
ええ。あ、流石ですね。じゃあお願いします」
ショウが家の中の方とやり取りをしていたが、
「何か……………また度肝を抜かれそうな気がする」
「否定はしない」
ルイスの回答に共感した。
10分位歩いた。
家がでかすぎて、無駄に時間を使ってる気がする。
ホントにこいつの親の総資産は…。
「着いたよー。
あ、有難うございます。………ハイ。
えーと、土麗中って土山市でしたよね?
そこまで…」
「待て」
ショウと執事(?)の人との会話を制止する。
「その前に鉤鱗村に行った方が良い」
考えがあった。
「あの村の民族はとても身体能力が高いと聞く。
なら、注意を促すべきだ」
ショウが別の意見を唱える。
「でも、急がないと…」
「死人が増えるが?それでも良いのか。
あの民族は人体実験用のモルモットとして狙われている
それに戦闘中は情報が伝達されにくい。
多分、隙を狙ってそっちに進攻してくる。
俺らがクロを倒しても虐殺は終わらない」
虐殺を逃れるため。
そのためのものだった。
「それに向こうにナギの知り合いがいる。
俺は会ったこと無いけど、
向こうも俺もお互いの名前は知っている。
逆に殺されることは無い」
これも理由の一つだった。
向こうの奴に協力をしてもらいたかった。
「私はシュナの案の方が良いと思う」
ルイスが賛同する。
「………。じゃあ、鉤鱗村でお願いします」
決定。
一歩ずつ歩き出す。
風が靡く。
「………ジェット機ってこんなに………早いの…?」
「………」
感想:凄く早かった。
「はぁー。着いたー。あ、有難うございました」
着いた。あっという間に。
こんなの日常であったら………。
俺にも友達が出来たかもしれない。
好きでボッチなのだからかまわないけど。
ショウがお礼を言ってる間に世間一般的なやつらが思いそうな事を勝手に想像する。
「何か普通の村だね。私、凄い個性的な民族の村だと思ってた」
まぁ、ルイスのその感想はわからなくも無い。
村の中に歩き出す。
「ああ、どうぞ、お越しくださいました。
まずは村長に会って下さい」
そう村の人に言われ、素直に従って………
今、村長を待っている。
「ねぇ………」
小声でルイスが話しかけてくる。
「この村って…今、オッドアイなのが原因で
人種差別が問題になっている村だよね………」
そうだ。
この村の村民はオッドアイで、それが厨二病っぽい
とか、人間ではなく化け物だとかで人種差別を
受けている村だ。
この村人達は酷い現実を目の当たりにしている。
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「内地から人が来た?チッ、ゴミ共が…」
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そして、この村の人たちは…俺たち、外の人間を…
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「俺も行こー。………この手で内地の人間を…」
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憎んでいる。
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「ようこそいらっしゃいました。
私は村長のテスターと言います。
して、ご用件は?」
はっきりと言う。
声の大きさは自信無いが、それでもこの現実は
伝えなくてはならない。
「この村に大量の奴隷兵が攻めこみ、
この村の方々を虐殺しようとしてます。
それについて、分かって頂きたいのと、お目に
かかりたき、人物がおりますのでその者に………」
「騙されるな!」
敢えて、後ろを振り向かない。
「虐殺?それは、今俺たちを騙して殺すんだろ!」
一人、男が主張する。
息を吸って、返答する。
「お前、ナギって奴知ってるだろ。
あと、俺の名前知ってるだろ。
違うか?ルガ」
時が止まる。
「てことはお前がシュナか…。
一昨年、道を教えてあげてたら急にどしゃ降りの
雨が降ってきて、うちに泊めてあげた時に聞いた」
「そうか…」
「何のようだ。俺に用があるんだろ」
「ああ」
「その話の前に一つ」
間が空く。
空気の振動が言葉となって、耳に伝わる。
「内地の人間であるお前らを殺させろ」
今回も読んでいただき、有難うございます!
なんか…ヤバそうなの出てきましたね。
次回は戦闘回になります。
………誰とやるかは言ってないケド何か?((
次回以降もよろしくお願いいたします。
評価、感想の記入も是非ともよろしくお願いいたします。