序
芹沢学園は広くお見合い女子高として知られている。
戦前からある歴史ある学校なのだが、良妻賢母の育成を掲げた同校の卒業生からは政治家、実業家、富豪などの有力者に嫁ぐものが相次いだ。
彼女たちは善く家内を治め、その夫たちをよく助けた。
嫁を貰うなら芹沢から、そんな評判が戦後すぐには定着していた。
そうすると学園に誰かいい娘はいないか、とお見合いの打診がぽつんぽつんと持ち込まれるようになった。
いくつかのお見合いは実り、嫁ぎ先で芹沢学園の名を汚す不出来な生徒はいなかった。
かくしてお嫁さん養成学校としての芹沢学園の名は高まっていく。
時は流れ経営者が変わると、学園は非公式にだがお見合いの斡旋を主座にいれて運営されるようなる。
玉の輿を狙うなら芹沢学園が当たり前になった。
馬鹿は入れない。
容姿が悪くても入れない。
貧乏でも入れない。
それでも入試には志願者が殺到し、異様な倍率を叩き出すことになる。
これはそんな熾烈な入試を勝ち抜いた精鋭たる女子高生たちと、可愛い子いっぱいいるし、ハーレム作り放題じゃないかい? と入学したレズビアンの剣豪少女の物語である。