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Prologue
朝が来て夜が来る。私は生きている。それが当たり前のはずだった。今日までは−……
七月十一日、二十四時三分。北上・ 綾希は見ていたトーク番組が終わったところでテレビの電源をプツンと消した。そして自室へいきベッドに潜り込む。遅い時間帯ということもあってか、綾希はすぐに寝付いた。夏にしては涼しく、少し風の強い日だった。
一時間程経った頃、綾希は眼を覚ました。時計に眼をやると二時を過ぎている。窓は開けっ放しでカーテンが風で揺れていた。風の音で眼が覚めたのか、と窓を閉めようと手を伸ばした。
「お目覚めですか?」
高く透き通った声がした。驚いて声がする方を向くと一人の少女が立っていた。細く長い漆黒の髪、透けるような白い肌、海を映し出した様な蒼い瞳…俗に言う美少女というものだった。その少女は黒い礼服の様なワンピースを身に纏いこちらを見ていた。