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最終話:感情的になるな、俺は負けない、ヒーローだから

俺がいる研究所には、男三人いた。

小学校の敷地内にあるプレハブに、三人で戻った。

少し薄暗い研究所の中、アースグエイグが難しい顔を見せていた。

地尋は、紫音からもらった本を持ってナンシーと一緒に帰っていた。

そして、ソファーには背の高い社長積野水がスーツを着て、アースグエイグの方を見ていた。

俺は、背筋を凍らせながらデスクでピンクの手紙を読んでいた。


「それで、その手紙を読んでくれましたか?」

積野水が言う手紙を、俺が持っていた。ピンクの手紙は、積野水のものじゃない。

とりあえず、それだけは安心できた。


「どういうことだ?なんで積野水さんのところに、これが来ているんだ?」

「分かりません」

「なんで、岡島 紫音の手紙が、積野水さんのところに?」

そう、その字は紫音のものだった。が、内容もすごいものだった。


「彼女からの挑戦状ですね、これは」

渋い顔で、アースグエイグは帽子のつばに手を当てていた。

「ああ、これは夢でも何でもないようだ。これが、経済界に届いたんだろ」

「子供のいたずら、ととっても、本当はいいんですがね。

一応、こっちで確認をしようと思ってアースグエイグに調べてもらったんですよ。

そうですか、知り合いですか」

今日の朝、経済団体連の事務所に届いたピンクの封筒。

女の子の字、その内容は『地震予告』だった。


「十月〇〇日、大きな地震を千花市に起こします。あなた方は、間違っています。

この世界は、あなた方だけのものではない。

『魔法の言葉』を忘れたこの国に、ママからの言葉を送るためです」

そして、これが紫音のものだということが分かった。なぜなら、


「いったいなんだよ、『魔法の言葉』って」

前にいた原発でも、言っていた言葉。

紫音の言っていた言葉に、不思議な顔を見せた積野水。

ママ、言葉を失う、『魔法の言葉』、言っていることが訳が分からない。


「さあ、分かりませんね。でも、いつも彼女が言うことですよ」

「ああ、きっとそれが、紫音の欲しがっていることだと思う」

何となくそう思えた、紫音の訴えるような顔が浮かんだ。

アースグエイグは、あっているらしいのか、唇をかみしめているようにも見えた。


「でも、絶対彼女を止めないといけない。彼女は地震、災いだ。

岡島 紫音は、ニ万人以上の人を、一瞬にして殺した大量殺人犯だ」

「アースグエイグ……」

「ニ万人を殺すこと、それはニ万の人生を奪うということ。

ニ万の生き方を否定するということは、例え、それが神であったとしても許せる行為ではない」

そして、立ったまま自分のデスクを右手で激しくたたいた。

怒りに震えて歯ぎしりした、アースグエイグ。

普段のおどけた彼とは違う、感情をむき出しにしていた彼の姿。


「なんでお前は、そんなに……」

「地震は、忌むべき存在。ミーのように大事な人を、失います。

大好きな彼女と、十六年前に初めてデートできた日本の神月市。

綺麗な港町に住んでいたミーは、学生だったが、留学先の日本を紹介していました。

そのデートは、楽しいものになるはずでした。でも……」

「一九九五年、神月地区大震災か」

積野水がつぶやいたこと、俺も中学生ぐらいだったが、おぼろげに記憶にあった。

その時も、確か日本が大変だったみたいだな。


神月地区大震災、それは十六年前に起きた、日本の西で起きた地震。

戦後最大の都市型大地震で、死者六千人、二十五万家屋が全半壊したあの地震。

日本の遠くで起きていたことだけど、今でも人々の記憶に残っている地震。


「あの地震で、アースグエイグも……」

「そうです、あれがきっかけで耐震家屋の開発をし、私は地震を守ること」

「ミーは、地震の震源を解明することを目的として生きていきました」

積野水と、アースグエイグは互いに言ってきた。俺は、ただそれに納得していた。


何となく、二人が一緒にいることが理解できた気がした。

二人の心は同じなんだ、あの地震からどうすればいいのかを、考えて、動く。

そして、二人は『地震』という見えない不安と、知らないところで戦っていたんだ。


「これ以上、絶対に起こしてはいけない、『地震予告』は阻止する!

たとえ、それが殺してでもな!」

「そうだな、うん。でも、どこに紫音が現れるんだ?」

「座標の計算は、してある。パソコンのデータに転送する」

アースグエイグは自分のデスクに座る。

パソコンを動かしてデータを見て、俺は合わせるように頷いた。


(殺してでも……か)

アースグエイグの言葉を聞きながら、パソコン画面をだが、その一方で『魔法の言葉』が気になっていた。




ぼろアパートに、俺は戻っていた。節電対策のアパートの部屋は、やっぱりものすごく暗い。

十月〇〇日、それは明日に迫っていた。

明日には、紫音がアースグエイグの言う座標に現れる。

そこは、使われなくなった千花市郊外の市民プール。


空いた日に下見もしてきた、人気のない場所。

夜に行っても、昼間に行っても薄気味悪く、金網が張られていた。

俺の部屋は、驚くほどきれいで、片付いたテーブルのそばで天井を見ていた。


「ご飯だよ~、千花市のパパ。今日はね、地尋が作ったんだ」

エプロン姿の小学生、地尋はそういいながらご飯と、大きなお皿を運んできた。

「おっ、イカ人参じゃないか」

「えへへっ、地尋が作ったんだ。ママが昨日電話で、教えてくれたんだよ。

一人で、作るのは初めてだけど」

イカ人参は、おふくろの味。双海町の近辺で古くから食べられる。懐かしい味。

運ばれた大皿の中に、赤と茶色が美しく生えていた。


「地尋も作れるのか、えらいぞ」

「うん、ママは教えてくれるんだよ。

いいことも、悪いことも教えてくれるし、パパもそう」

地尋の言葉に、食べてという合図を見せた。早速俺は箸を伸ばしてみた。

ちょっと太いにんじんは、それでもおいしい。


「ん~、ちょっと辛いかな、でもおいしいよ」

「ありがとう、千花市のパパ」

無邪気な地尋の笑顔、俺の心が少し癒されていた。

この前見せた、悲しげな顔を見せた地尋の姿は、もうない。

健気で、笑顔のかわいい地尋が、そこにはいた。


「なあ、地尋。ちょっと気になったことがあったんだが、紫音ちゃんの事」

俺の言葉に、純粋な目を向けてきたのが地尋。でも、ちょっと悲しい顔を見せた。

「紫音ちゃんは、なんで大人があんなに嫌いなんだ?」

あの原発の時に、何度も言っていた。そこが、ずっと引っかかった。

もしかしたら、『魔法の言葉』と何か関係があるのかと思えた。


「紫音ちゃん、ずっと「ボランティアクラブ」だったんだよ」

「そういえば、そんな話していたな」

前に、地尋が言っていた、ボランティアクラブ。そんなクラブは、俺が小学校の時にもあったな。

「車道で、ゴミがいっぱい落ちていたときに、言っていたの。

大人は、ごみを捨てても拾わないし、ごみを出し続けるって」


なるほど、と相槌を打ったときに俺は言葉を整理した。

原発にいた紫音、ゴミ、江戸時代のエコ生活、なんかエコロジストな考えだな。

後は大人嫌いと『魔法の言葉』か、不思議な子だな。


「地尋は、あの紫音が言っていた『魔法の言葉』を……」

「知らない!」地尋は、俺の質問にかぶせるように言ってきた。

「地尋?」

「紫音ちゃんは、『魔法の言葉』とか言うようになったから、おかしくなった。

あんなことを、昔は言わなかった、どうして!」

うつむいた、地尋は、箸を持ったまま小さな体を震わせた。


「じゃあ、紫音ちゃんが『魔法の言葉』が、聞こえる様になったら、元に戻るかもしれないね」

「そうだ、そうだよ!」

その言葉を聞いて、また地尋は明るい顔を見せていた。

紫音は、『魔法の言葉』を聞きたがっていた。

何かわからないけど、聞きたいって言っていた。


彼女が地震で、彼女に『魔法の言葉』が聞こえれば、彼女を殺そうと企むアースグエイグを止められるかもしれない。紫音の話をしているときに殺意に満ちた目を見せた、アイツを。

そんなアースグエイグを、何とかとめたいし、止めないといけない。

もし、紫音が死んでしまったら、今度こそ地尋が選んでしまうかもしれないから。


でも、紫音が現れるだろう『地震予告』の日は明日。

これが子供の単なるいたずらなら、いいのだけど。そんなはずもない。

そんな紫音の言葉に、もう一つ気になった地尋にぶつける疑問が浮かんだ。


「地尋、紫音のママって、会ったことあるか?」

すると、地尋は首を横に振った。それで、俺は明日の場所を見てひらめいた。

そのプールは、今は一般開放されていない市民プールだったから。




『地震予告』の日、お昼二時、その時は訪れた。

俺と、アースグエイグ、ナンシーの三人が白い服を着ていた場所は、市民プール。

水を張っていて、濁っていた大きなプール。

住宅街から離れた場所にあるかつての市民プールは、今は一般開放されていない。

ここは、『関京電力』が買いつけた大きなプール。そこにあるモノは、


「使用済み、核燃料」

防護服を着ていた俺たちの前に現れたのが、あの時と同じ紫音。

プールサイドのコンクリートを突き破って、現れた小さなツインテールの女の子。


「そうか、お前は原発を狙って地震を起こしたのか?」

「半分正しくて、半分違うわ」

淡々と、落ち着いて語る紫音に、アースグエイグはいきなり銃を向けた。

マスクから見える目は、鋭く拳銃の先は紫音に向けられていた。


「あなたを倒せば、地震は無くなる。死んでください」

「私は、そんな言葉を聞きに来たんじゃない。『魔法の言葉』が聞きたいの」

紫音は、怖がる様子はないが、悲しそうな顔を見せていた。


「アースグエイグ、抑えろ。俺が説得する」

「何を言う、マイヒーローは……」

「俺はヒーローだ、そういったのはお前だな」

少し後ろにいた俺は、銃口を向けたアースグエイグの前に歩く。

銃を持つ手が、震えたアースグエイグ。

でも構わず俺は、アースグエイグの銃口を胸につけた。

根負けをしたのか、アースグエイグは銃を持つ両手を下ろした。


「感情的になるな、俺は負けない、ヒーローだから」

「ユーは、いったい……」

「あれから、ずっと考えたんだ。紫音の言っていた『魔法の言葉』を。

なるほど、確かに地震を止める『魔法の言葉』かもしれないな」

アースグエイグに向けた顔を、今度は紫音に向けた。

表情を変えない紫音は、俺を見ていた。

紫音は、ものすごく落ち着いていてとても小学校五年生とは思えない落ち着き。


「大人は、嫌い。ママを、いつもいじめるの」

「そう、ママのためだったんだ。紫音は、ずっとプレートを動かしていたのは。

でも、大丈夫だ。みんな、あの地震で分かったと思う。ママを大事にすることを」

俺は、そういいながら紫音の方に三歩、歩を進めた。


「青くて、丸くて、温かい地球という紫音のママ」

「……うん」

アースグエイグや、積野水が地震に戦っていたように、紫音は、やっぱりママのため戦っていた。

俺の知らないところで、『魔法の言葉』を聞くために。


「あなたは、初めて会ったときから、『魔法の言葉』を持っていた。

ちょっと、違う大人」

「お前が、欲しい言葉は『優しさ』だろ」

俺の言葉に、紫音は目を大きく見開いた。

後ろのアースグエイグは、やっぱり驚いた顔を見せていた。


「原発は、地球に優しいものではない。

紫音の言うゴミは、放射性物質。このプールを狙って、今回も地震を起こそうとした。

前回の時も、三月の大地震もそうだろ」

「人は、なんでゴミを作りながらも、豊かな生活を営もうとするの?

自分勝手な大人たちは、地球を苦しめるものを作るの?」

原発や、放射性物質に悪意を抱いた女の子は、怒った顔を見せた。

そして、悲しそうな顔を見せていた。


「分からないことはない、実際の地震の後、反原発の運動が世界各地で議論されている。

今も、それが続いていて……」

「でも、原発が憎いわけじゃない。

豊かな生活を作るために、地球のなにかをエネルギーにして犠牲にしている。使い捨てている。

昔の人は、そんなことをしなかったのに、モノをもっと大事にしたのに」

両手をぐっと握り、ママのいる地面を見つめた。


「だから、『江戸時代の生活』過去に戻ることか。

エコで、クリーンな力を作る研究もしている。大人だって、それは気づいた。

紫音、君の声は、ちゃんと伝わっているんだ」

「嘘、だよ」

「嘘じゃない、本当だ。地震という、メッセージが」

俺は、そういって紫音のそばにたどり着いた。

目の前の俺に、うつろな目で見た紫音の瞳に、俺の顔が映った。


「大人だって、捨てたもんじゃないぞ。

子供は、大人のいい部分を受け継いで、吸収するのが一番だ」

「それでも、大人は悪い人もいる」

「アースグエイグの言っていた言葉に、こんな言葉がある。

大人は、子供に十字架を背負わせる世の中に、してはいけないって」


かつてアースグエイグが言った言葉、彼はそのために異国の地で地震を研究していた。

俺に言ったアースグエイグは、銃を下ろしたまま俺の背中を見ていた。

「十字架は、大人の責任」

「そうだ、だから大人は大丈夫だ。君のために、生きているんだ。

君たち子どもに、優しさを与えて、十字架を背負わせないようにする。

もっと大人を信じたほうがいい、大人も捨てたもんじゃない」

俺は、紫音の頭を優しく撫でてあげた。

紫音は、俺の目の前で、初めて穏やかな顔を見せていた。


「うん、うん……ごめんなさい」

「かわいそうな、紫音。ママをもう苦しめたりしない」

俺は、紫音の頭を何度もなでてあげた。


「紫音も、いい子だ。ママの言葉をよく守って、生きていたんだね。

紫音も、よく頑張ったな」

「ごめんなさい、ごめんなさい。多くの人を、殺してしまった!」

いつの間にか、泣いていた紫音。まるで親にいたずらがバレて、謝る女の子の姿。

普通の女の子、地尋の友達。そんな俺は、大地を見ていた。


(見ているか、紫音のママ。紫音はいい子だぞ)

そう、俺は大地に声を語りかけた。




あれから一週間、俺は学校に戻っていた。教室で、俺は前に立っていた。

教えている教科は、いつもの理科。

スーツ姿の俺は、小学生教員らしく小学生に、地層を教えていた。


「日本にはプレートというものが、交差している地震の多発地帯である」

教科書に書いてあった、地震の一般的メカニズム。

俺はそれをただ朗読していた、地尋を含めた生徒が俺の授業を見ながら黙って聞いていた。

生徒たちも、今だと地震の話になると、真剣な顔つきになる。

日本全体を襲ったあの大地震の後だ、気になるのは当然だ。

ほかの理科も、これぐらい真面目に聞いてくれるといいのだが。


「そこで、プレートとプレートがぶつかったり、プレートの上に入ったりすることで、地震というものは起きます。さて……」

だが、俺は次の瞬間、教科書を閉じていた。


「でも、プレートという仕組みは、人と近いものです。

人は、人と人が衝突したりすると言い合いになったりします。

人が、上に立って人が入り込むと、差別が起きます」

俺が、教科書にないことを言うことで生徒たちが一斉に見ていた。

構わず、俺は教壇の前で話を続けた。

小さい女の子が、地震まで起こして、教えたかった、聞きたかったあの言葉を。


「だから、みなさん、人にもっと優しくなってください。

人と人がいがみ合うこと、差別は地震と同じですから。

そして、もう一つ、地球に優しくなってください」

俺の言葉に、不意にざわめく教室。趣旨が変わった授業に、ある生徒からは、


「先生、それは地震と何の関係がるんですか?」

「地震も、意志がある。人と同じように考えている。

先生、思うんだ。地震は、人が優しさを忘れたときにいつも起きるんじゃないかって。

ただの天災じゃなくて、地球からのメッセージじゃないかって」


俺にとっての答え、紫音が伝えたかったメッセージ。

大人が、本当は子供たちに伝えなければいけない言葉。

地震を起こさないように、するための『魔法の言葉』。


「地震が起きて、日本には世界各地から多くの支援物資が届きました。

それは、『優しさ』というものを、思い出すために。

地震が起きて、地震に便乗して多くの犯罪が起きた。

でも、同時に『優しさ』も再確認できたと思う。

地震というのは、『優しさ』と繋がっているんだ。

これからも、人類は地震と共存していかなければいけないから」


俺は、そう伝えた。

未来を担う子供たちに、はっきりと伝えた。

大人としての責任を果たすために、こうして伝えた。


今は分からなくも、大人になったら分かってもらえれば、それでいい。

分からなくて、迷ったときは地震が、いや地球からの声が届くんだ。

それが、紫音だ。

そんな教室の一番後ろに、彼女は黙って座っていた。

白いワンピースを着ていた、昨日入ったばかりの転校生。


明るくなった地尋の隣の席で、彼女は軽く微笑んだのが、俺は最後に見えた。


葉月 優奈です。

「なぜ地震は起こるのだろう?」読んでいただいて、ありがとうございます。

初めて、学園ジャンルでない、現実系を書いてみました。

正直、現実系は難しいですね。

このお話は未来的観測と、かなり現実的な部分を題材に書かせていただきました。

紫音が伝えたいメッセージは、今の大人が受け止める話であって、それを子供(子孫)に背負わせない社会をつくる願いを考えて書きました。

すこしでも、メッセージが伝われば幸いです。

また、次回作もよろしくです~。


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